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年末、京都で静かに探鳥②:御所で野鳥に囲まれる

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前日に友人と家族に会い、ゆっくり休んだ翌朝。
再び探鳥のため鴨川を目指した。
昨日あちこちでカワセミが飛んでいるのを見かけたが、写真に収められなかった。
少し鴨川を歩いてから御所に行ってみよう。

日の出直後、鴨川に到着
気温は0℃。霜が降りている
ベンチも凍っている
橋の歩道も凍り、ツルっと足を取られる。冬の京都あるある、だ。
川の流れがよどんだ所は凍っている

京都のしんと冷えた冬の朝。
懐かしい空気だ。
寒くても彼らは元気元気。

今日もいた、キセキレイ
イカルチドリも近くでトコトコ
イソシギも逃げない
ユリカモメの飛び立ち
飛び石を渡る女性に慌てて逃げるカルガモさん
不自然に集まるサギたち。餌をもらったのかな
朝焼けを見ているトンビ
ちなみに留まっているのはここ
ここにも2羽のトンビが
ここもだ。トンビ多すぎ
トンビ「多くて悪かったな」
朝日に照らされる川岸
北山をバックにアオサギさん

カメラで遊ぶ私の横で「ピッ、ピッ」と澄んだ声が聞こえる。
何だろうと足を止めると、目の前に一羽の鳥が降り立った。

イソヒヨドリ♀だ

昨日はじっくり見られなかったイソヒヨドリさん。
カメラでピントを合わせる数秒間、ポーズを取ってくれた。

野鳥のメスは余り鳴かないのだけれど、イソヒヨドリのメスは鳴くのね。
もちろんオスの方が歌が上手なんだろうけど。
鳴き声をお聞きになりたい方はこちらから。

そろそろ鴨川を後にしようと考えていた私の眼の端に、青色が目に入る。

いた、カワセミ♂

カワセミさんにやっと会えた。
彼は狩りをしたいようだが、邪魔するものがいるようだ。

カワセミ「マガモ君、そこ邪魔なんだけど」
場所を変えて仕切り直し

しばらくカワセミに遊んでもらい、鴨川を後にする。
続いて向かうは京都御所。
中学校と予備校が近く、よくお世話になった。
24時間、無料で入れるのが太っ腹だ。

乾御門から入る
空が広く静かで好きな場所だ
砂利道から森に入る
たたずむネッコの背中

生垣の下からガサガサ音が聞こえる。
そっと近寄ってみる。

ビンズイがひょっこり現れた

初めまして、ビンズイさん。
日本には夏にやってくるビンズイ。
冬は暖かい南の国へ渡ると言われている。
今ここにいるということは、温暖化の影響なんだろうか。
セキレイの仲間で、トコトコ2足歩行ができる。
鳴き声が美しく、「ビンビンツイツイ」がそのまま名前の由来になったとか。
鳴き声を聞きたい方はこちらから。

私に驚いたビンズイさんは、回れ右をして生垣の中に隠れてしまった。
ビンズイをもう一度観ようと探す私の目の前の枝に、シュッと一羽の鳥が留まる。

アトリだ

アトリは冬に日本にやってくる冬鳥。
集団で行動し「集まる鳥」からアトリになったそうだ。
私の前に現れたのは一羽。
冬羽で分かりにくいけど、頭がオスのように黒くないからメスかな。
しばらく動かず、私を楽しませてくれた。

上目遣いも可愛いアトリ
アトリさん、そんな可愛い目で見つめないでよ

私がアトリに気を取られている間に、足元からガサガサと音が聞こえる。
ビンズイが再び現れ、餌を探している。

ビンズイ「おっと、見つかった」
実は群れだったのね、ビンズイさん

ビンズイたちをゆっくり観察する間もなく、今度は少し離れた地面でパキパキと実を割る音が聞こえる。

イカルだ

次々に野鳥が現れ、私の頭は付いていくのに必死。
イカルは大きな群れで行動しているようだ。
近寄って彼らを飛ばさないように、遠くから見守る。

大きなクチバシに黒い顔のイカル
全部イカル。いったい何羽いるんだろう?

イカルはその大きなクチバシで硬い殻も割ってしまうという。
噛みつかれたら痛いだろうな。
ブサカワだけど綺麗な声のイカル。
またあなたたちのさえずりを聞きたい。

少し離れた所から大きな声で「キョキョキョキョ」と鳥の鳴き声が聞こえる。

シロハラでした
シロハラさん、餌をゲット

30分でこれだけの野鳥に会えるってどうよ。
しかもその季節にしか会えない、バーダー好みの彼ら。
御所のすぐ横を車が走り、人も歩いているというのに。
年末年始でヒトが少ないのが良いのかしら。
探鳥地として、冬の御所のポテンシャルの高さを実感する。

探鳥スポットのバードバスにも行ってみる。

野鳥たちが水浴びや水を飲みにやってくる

すぐに野鳥たちが次々に現れる。

アオジ
ヒヨドリ
水を飲むヒヨドリさん
ドヤ顔、シロハラ

白いお腹が目立つシロハラ。
こうやって見ると改めてシロハラと呼ばれる理由が分かる気がする。
シロハラも冬鳥だ。

カラ類も代わる代わる水浴びにやってきていた。

ちょっとピリつくシジュウカラとヤマガラ
お互い視線を合わせず、でも気になりつつ
結局二人とも水浴びするんかい

バードバスを眺める私の背後でガサガサ、ココココ、バサッと音が聞こえてくる。
どうやら野鳥たちに囲まれているようだ。
普段は人を警戒し近寄ろうとしない野鳥たち。
理由はすぐに分かった。

ここでエサやりする人がいるようだ

餌を目当てに近づいてくる野鳥たち。
ごめん、餌は持っていない。
自分で餌を捕れない鳥になって欲しくないから、私は餌をあげないよ。

アオジの♂と♀「ねえ、いつもの餌は?」
木をつつくコゲラの下で
シジュウカラが「ココココ」とドラミング

シジュウカラもキツツキのようにドラミングするんだ。
どうやら縄張り争いなどでドラミングすることがあるシジュウカラ。
「僕はここにいるよ、餌ちょうだい!」と自己主張しているように見える。

シジュウカラ「ねえ、餌は?」
ジョウビタキ♀もこちらを見ている
近くに飛んできて、じっと私を見つめる
ジョビ子「ふん、餌持ってないのね」

彼らは私が餌をくれないと判断するや、次々に去っていった。
普段エサやりする人のお陰でこれだけ近くで野鳥たち見られたんだろうが、何だか複雑だ。
みんな自分の力で生き延びてね。
心の中で祈り、そっと後にする。

年末なのに紅葉が楽しめる

静かな京都でライファー1種類を含むたくさんの鳥たちに会えて、すっかりリフレッシュ。
年末年始の帰省ラッシュに巻き込まれたくなく、早々に京都を後にしようと京都駅に戻る。
鴨川や御所は静かな時間が流れていたが、いきなり喧騒に逆戻り。
先ほどまでの穏やかな時間が名残惜しい。

バスを待つ長蛇の列
混雑する京都駅

新幹線を待つ間、こんなカモを見つけた。

京都鴨川の鴨サブレ

いつの間にこんなお土産ができていたんだろう。
鴨川の名前の由来は鳥の鴨ではなく、辺りを治めていた「賀茂氏」じゃなかったっけ。
一般的にカモと言えばマガモを思い浮かべるんだろうけれど、マガモのお腹は黒くないぞ。
つまらないことにモヤモヤしながら、京都を後にする。

マガモ「サブレって空を飛べるの?」


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