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✓きまぐれな夜食カフェ~マカン・マランみたび~

▽あらすじ
シャールさんの美味しい料理を
今夜も召し上がれ…

▽印象に残ったフレーズ

「それにね、居場所なんて、
どこかに無理やり見つけるものじゃないのよ。
自分の足でしかっりと立っていれば、
それが自ずとあなたの居場所になるの。
要するに、あなたが、
どこに立ちたいかなのよ。」

若さは決して万能ではない。
無限にあるように見えて、
その実限られた選択肢の中から
なにかを選び取っていくことは、
若ければ若いほど、
切実な痛みを伴う。

「人間を素粒子レベルで考えると
1年間で全く新しい素粒子に入れ替わる。
1年ごとに生まれ変わる。」
そう考えていけば前に進めそう

▽感想
古内さんの小説ははずれがない。
どんなに登場人物たちがだめでも
最後は必ず前を上を向いているから。
読んでいて、ああそうか、
そういう考え方や捉え方もあるんだなと
勉強にもなる。
こういう本はいつも付箋でいっぱいになる笑

ご飯の描写や食事の知識もすごく
美味しそうに文章で書くことはもちろんだけど
その食材や調理法がどうやって体に行渡るのか
それが書いてあって料理ノートも埋まっていく!

一癖も二癖もある
色んな事情を抱えた人たち
今回は
ネットで批判ばかりして
それに生きがいをもっている女性
有名な料理人になると意気込み
それに疲れてしまった料理人
旦那に愛人がいるのに
それをどうとも思わないようにして
生きている女性
様々であるけれど
この人たちに料理や言葉を差し伸べて
前を向かせている・・・・
いや、シャールさんが前を向かせているのではなく
その人たち自身が前を向いている
シャールさんはその助けをしている。

もし自分の周りに困っている人や
悩んでいる人や悲しんでいる人がいれば
どうやって声を懸ければいいか
なんとなく本を読んで
視野を広げているつもりでいる。

過去にでてきた人たちの
その後もちらちらでてきて
続編に次ぐ続編ゆえの
楽しみ方もある。

きまぐれな夜食カフェ~マカン・マランみたび~/古内一絵/中央公論新社


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