✓レーエンデ国物語-月と太陽-/多崎礼
▽あらすじ
名家の少年・ルチアーノは屋敷を何者かに襲撃され、
レーエンデ東部の村にたどりつく。
そこで怪力無双の少女・テッサと出会った。
藁葦き屋根の村景や活気あふれる炭鉱、
色とりどりの収穫祭に触れ、
ルチアーノは身分を捨てて、
ここで生きることをきめる。
しかし、その生活は長く続かなかった。
村の危機を救うため、テッサは戦場に出ることを決める。
ルチアーノと結婚の約束をして――。
封鎖された古代樹の森、孤島城に住む法皇、変わりゆく世界。
あの日の決断が国の運命を変えたこと、二人はまだ知らない。
▽印象に残った文章
▽感想
残酷な出だしから始まり、ルチアーノは一人にされてしまう。
そん中、出会ったのがダール村の人たち。
とてもおだやかな暮らしで、このまま話が・・・
終わるはずもなく。
怪力が自慢のテッサだったけど、
登場からもっと特別に力がるように
書いてもいいんじゃないかなと思った。
ルチアーノとの恋の発展も
(たしかに発展できる環境ではなかったにしろ)
もっと深い感情が出てほしいとは思った。
テッサが村を出てからの戦の話は興味深かった。
自分が普通の人生を歩むのではなく、
レーエンデに自由をもたらす者として
行動をおこすのだと自覚してからのテッサの
変わりようが凄まじかった。
レーエンデをとりかこむ政治の仕組みも
すごくよくできていて、
新法皇のエドアルドの策略にも思わず声が出てしまったほど。
レーエンデ国をめぐって、
レーエンデために命を懸けた人たちの
熱くて儚い物語です。
✓レーエンデ国物語-月と太陽-/多崎礼/講談社
↳単行本
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?