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✓奥様はクレイジーフルーツ/柚木麻子

▽あらすじ
「たかがセックスで生活の全部を
捨てる覚悟はあるのか」
したい妻としたくない夫。
セックスと幸福の関係を描き切った連作短編集

▽印象に残った文章

「おかしくね?
そこにあった性欲が一瞬でなかったことになってる。
他人がしてないって聞いたら、
なんか安心するってやっぱりおかしいよ。
人と共有しただけで、問題が解決するなんてさ。」

「人類史上、最初にセックスした人って
こんな感じだったのかな。
こうやって、くっつきあっているうちに、
あっ、こうすると気持ちいいよって思いついて」

もしかすると、
すべては実りを待つようなものなのかもしれない。
時間をかけて、手間をかけて、
肌を合わせていれば、
心を通わせてさえいれば。
夫婦で居ることをしぶとくやめなければ。
いつしか花はゆるやかに開くのかもしれない。

いいものは、すべて彼と分け合わねば気が済まない。
そこに萎えると言われたら、
いったいこの先、どうやって一緒に生きていけばいいのだろう。
わかっているのは、
全部手にするということは無理ということだけだ。

▽感想
妻や夫をもう家族としてしか見れない。
だからセックスをするという考えにはならない。
“セックスをする関係“ってなんだろう。
恋人、夫婦、セフレ、友人
どれもシチュエーションは違えどもありえるけど、
家族としてしかみれないってどういう意味なんだろう。
恋人、夫婦→家族この壁にはなにがあるんだろう。
家族だし夫婦だし、セックスできる仲
そういうものではないのかな・・・・
と理論上言ってみるけど、家族になると
セックスをするに至らないのは分かる気がする。
でもそれって悲しい事だよね。

人間の三大欲求の一つでもあるから
まったくしたくなくなるというのは
違うと思うんだけど
他の人だったらしてしまうんだろうか

と、考えたら止まらない題材だったと思う。
結局解決したんだろうか?という終わり方。


✓奥様はクレイジーフルーツ/柚木麻子/文春文庫

↳単行本

↳文庫本

サンプルもありますので、ぜひ

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