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【映画感想文】私立探偵・濱マイクシリーズ3作

配信で私立探偵・濱マイクシリーズ3作を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。

いずれも監督は林海象さん、主演は永瀬正敏さん。
①1994年「我が人生最悪の時」(モノクロ)
②1995年「遥かな時代の階段を」(カラー)
③1996年「罠 THE TRAP」(カラー)

この映画シリーズの後にTVドラマ版もあるのだけど、今回は映画3作の話です。お間違いなく。

我が人生最悪の時

最初から3作全てを観るつもりはなかったのだけど、第1作の「我が人生最悪の時」が好みに合ったので、2・3作と続けて鑑賞。

いや~、どれも趣向が違って楽しめた。
けど自分はやっぱり第1作「我が人生最悪の時」が好きかなあ。
ハードボイルド小説ファンとしては、一番その色が強い第1作がお気に入り。
レイモンド・チャンドラーの作品群を混ぜ合わせたような作品でございます。

アクションも冒頭からマイクの指が飛んだりとハードだけど、モノクロだからきつさが緩和されていてバランスが良かった。
ストーリーも友情もので、「ロング・グッドバイ」をアジアンテイストに調理した印象です。  


遥かな時代の階段を

第2作の「遥かな時代の階段を」はタイトルが好き。
良きタイトルだと思いませんか?
「遥か」「階段」ってワードがあるから伸びやかだし、どこか意味深だし。

じゃあどんな話かというと、マイクの両親の謎をめぐる話。
第1作ではマイクは幼い頃に親に捨てられて妹と2人で暮らしている設定なのだけど、その過去が明らかになる。今風に言えば「ビギンズ」。

ただ1作目のハードボイルド文体は弱まり、マイクのキャラクターが前面に出てきているので、3作の中では評価は低め。

まあこれはシリーズ物の宿命というか、難しいっすよね。
主人公のキャラクターに魅力があるから続編が作られるわけで、でもそこに焦点をあてすぎると物語のバランスが崩れる。
3作共に脇役で出演している南原さん(ウッチャンナンチャンのナンチャン)が自分は好きなのだけど、ナンチャンの出番も短かった。
どうしても「マイクとその両親」って縦軸がメインで、広がりがかけたような気がします。

罠 THE TRAP

第3作「罠 THE TRAP」は第1作の次に好き。
まあ今作は探偵ものというよりはジャンル的にはサイコサスペンスって感じ。
このジャンル、90年代に流行った印象。そこがまたいいのです。

主人公マイクを演じる永瀬さんが、物語のキーになる登場人物も演じる一人二役で、前2作とかなり違った趣向を楽しめます。
ナンチャンの見せ場はあるし、探偵仲間がたくさん出てきてマイクに協力してくれたりして、まあハナから完結編とうたっているので、盛り上がっていく。
メインになる女優さんも2人(夏川結衣さんと山口智子さん)いて、作品に華がある。このキャスティングも好き。
全編とおしてキャスティングはとても良かった。

        ***

とまあいろいろ書いてきましたが、シリーズ物として面白かったです。
だって、ハードボイルドファンで映画ファンの自分ですよ。
映画館(横浜日劇)の2階に探偵事務所があるなんで、夢のような設定じゃないですか!

あと舞台が横浜なので、横浜行きたくなります。
ただ作品に出てくるのは、いわゆる「キレイな(イメージの)横浜」ではなく「下町の横浜」。この雑多な感じがよいのです。

久しぶりに監督・主演変えずに続編作ってくれないかなあ。
もちろんナンチャンも出て欲しい。

以下、あらすじです。
ご興味もたれた方は是非。面白いですよ。

「我が人生最悪の時」
横浜黄金町にある老舗映画館・横浜日劇の2階に探偵事務所を構える濱マイク。今回の依頼は、幼い頃に両親に捨てられ、兄弟2人で育ってきた台湾人の友人・楊の兄の行方を捜すことだった。妹と2人っきりで育ったマイクにとって、楊の境遇は他人事とは思えなかった。お人好しで正義感あふれるマイクは、相棒の情報屋・星野とともに横浜の町で調査を進めた結果、2人は楊の兄の行方をつきとめる。しかし、その背景に台湾マフィアと日本に潜伏するアジア系外国人の黒社会との闘争が絡み、マイクの身にも危険が忍び寄る。

「遥かな時代の階段を」
本業である探偵稼業は冴えない仕事ばかりの日々が続く濱マイク。そんなマイクと妹の茜の兄妹を捨てたストリッパーの母親・リリーが突然、黄金町に戻ってきた。一方、アジア系外国人が中心となっている裏組織「黒狗会」の内部では、黄金町の「川」の利権をめぐるいさかいが巻き起こっていた。しかし、川の利権の裏には黒狗会組長の神野すら手出しすることができない「白い男」という謎の男の存在があった。

「罠 THE TRAP」
横浜黄金町で女性ばかりを狙った猟奇殺人事件が連続して発生した。遊園地の観覧車の中、動物園のベンチ、遊覧船の中と、さまざまな場所で殺害された被害者に共通するのは、死化粧を施され、まるで着せ替え人形のように花柄のワンピースを着せられていたことだった。まったく手かがりがない、この連続殺人事件の真相を追う濱マイクは、事件に隠された異常な迷宮に次第に誘い込まれていく。

すべて映画.comより


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