海と鳥を見に葛西臨海公園へ
平日にお休みをもらえた朝。
目を覚まし窓の外を見ると、晴れ渡った空に沈んでいく満月が私を迎えてくれる。
何も予定の無い休日の朝。月を見ながら今日は何をしようかと考える。
最近腰の調子が良くないのだけれど、1日晴れとの天気予報を聞くと外に出かけたくなる。
今日は鳥もだけど海が見たいなと思い、海の見える公園行きが決定する。
葛西臨海公園はよく行く公園だが、いつも川向かいの東京ディズニーランドに行くお客さんで電車が混む。平日ならそれほど混まないだろうと、カメラをリュックに入れて自宅を出た。
東京駅から電車で14分。
葛西臨海公園駅を降りてすぐ、目の前に公園が広がる。
まずは鳥を見に、鳥類園を目指す。
公園を歩く私の頭上を、ムクドリやヒヨドリたちが慌てたように飛んでいく。
騒がしいなあとふと目を上げると、腹の白い鳥が上空を旋回している。
飛んでいるハイタカは初めて。風に乗って悠々と飛ぶ姿がかっこいい。
でもあなたがお空を飛んでいると、食べられたくないと小鳥たちが隠れてしまうのよ。
あなたも見たいけど、小鳥たちも見たい。
そう思っているうちに、ハイタカは遠く北の空へ消えていった。
雲一つない快晴の公園は、歩いているだけで気持ちが晴れる。
今日は10月並みの陽気とあって気持ちがいい。
あちこちで茂みが揺れ、チャッチャッという声が聞こえる。
ウグイスかなと茂みを目で探すが、なかなか出てきてくれない。
怖がらせまいと、その場を離れる。
池の上空をトンビが旋回している。
死んだ動物や魚を食べ、生き物を狙わないトンビ。
他の鳥が怖がる様子はない。
気がつくと、トンビが5羽以上集まり上空を旋回しだす。
私の真上でトンビの群れがくるくる回る。
カメラを構える私の腰が悲鳴を上げる。
何でこんなに集まってくるんだろう。近くにおいしそうな獲物がいるのかな。
彼らは明らかにこちらを見ている。
ふと横を見ると、ベンチに座った男性がお弁当を広げている。
男性は「何で集まってくるんだろうねえ」と困惑気味。
トンビよ。もしやあなたたちも餌付けされているのか。
男性がお弁当をトンビに食べられないよう祈りつつ、海を一望できる西なぎさへ向かう。
水鳥は今日は少なめだ。
生まれ育った街に海が無かったせいか、海に来ると非日常的な光景にわくわくしてしまう。
東京は忙しい街。海は近いが、普段はゆっくり海を見る余裕が無い。
こうやって改めて海をのんびり眺め、打ち寄せる波を眺めているだけで癒されるなあ。
そうこうしているうちに、強い風が吹きだす。
砂埃がもうもうと砂浜から舞い上がる。
今日はこれくらいで帰ろう。
砂まみれになりながら公園を後にする。