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✓喫茶おじさん/原田ひ香

▽あらすじ
人生もコーヒーも、苦いけれどうまい。
松尾純一郎、バツイチ、57歳。
大手ゼネコンを早期退職し、現在無職。
妻子はあるが、大学二年生の娘・亜理砂が暮らす
アパートへ妻の亜希子が移り住んで約半年、
現在は別居中だ。
再就職のあてはないし、
これといった趣味もない。
ふらりと入った喫茶店でコーヒーとタマゴサンドを味わい、
せっかくだからもう一軒と歩きながら思いついた。
趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。
東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都――
「おいしなあ」「この味、この味」
コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら
各地を巡る純一郎だが、苦い過去を抱えていた。
妻の反対を押し切り、退職金を使って始めた
純喫茶を半年で潰していたのだ。

▽感想
何となく、うだつの上がらないおじさん、純一郎。
会う人みんなに
「あなたってなにも分かってないのね」
と言われてしまう。
なんとなく前かがみで下を向いて歩いていそうで、
シャンとしない人。そんなイメージ。

それでもすてきな喫茶店を見つけるセンスはある!
原田ひ香さんマジックのお料理の描写が
これでもかとつまっている。

ちょっと残念な純一郎をよそに、
私が純喫茶を楽しんでいました。


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