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選挙結果振り返り(2024 11.17投票)

 兵庫県知事選があのような結果になり、「民主主義」が「権威主義」に敗北したという歴史の分岐点になりかねない状況になっている、今日この頃。

 そして、他にも選挙が行われているので、こーいう時だからこそ過剰にバタバタせず、各地の選挙も見ていくコトを続けようと決めた、今日この頃。

そう、「Keep On “Keeping On”」なのです!




▼今週の彦治

◎兵庫県議会議員補欠選挙 尼崎選挙区(定数1/6人)

 維新公認で当選した県議が衆院選に出馬(→比例近畿ブロックで当選)したために空いた議席を手にしようと、自民の元職に維新・共産・立憲の新人らが立候補していましたが、告示直前に出馬表明したのが毎度おなじみ “選挙出まくりマン” こと小西彦治氏。

 これまでの “首長選シリーズ” とは違い、知事選の斎藤元彦候補を応援するためにわざわざ立候補した小西氏はポスターに斎藤元彦氏を応援する言葉を並べ、珍しくやっていた街頭演説も斎藤氏を応援する言葉ばかり。 それを知事選の稲村候補が市長をやっていた尼崎市でカマすコトが目的だったのでしょう。 控えめに言って、しょーもないヤツです。

 当然ながら6人中5位で落選。 最下位ではないコトに驚きますが、上記のような振り切った主張に加え、そこは腐っても元兵庫県議。 実績も有ると言えば有るコトを鑑みれば、まぁ納得かなと。

(一応、並べてみました)
(議員選挙のため、通算戦績にはカウントしていません)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 さて、小西氏は19日告示の「和歌山県広川町長選挙」に立候補する予定で、既に候補者説明会にも出席していますが(※広川町選管に確認済)、本当にそこに出て来るのか。 構図が小西氏の “狙い目” ではない(現職の逝去に伴う選挙、相手候補は年下)ように見えるコトもそうですが、

この県知事選で調子づいたN党が「兵庫に地域政党を作り市長選に候補を立てる」と表明しています。 直近は立花氏自身が出るようですが、彼の今後は如何せん不透明であり、捕まったりとか何らかの事情で立花氏が出られない場合は小西氏が代わりに出馬する可能性は大いにあります。 兵庫県民の皆様、どーかどーか、お気をつけ下さいませ・・・

 あっ、選挙自体は維新候補が当選し議席を死守。 また小西氏と同様に斎藤元彦氏応援で立候補していた桜の会(共同親権推進団体)の候補が最下位に沈んだのは、共同親権反対派の私としては、喜ばしく思っています♬


◆【取材済】山梨県・北杜市長選挙

 2期目を目指す現職に元県議と会社社長が挑む選挙は元県議が初当選を果たしました。

 前回の選挙は取材しており、自民のバックアップを受けて出馬した元県議が圧勝するだろうと思っていたら、市議を1期務め出馬した新人が大接戦を制し当選するという驚きの結果が出ました。
 それから4年。 まさかの敗戦を喫した元県議が、この期間ほかの選挙に出たりせずに時を過ごし再び立候補し、前回のリベンジを果たしたのです。

 「2期目を狙う現職」というのは基本的に盤石なのですが、組織力は元県議の方が強いハズ。 現職は前回の選挙でも後ろ盾となっていた県議に加え、前回の選挙で(当時の)現職ながら下馬評通りの3位に沈んだ前市長の支持を得て接戦になりましたが敗退。 現場で見ると両者には明らかな「差」が有り、それが勝敗に繋がったと私は見ています。 詳しくは後日リリース予定のレポートにて。


◎茨城県・守谷市長選挙

 3期目を目指す現職に市議を辞して出馬した2人が挑む選挙は、現職が3選を果たしました。

 現職は70歳と「高齢」と呼べるゾーンに入ってきています。 つくばエクスプレスの沿線開発で人口が増加しており、その実績を強調して戦い公明党の推薦や自民支部の支持、県議や多数の市議から応援を受け、勝利です。

 新人2人の票を足せば現職を軽く上回るため、一本化できれば結果は変わったのかもしれませんが、後の祭り。 ただ、前回が現職と常にタスキをかけて行動している謎のオッサンの一騎打ちでダダ下がりした投票率が、20.49ポイントも上がったのは何よりです、ハイ。


◎栃木県・宇都宮市長選挙

 6期目(!)を目指す現職に新人3人が挑む選挙は、現職が6選を果たしました。

 宇都宮市は昨年、宇都宮駅の東側にLRT(次世代型路面電車)を開業。 その実績を引っ提げて6期目という多選に挑む現職ですが、実はまだ63歳。 初当選時が43歳で年齢的にはまだまだバリバリやれそうですが、多選が市政の硬直化を招いている可能性は否めず、それが問われかねない選挙ですが、当選です。

 実は同日、栃木県知事選も行われ、コチラでは現職が6選しています。 市長が6選している理由は知事が退いてくれないからではないかと。
 市長選の現職は63歳とまだ働ける年齢。 県庁所在地の市長を務めたら次の道は「知事」か「国会議員」なのでしょうが、自民参院議員は2名とも同年代で、衆院栃木1区は、あの船田元氏なのでそう簡単にどいてくれそうにありません。
 いずれにせよ、“上” が抜けない限りは市長は居座り続けるコトでしょう。 知事と県庁所在地の市長がいずれも6期務めているというのは、言葉を選ばずに言わせていただくならば、異常です。

 さて、この選挙で最大の目玉となっていた、元つくば副市長の33歳男性候補。 公約は現職と大差が無いため「世代交代」を訴えており、藤井浩人美濃加茂市長が告示日から支持を表明していた、私が言うトコロの「Fアラート」案件で、藤井市長に加え大阪府四条畷市長の東修平氏(今期を以て退任。 市長候補を就職サイトで募集したコトで有名に)や新潟県津南町長の桑原悠氏、そして兵庫県芦屋市長の高島崚輔氏といった「若手首長界隈」の有名どころが宇都宮入りして応援演説するという熱の入れようでしたが、敗退。

(藤井市長が応援した候補の戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 藤井市長が応援した候補の連勝記録は「5」でストップしました。

 ちなみに藤井市長、過去に収賄容疑で有罪を受けた(※本人は「冤罪」だと強く主張)経緯が有るせいか、

藤井浩人氏twitter-X より引用

兵庫県知事選の斎藤元彦氏を擁護しているように見える投稿をしています。 また、この市長選で応援に入った高島芦屋市長は、

斎藤氏による県政の混乱や選挙戦で誹謗中傷が飛び交う状況を危惧して緊急声明を出した兵庫県内22の市長に名を連ねて、いません。
 本来、若い候補の擁立や当選させようとする動きは賛成すべきトコロなのに私が目を光らせている理由のひとつは、こういった点に有るのです(もうひとつは上記若手首長の多くが「〇〇プロジェクト」に所属しているコト)。


◎埼玉県・白岡市長選挙

 2期目を目指す現職に元市議が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

 現職70歳、新人47歳の23歳差対決となっており、現職は上田清司参院議員(前埼玉県知事)や衆院選で裏金非公認の自民系無所属を破り初当選した橋本幹彦氏(国民民主党)の応援を受けている非自民系候補。
 一方の新人は2期途中まで務めた市議を辞しての立候補で、かつて日本維新の会(石原慎太郎代表時代)や次世代の党から衆院選に立候補し、現在自民党員の彼は総裁選で高市早苗氏に投票したコトをSNSでアピールするという、やはりゴリゴリな人。
 この市長選でも現職を批判する文書を市内にバラまいていており、それに対し現職は文書の信用性を問う公開質問状を出し、新人に対し「つける薬がありません」と呆れた言葉を公開するというバチバチな選挙戦が行われていましたが、情報を集めるに現職の運動量が大きく勝っており、それが約千七百票差となって表れたのだと思われます。


◎東京都議会議員補欠選挙 武蔵野市選挙区

 立憲公認で当選した現職が衆院選に出馬(⇒当選)して空いた議席を、立憲公認の元市職員と自民公認の元市議で争う一騎打ちは、自民公認候補が都議初当選を果たしました。

 衆院議員に転身した元都議が(当選当時)30代女性で注目度の高かったからか、両党とも女性候補を擁立。 立憲公認候補は38歳で現衆院議員の元都議と年代が近い候補を立て、元都議の五十嵐衣里衆院議員や野田佳彦立憲代表、松下玲子衆院議員(前武蔵野市長)が応援に入り、一方の自民公認候補は対照的に市議を通算4期途中務めた実績充分の58歳を立て、長島明久衆院議員や福田かおる衆院議員が応援に入るという武蔵野市長選や衆院選に続く与野党ガチンコ対決でしたが、またしても自民候補が勝利し「自民3連勝」となりました。

 この結果を受けて「リベラル3連敗!!」などと騒いでいる人を見ますが、これって単純に、前の都議が1期途中で辞職し国政に転身(しかも武蔵野市ではない選挙区で)するという、都議の座を “踏み台” にするかのような行動に嫌気がさして、市議としての実績が有り落ち着いて都議を務めてくれそうな人を選んだというコトに過ぎないと私は見ています。 野党系は人材が乏しいのは確かですが、(衆院選で当選したとはいえ)無闇に引き抜くのは止めた方がイイと思いますよ。 結局こうなってしまうので。


◎新潟県・柏崎市長選挙

 3期目を目指す現職に新人2人が挑む選挙は現職が3選を果たしました。

 皆様ご存知、柏崎刈羽原発が建つ自治体で、再稼働の是非が大きな争点となりましたが、「条件つきで再稼働容認」の立場をとる現職が予想通りの圧勝です。

 この選挙の焦点は再稼働反対を訴える市民団体共同代表の候補の得票率で、これにより再稼働に反対する市民の数を可視化できると注目していましたが、結果19.83%の得票率となり、当落が明らかなこの構図下でも原発再稼働反対を第一に投票した人が約2割いると分かりました。
 議論すらしづらい雰囲気が漂う中で手を挙げてくれたこの候補には、ココロからリスペクト。 私は原発稼働反対ですが意見は人それぞれなのでそれは尊重して、こういった大きな課題に対し声をあげ続けるコトが大切だと思います。

 と、いうのは、

同じく原発が建つ刈羽村でも村長選が行われる、ハズでしたが無投票で現職が「5選」しています。 これで5選中無投票は2回目。 刈羽村は議論すら起こらない、起こせない状態になっているといっていいでしょう。
 こうならないためにも、せめて柏崎市は4年に一度、選挙で民意を問うというコトを根気よく続けていただきたいと、願います。


◎広島県・安芸高田市議会議員選挙(定数16/20人)

 現職13人、元職1人、新人6人が立候補し、党派別では公明が1人、諸派が1人立てた、女性候補3人の選挙は、現職新人が2人ずつ落選。 女性候補は全員当選しました。

 石丸伸二前市長が市を荒らしに荒らしまくった末に任期満了すらせず都知事選出馬にかこつけて市政を投げ出すという暴挙を喰らった安芸高田市。 新しい市長の下で議会や役所、そして市民との関係を再構築し始めた中で行われる市議選でした。

 石丸氏のフォロワーが多く押し寄せると思っていましたが、彼がいなくなった市には興味が無くなったか、現職2人、元職1人、新人3人の計6人が出てきたのみとなり、現職1人、新人1人が落選。
 市長選にも出た石丸氏フォロワーにも人気な元職がトップ当選していますが、コレはいわゆる “元職ブースト” がかかったからだと思われ、以下、6位、11位、16位。 改選前より “石丸派” は1人増えましたが2期目を目指した現職が1人落選した点を見ても、石丸氏の影は加速度的に薄まっていると思われます。


◎愛媛県・四国中央市議会議員選挙(定数22/32人)

 現職16人、元職1人、新人15人が立候補し、党派別では公明と共産が2人ずつ、参政が1人立てた、女性候補5人の選挙は、現職1人、元職1人、新人8人が落選。 女性候補は4人当選しました。

 と、いうワケで、参政党が28歳男性という “売れ線” な候補を立て、10位で当選しました。

(2024年の参政党戦績)
(衆院選を除く)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 四国で5人目(愛媛で3人目)の同党地方議員の誕生です。 先週半ばまで神谷独裁者代表などの党幹部が現地入りする様子がなく、独裁者代表も忙しくて手が回らなくなったかと思いましたが、投票日前日の土曜日に現地入りしていました。 候補の年齢や他候補と比べた運動量を考えれば当選は固かったので大々的に告知する必要も無かったのでしょう。
 国政でも議席を増やし、地方では着実に議員を誕生させている参政党。 引き続きチェックしていく必要が有りそうです。

 それと、落選が10人も出るという構図で共産が2人とも当選できるのかが気になっていましたが、1人が16位で当選するも、もう1人は29位という大惨敗となりました。 そもそも改選前の現職2名のうち今年8月末に「一身上の都合」で辞職した(体調が悪かったと言われている)人の代わりに立てたのが、候補者最年長の、御年81歳では・・・ 


◎山口県・防府市議会議員選挙(定数25/31人)

 現職22人、新人9人が立候補し、党派別では自民が4人、公明が3人、共産2人、国民民主と諸派が1人ずつ立てた、女性候補5人の選挙です。

 その諸派というのが、幸福実現党。 新人候補がしれっと立候補しており、結果17位で当選し、同党55人目の地方議員が爆誕しました。 国政進出はほぼ諦めた様子ですが、どっかのオレンジと違って離党したりも殆ど無いので歩みは遅いが着実に地方へ根を張っています。 同党及び宗教団体の、創設者の肉体が滅び、、、つまり亡くなり同党の目的が何であるか見えなくなっていますが、幸福実現党は未だ健在で御座います。

 ちなみに、共産はココでも1人落選し議席を減らしています。
 また、自民党公認候補が「橋本龍太郎」という必要以上に立派な名前の候補が出ていましたが、なんと次点で落選。 やっぱり結果を見ながら、

 「ちくしょう、やっぱりこれだけ開いたか」と呟いたのでしょうか。



以上です
当選されたの皆様の御活躍をお祈り申し上げます


「選挙結果振り返り」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど


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金城ガンヂ
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