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産後に編み物を始めた話|ほたての育児日記

将来は、虎柄の服着てチャリンコを乗り回し
安さとお得さに命をかけ、バーゲンセールに参戦するオバチャンになるんだろうなと思っていた。

だけど今、外に出ず部屋で編み物編んでる。
このままでは歳をとった時に、暖炉の前で揺れる椅子に座りながら編み物を編むおばあさんになってしまう。
思ってたんと違うな...
どうしてこうなったのか?

私は妊娠中に北海道へ引越し、コロナ禍ということもあり里帰りせず出産した。
新生児期はとにかく毎日が必死で一生懸命で、いつ寝てるのかも分からない状態。
私に残されたわずかな自由時間は趣味に使うことより、休息や子育ての不安を検索する時間に変わっていった。

日々のお世話にも少し慣れた頃、唐突に「家事育児以外のことを何かしなきゃ」という気持ちに駆られた。
というのも、家事育児は正解がなく全て手探り。
誰からも評価されず、特に育児は初めての事ばかりで反省や悩み事が多い毎日。
冬は慣れない雪で、外に出るのも億劫だし部屋に引きこもりがちになる。
そんな状況に気が滅入ってしまっていると感じたのだ。
散歩でも、テレビを見るでも、なんでもいい。
なにか自分の好きなことや趣味を再開して、気持ちを切り替えないとマズイ。

そこで始めたのが図書館通い編み物だった。
数ある趣味の中でなぜこの2つだったのか?
図書館通いについてはまた別の機会にお話するとして、今回は編み物について書こうと思う。

私にはいくつか趣味があるのだが、そのうちの一つが手芸である。
妊娠中に念願のミシンを買ってもらい、ベビー用品を作ったりしていたが、産後は全くと言っていいほどミシンに触れていなかった。
今振り返ると気力や余力がなかったのだと思う。
縫い物は、単に縫うだけでなく型紙の準備や布の裁断、糸始末など幾つも工程があり完成までに手間も時間もかかる。
その上針やハサミなどの刃物を使う為、子のそばで扱うのは危険が伴う。
ミシンの音が気になり、やっと寝たのに起きたらどうしよう...かといって起きている時に触る訳にもいかない...などと考えていたらタイミングを逃し、機会を失っていた。

そんなある日、ふと「編み物なら出来るんじゃない?」と思った。編み物は場所を選ばずどこでも出来るし、ミシンのように音も鳴らない。
ハサミや糸を使う回数が少なく、手元に置いておく必要がないから子のそばで行っても安全だ。
編むこと自体は単純作業で難しくない。

物を捨てられない性格が功を奏し、いつから持っていたか分からないかぎ針と、いつ買ったか分からない毛糸が出てきたので幸いすぐに始めることが出来た。
子が遊んでるのをそばで監督しながら編み物をする日々が始まった。

最初は作りたいものがなく、丸を編んだり真っ直ぐをひたすら編んだり、形にならないものを編んでいた。
次第にYouTubeで作ってみたい作品を見つけ、息子の帽子を編むことにした。

YouTubeはすごい。
可視化されているから分かりやすく、これが無料でいいの?という内容のものが沢山ある。
もう10年以上前、マフラーを編みたくて図解付きの本を買ったが、解読が難しく苦戦した。
未だにその編み方が正しかったのか分からない。
編み物はその時以来だが、YouTubeのおかげで以前より楽しく出来るようになったと感じる。

初めて息子のために編んだのはどんぐり帽子。
子を産む前まで可愛いだなんて思ったこと無かったけど、作ってかぶせてみたら存外とてもいい。
先にちょこんとついたツノのようなものがその可愛さを増幅させている。

どんぐり帽子

それからは暇さえあればかぎ針を持ち、
鍋敷きやハット、サンタ帽やポシェットなど作ってみたいものを雑多に編んだ。
だんだん編み図が読めるようになり、YouTubeではなく編み図を見ながら編めるようになったので作品の幅も広がった。

編み物をしてみて、いいなと思ったことは
・かぎ針、毛糸さえあればどこでも出来る
・没頭できる
・何度でもやり直すことが出来る など。

ホイップ帽子
ベレー帽

なんだか帽子ばかりだなと思ったそこの貴方。
その通り!!(見抜かれてる)
子供用の帽子って少ない毛糸で手軽に編めるからついつい編んでしまうんだよな。
いつか大物にもチャレンジしてみたいと目論んでいる今日この頃。
そのためには苦手意識のある棒針も再チャレンジしたい。

とにかく、なにはともあれひとつでもできそうな趣味が見つかってホッとした。
これからも無理なく、楽しみながら束の間の自由時間を楽しもうと思う。

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