✓コスメの王様/高殿円
▽あらすじ
時は明治の世。
秀才ながらも、山口の家族を支えるため
進学をあきらめ、単身神戸に出てきた少年・利一。
牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。
神戸の花隈での二人の出会いは、
やがて日本の生活を一変させる
発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。
そして、幼い日に誓い合った約束の行方は?
▽印象に残った文章
▽感想
利一もハナもたがいの背中を見つめながら
前へと進んでいっているなと思った。
ハナのためにから始まり、
大衆が使える化粧品をと品質や材料をこだわって作る。
利一の世の中を読み取る力が凄くて、
これほど頭が回れば物も売れるだろうなと思ったが
それよりも、ハナを想う気持ち、大衆を想う気持ちが
人を引き付けたんだろうなと思った。
ハナも利一を見ながら花街で技術を磨き、
利一にこれだという助言をして何度も助けてきた。
いつかおたがいに…と思っていた利一がハナに送った
というプロポーズが
ハナのことをとても想っているなと
心が温かくなった。
恋愛小説をてんで読まないけど
これにはきゅんとしてしまった。
ハナが泣く泣く利一と日本に分かれを告げるところも
涙が出てしまった。
芸妓はただ男に媚びをうっているものだと思っていたけど
実は、仕事と仕事や人と人の縁をうまく結ぶ
そんな役も買っていたんだなとこれを読んで知った。
それも踏まえたうえで、大金を積んでいるんだよなあ。
最後、二人ですき焼きを食べれて良かった。
✓コスメの王様/高殿円/小学館
↳サンプルもありますので、ぜひ
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