【#114】三重県・川越町長選挙レポート(2024 1.28)
まさか二週連続で会いに行くコトになるとは・・・
三重県川越町。 桑名市と四日市市が隣で愛知県に近く名古屋市も通勤圏内。 2007年までは世界最大と言われていた火力発電所が建ち財政も安定しているため転入者も多く人口が増加している貴重な自治体。 一方で町の多くが「海抜0m地帯」で南海トラフ地震に伴う津波が発生した際には大きな被害が想定されている。 そんな未来も問題も抱える自治体なのに、選挙は低調。 そーいうコトしてると狙われるのですよ。 “選挙ゴロ” に・・・
“二週連続立候補” という快挙を成し遂げ(やがっ)た彼がどんなコトを言ったのか。 そして、選挙ゴロに狙われた現職は何をやっているのかを、レポートします。
◆川越町(かわごえちょう)・概要
面積:8.73㎢(三重県 第28位 / 29市町)※三重県には「村」が有りません
人口:15,643人(第16位)※2024年1月1日現在
人口密度:1,791.86人/㎢(第2位)※2024年1月1日現在
平均年齢:42.28歳(第2位)※2020年現在
衆議院は三重3区に属し、
◆立候補者
3期目を目指す現職。 無投票の公算が強まる中、ハイエナ並みの嗅覚で情勢を嗅ぎつけて立候補したのが “選挙ゴロ” こと、小西彦治氏です。
◆前回(2020年)の選挙結果
前回は無投票で現職が2回目の当選となりました。
・・・あ、間違えました。 前回「は」ではなく、前回「も」でした。
そして、その「も」こそが、この町が小西氏に狙われた原因です。
◆城田 政幸(しろた まさゆき)候補
城田候補は四日市中央工業高校卒業後、民間企業勤務を経て1977年に町役場入り。 各役職を歴任し2016年の町長選で初当選。 「笑顔」をキーワードに掲げ3選を目指します。
初当選した2016年当時、城田候補は副町長を務めていましたが町長が亡くなってしまい、急遽行われた町長選に立候補。 事情が事情なので他候補は表れず「無投票当選」となりました。 2選目を目指す選挙は前述の通りなので、現職は今まで一度も選挙という「審判」を受けないまま、今回初の選挙戦となります。
更に言えば亡くなられた前町長にとって最後となった選挙(2013年)も無投票。 よって川越町は合わせて15年もの間、町長選が行われていないコトになります。 それが(失礼な言い方になりますが)過疎化が進む村とかならその状況も理解できますが、冒頭に書いた通り巨大な火力発電所が有り財政も堅実で人口が増加傾向にある川越町でこの状態というのは、非常にマズい。 町の発展に行政が伴っていないと言えるでしょう。 そんなコトしてるから “選挙ゴロ” に狙われるのですよ・・・
選挙公報はコチラ。 後述しますが小西氏の出す政策・公約に対し私は「それっぽいコト書いていてドコにでも通用する、使いまわし」と批判していますが、この内容も良く見ればドコでも使えそうなありきたりの言葉が並んでいます。 “勝ち確” な選挙なのでチカラを入れなかったのかもしれませんが、初めての選挙、初めての「審判」なのだから町民にキチンとした公約・ビジョンを示してほしいものです。
◆小西 彦治(こにし ひこじ)候補
経歴などについては、
コチラの連載を参照いただければ、と。
コチラが今回のポスター。
今年一発目の須坂市長選から新調した「2024Ver.」の顔写真。 それと周辺はいつもの使いまわしなのでスルーして、気にすべきは私が「ゴチャゴチャしている左側」と呼んでいる「お約束」の部分。 何が書かれているか拡大してみましょう。
「町民」という書き出しからして今回の選挙用に準備したもだと分かります。 が、よく見ると「川越町」という言葉は有りません。「町」「町民」のみ。 つまり「町長選」ならどこにでも使える汎用性の高いモノとなっております。
過去にはこの部分ダケ作成しラミネートコーティングして上から貼るという雑な仕事をしたコトが有りましたが今回は1枚全て新調されています。 とはいえこのデザインだと今後の町長選で全く同じポスターを使用する可能性が有りますので注目したいトコロです。
立候補受付開始となる8時30分、には例によって来ず、8時50分頃に一人でやってきた小西氏。 立候補するにあたっては「事前審査」というものが告示数週間前に行われるもので、そこで書類に不備があった際は指摘し告示日に揃えてもらうためのものですが、小西氏は前週が須坂市長選の候補者だったため出せるワケもなく、告示日当日にイチから審査を受けます。 ただ、そこは数多くの選挙を戦ってきた(←褒めてない)小西氏、キチンと書類を揃えて立候補受付は一発で完了したのですが事前審査ナシだと受付に1時間弱かかり、外で待つ報道陣はイライライライラ・・・ 三重県は松阪市長選といなべ市長選に続いて三度目の登場となるため小西氏が何者なのかを把握しており、それが尚更報道陣をイラつかせるのです。
受付終了後、役場ロビーで記者会見。 多くの記者が「またお前か」のテンションで質問をするためリラックスした、というか、ゆるゆるな雰囲気となった会見でしたが、その雰囲気に小西氏も気が緩んだか、検証が必要なワードをいくつか喋ってくれました。 報道陣、GJです。
何をゲロったのか、コチラの映像で御確認下さい。
選挙公報はコチラ。 これまでと重複する項目は有れど、公報は選挙ごとに内容を変えてくるのが彦治流。 絵空事では有りますが「防災」に関しては現職より具体的で、如何に現職の公報がポンコツかがわかってしまうのが悲しいというか、なんというか・・・
◆選挙結果
結果は当然ながら現職が大勝。 3選を果たしました。
そして、小西氏の得票率は!
今回も10%を超えて供託金50万円は返還&選挙運動にかかる費用が公費負担となりました。 この構図なら仕方が無いとはいえ、なんとかならないものか・・・
これで戦績は8勝1敗。 ここ2戦、得票率が10%を余裕で超えているのが気になります。
しかし、フツーなら全ての選挙が「大敗」な結果ですが、こと小西氏にかかれば「勝利」になってしまうのが、ムカつくというか、政治家として恥ずかしくないのかなぁというか。
◆取材を終えて
と、いうワケで、二週連続で小西氏を喰らったワケですが(汗)、先週は長野県内の選挙だったから行く必然は有れど、今回は小西氏の会見に行くため “ダケ” に朝2時半に起きて、(これは私の事情ですが)高速道路を使う取材費が無いため5時間弱走って川越町に到着。 演説聞いてポスター撮って、11時に終了。 そこからまた5時間かけて帰るのは「苦行」以外の何物でもなく、未だにダメージが心身に残っています。
告示日にしか会えない小西氏に会い、会見を中継し多くの方に観ていただいたので達成感に満ち足りて然るべきなのに、帰路につく私のココロに有るのは「虚しさ」・・・ 何の主張もない人の話を聞くコトほど人生を浪費するコトは無く、ただただつらい取材でした。
でも、今後も追いかけますよ。 だって、絶対に許せないから。
さて、もうコレで記事としてはオシマイなのですが、有料記事にして売らないと取材費を取り戻せません。 が、しかし、小西氏の部分は広く知ってもらうために無料だし、現職は何も取材出来ていないので書くコトが有りません。 なので今回は、先程載せた会見を簡単に文字起こしして、そこに私の解説(またはツッコミ、もしくは文句)を加えたものを載せてみます。 動画を見ていただければ読む必要は無いですが、彼の話は心身ともに削られるので身の安全を確保するために有料部分で要約をみていただければと。
メンバーシップ参加者を募集中です
取材費捻出のために御協力をお願い申し上げます
ここから先は
もし宜しければサポートをいただけると大変嬉しいです! いただいたサポートは今後の取材費として使わせていただきます。