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✓朝星夜星

▽あらすじ
夫婦で挑んだ「日本初の洋食屋」誕生物語。
幕末の長崎で洋食屋を始め、
明治の大阪でレストランとホテルを開いた
料理人・草野丈吉と妻・ゆき。
日本の外交を支えた<自由亭>
幕末から明治維新。激動の時代の外交を
西洋料理で支えた。
その一皿は深「志」の味がする。

▽印象に残ったフレーズ

「料理人の作るもんはぜんぶ
胃袋の中に入って何も残らんたい。
仕込んで卓の上にいかほど
皿を並べても、一刻ほどで消えてしまう。
いや、残されたら料理人の恥。
きれいさっぱり余さず
消し去ってもらうとが稼業たい。
ゆえにおれらの甲斐はほんのつかのま、
食べる人の幸せそうな様子に尽きる。
その一瞬の賑わいがうれしゅうて、
料理人は朝は朝星、夜は夜星を
いただくまで立ち働くったい。」

▽感想
ボタニカを読んで
頭で考えたりするミステリーや
心が動かされてしまうほのぼの系や
感動系の小説ではなく
つらつらと文字と話だけを
追いかけれる小説にはまってしまい、
朝井先生のシリーズをまた
手に取ってしまった。

時代にもまれながら
この人も一生を料理に支えた草尾丈吉さん。
料理で日本を支え、そのうえ
料理でたくさんの人を幸せにしてきた。

妻のゆきも分からないながらも
自分なりに夫と店を見事に支え、
浮気にも肝の座った態度で受け流し
さすがああああと
ゆきをさらに好きになった。

料理の描写も美味しそうで
お料理系が好きな人は
長いかもしれないけど
ぜひ読んでみてほしいです

朝星夜星/朝井まかて/PHP

↳試し読みもありますので、ぜひ

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