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1980年の四人姉妹

「阿修羅のごとく」の後半全4話を見ました。
巻子の夫が緒形拳から露木茂になった以外、キャストはそのまま。(巻子の娘役が荻野目慶子さんに代わったような?)

一人暮らしになった老齢の父は元不倫相手の息子と会いつづけます。
夫の浮気を疑って平常心でいられない巻子はスーパーで万引きします。
妻子ある男を家に招いていた綱子は長男が赴任先から戻ってくることになります。
滝子は夫とともに実家に戻り父と同居しますが、父の浮気がいまだに許せません。
夫のお金で羽振りのよかった咲子は夫が意識不明の重体になります。

登場人物全員が全員に対して、よくこれだけ、日常の中の非日常を思いつくなあと感心します。ひとりの主人公の非日常でさえ思いつかずに苦悶する作家はごまんといますのに。

結局、この4話の結末においても、
巻子の夫は本当に浮気をしていたのか。
咲子の夫は意識が回復するのか。
綱子は不倫関係をつづけていくのか。
結論はなにもでませんでした。ただ、彼女たちの日常がつづいていきます。
この年代、マンションを買った咲子以外、4人姉妹の実家は国立で、綱子の家は富ヶ谷で、巻子の家は阿佐ヶ谷で、どこも戸建てでした。
巻子は専業主婦ですが、綱子はお華の先生、滝子は図書館司書、咲子も夫が倒れたあとは仕事を探すので、働いている女像が描かれているのが面白いです。

作家の向田さんは、この作品が放映された翌年の1981年、飛行機事故で亡くなりました。いまのわたしとほぼ同じ年齢でした。
この飛行機事故が起きたとき、「脚本家の向田邦子さんが乗っていた」とテレビでニュース速報されていたのを子どもながらに見ていたことを覚えています。

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