✓ボタニカ
▽あらすじ
明治初期の土佐・佐川の山中に
草花に話しかける少年がいた。
名は牧野富太郎。
小学校中退ながらも
独学で植物研究に没頭した富太郎は、
「日本人の手で、日本の植物相
(フロラ)を明らかにする」
ことを志し、上京する。
東京大学理学部植物学教室に
出入りを許されて、新種の発見、
研究雑誌の刊行など目覚ましい
成果を上げるも、突如として
大学出入りを禁止。
私財を惜しみなく注ぎ込んで
研究を継続するが、気が付けば
莫大な借金に身動きが取れなくなっていた。
貧苦にめげず、恋女房を支えに、
不屈の魂で知の種(ボタニカ)を
究めあげた稀代の植物学者を描いた。
▽感想
植物そのものにまた世間の人が
触れておらず名前の知らない草花が
たくさんあった時代。
これは何という名前だろう
この花とこの花は似ているから
同じ系統の花かもしれない
それをこの牧野富太郎を筆頭に
日本の植物図鑑がどんどん
華やかに埋め込まれていった。
植物を愛し、植物に愛された人
己の探求心を生涯一度も止めることなく
ただただ生えている草花を愛で
解明を続けた人。
私たちが今、
花の名前を知ることができるのも
すべてこの方のおかげだろう。
この人の研究の裏で
妻や子供が少しだけ犠牲に
なってしまったのではないかなと
母の目線で思わずにいられなかった。
ボタニカ/朝井まかて/祥伝社
↳試し読みもありますので、ぜひ