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今週の選挙(2024 10.6投票)


 4年前。
 2020年。
 時代はコロナ禍の真っ只中でした。

 その頃の選挙で「給付金出しますよ~」なんて言って当選したものの、結局出さなかったというコトがいくつか有りました。

 4年経ち、その「禊」を受ける選挙が有ります。 小田原市長選では市民に許されず敗れましたが、さて、今週の選挙はどうなるでしょうか。 




◎北海道・森町長選挙

 2期目を目指す現職に元職が挑む一騎打ちです。

 元職は2008年に1期務めた人(2012年に落選)で、役場庁舎を含む複合施設建設見直しを訴える一方で、「町の最低賃金を東京より高くします」という無茶な政策を掲げています。 今の職業は神奈川県大和市にあるシステム会社の役員だし、現職より29歳年上だし・・・

 一方現職の選挙事務所には自民国会議員の為書きが並んでいるので「皆まで言うな」という感じで、事実上の現職に対する信任投票になると思われます。


◎宮城県・多賀城市長選挙

 2期目を目指す現職に元市議が挑む一騎打ちです。

 現職は44歳。 市議を2期、県議を2期務め前回の選挙で元副市長を破り初当選しました。 県議時代は自民党公認で立候補しており、twitter-Xを見ると自民党総裁選では小泉進次郎氏を応援していたようで、「お、おぅ・・・」と思わずたじろいでしまいましたが、1期目で子ども医療費助成制度の所得撤廃や高齢者に対してスマートフォンを利用した市民バス運賃の無料化など、成果を出しています。

 一方の元市議は共産の推薦を受けますが、昨年の市議選で次点落選している経歴を見ると、現職の信任投票、不支持の可視化が最大の注目点となりそうです。


◎福島県・飯館村長選挙

 2期目を目指す現職に造園業の新人が挑む一騎打ちです。

 東日本大震災から13年半経ちましたが、原発事故の影響で町の全域に出されていた避難指示が大部分で解除されたのが昨年5月。 南部の地区では未だ解除されていませんが、やっとこれから復興が始まるという状況です。 町の広報紙には未だに各地区の放射線測定値や飲料水や農作物の放射性セシウム測定値が載っています。

 現職の選挙事務所には自民&立憲の国会議員から贈られた為書きが並んでいました。 一方の新人については残念ながら情報は得られませんでしたが、ニュース映像を見ると「丸首白Tシャツ」で写真に写っています。
 候補の写真(特に新人候補)は選管で立候補届出をしたアトに報道陣に囲まれて撮影されるコトが多く、この人もそれだとしたら、そんな服装で町長選の届出を出しに行ったというコトになるワケで、、、 まぁ、そういう結果になるかと思われます。


◎東京都・昭島市長選挙

 3期目を目指す現職に弁護士の新人が挑む一騎打ちです。

 現職は自公+都ファの推薦を受け、新人は共産が支援する。
 この構図を見れば先ほど紹介した多賀城市長選と同じ構図、状況に見えます。 ただ、昭島市で現在進んでいる計画が有りまして・・・

 市内の中心部にあるゴルフ場跡地に国内最大級の物流センターが建設される予定で来年2月に工事が始まる予定だそうですが、街の中の緑は貴重ですし緊急時の避難場所にも指定されているようです。 また1日5,800台と想定されているトラックが(現状のままだと)周辺の片道1車線道路を通行するコトで渋滞が発生すると懸念されています。

 新人はこの計画の見直しを訴えており、杉並区の岸本区長や宇都宮弁護士が応援に入っているようですが、根本的な話としてこの土地は民間のゴルフ場が潰れて、土地が民間から民間へ転売されて現在の計画が立ち上がっており、土地売買に行政は絡んでいないため計画を止められる強い権限を持っていないので、実際現職の選挙公報にこの件は具体的に触れていません。

 そのため、やはり多賀城市長選のように現職支持の、というか、物流センター計画に反対する市民を可視化する選挙となりそうです。
 難しい問題ですし、この物流センターが出来ると私のような地方民も間接的に恩恵を受けるコトになるのでしょう。 それは解りつつ、(ゴルフ場とはいえ)21世紀も24年目の今、緑を切ってまで何かを作る必要性が有るのでしょうか。 うん、計画によっては有ると思いますよ。 ただ、なぁ・・・


◎新潟県・長岡市長選挙

 3期目を目指す現職に国税庁の元課長補佐が挑む一騎打ちです。

 現職は副市長を経て市長選に立候補し、新人同士の一騎打ちを制し初当選。 無所属無推薦の出馬ですが「市政報告会」という名の出馬アピールイベントには自民の鷲尾英一郎衆院議員と立憲の “ツイ廃“こと 米山隆一氏が並んで出席し、市議も定数34名のうち21名が参加したようです。 73歳、まだまだ仕事できそうです。

 一方の新人は財務省や国税庁で務めたあと税理士として働いており “経済のプロ” をアピールしています。 そして現在55歳で「世代交代」を大々的に掲げて戦っていて、前市長が支援しています。

 近くにある柏崎刈羽原発については両候補とも「市民の不安が解消されない限り再稼働すべきではない」としており、「世代交代」以外は特に争点が無さそうな選挙です。 現職に与野党の国会議員が乗っかっている中で他の政党が新人に乗っかっているかといえばそんなコトもなさそうだし・・・ とにもかくにも、どういう結果が出るでしょうか。


◎石川県・羽咋市長選挙

 2期目を目指す現職に元市議が挑む一騎打ちです。

 元日の能登地震では液状化現象で約3,700棟の被害が出た羽咋市。 復興の進め方が問われる選挙となりそうで、現職には馳浩知事や自民国会議員の為書きがズラリ。 保守王国・石川県においてはコレだけで盤石にさえ見えます。

 一方の新人は42歳の女性。 市議を1期途中で辞しての立候補で県内最年少市長&羽咋市初の女性市長を目指します。 選挙事務所には立憲の近藤和也衆院議員の為書きが有りました。 8月の出馬表明で準備期間が短いようにも感じますが現職の出馬表明はそれよりもアトのため、それがハンディにはならなそうです。

 ちなみに個人的な話ですが、私は羽咋市に有る、

 「千里浜なぎさドライブウェイ」が大好きで、これまで何度も行って砂浜をクルマでかっ飛ばしたコトが有りますが、

年に1mのペースで砂浜が浸食されており、行くたびに狭まっていくのを見るのがつらくて行かなくなってしまいました。 幸い地震の影響は殆ど無かったようなので、近くで取材が有れば再訪したいですね。


◎愛知県・岡崎市長選挙

 2期目を目指す現職に、前回敗れた元職と、元市職員、音楽スクール社長の新人2人が挑む選挙です。

 さぁ、今週のメインです。  前回初当選した現職、覚えているでしょうか。

(前回の市長選で出した選挙公報)

 「コンベンションホール80億円をやめて5万円を配る」という公約を大々的に掲げ、コロナ禍で疲弊していた市民にウケて初当選を果たしたものの、そもそもコンベンションホールの建設費は市債によって支払う計画で、それ用のお金を確保していたワケではなく、それならばと市の貯金(財政調整基金)を充てようとしましたが市民全員に5万円渡すならば約193億円必要で、財政調整基金に加えて公共施設の改修など使い道が決まっている基金も全て崩さないと払えない規模のモノを議会が許すワケがなく、圧倒的反対多数で否決。 当選後わずか1か月で目玉公約が潰れてしまったという話を。

 5万円公約が「買収」にあたるとして刑事告発を受けたり(→不起訴)リコール運動が起きたりと市民の怒りは激しく、またこの騒動を受けてこれ以降の首長選においてこの手の公約が言いづらくなったり、言った人は有権者に見破られて落選したりといったコトが全国で起きるなど、コロナ禍の選挙戦略の分岐点となりましたが、2期目を目指して出てきました。
 今回も性懲りなく「18歳まで医療費0円!」と掲げていますが、4年前のコトを思うとこれも裏切られそうで・・・ さて、市民がどう判断するでしょうか。 それと、為書きを贈った立憲の国会議員、乗っかって大丈夫なん??

 とはいえ自公推薦を受ける元職は父親も岡崎市長だった人で、自身が1980年に衆院選に出馬した際、当時市長だった父親が息子(元職)を当選させるために「空前の選挙違反」を起こし55人が逮捕されるという事件を起こした過去アリ。 もちろん現在と繋げるつもりはないですが、某掲示板では「この親子が市長になると市内にやたらと石像や石碑が建つ」と書かれていました。

 そんな中で “第3の候補” として出てきた元市職員ですが、市役所を辞めて現在は「官と民の連携をお手伝いするコンサル会社」のCOOだそうです。
 完全無所属をうたっていますが勤めている会社が会社なので選挙運動はしっかりしておりスタッフも豊富。 現職と元職が潰し合いに明け暮れていたら、

印西市長選のような形でスルっと当選しそうな気配も有ります。 台風の目となりそうです。

 なお、もう一人「音楽スクール社長」なんて人も出ていますが、DJをする人で選挙期間に街頭演説ならぬ「街頭DJ」をするコトが最大の目的のようで、「#政治じゃ岡崎かえられない」という元も子もないコトを言ってる人なので、まぁ街中を音楽で賑やかにしてくださいな、としか言いようがありませぬ。


◎愛知県・岡崎市議会議員選挙(定数37/54)

 現職31人、元職1人、新人22人が立候補し、党派別では公明が4人、維新が3人、共産が2人、立憲・参政・「諸派」が1人ずつ立てた、女性候補11人の選挙です。

 まず最初にお伝えしなければならないのは、またしても “ステルスN国” が「〇〇新党」シリーズのウソ臭い党名で立候補しています。 都知事選に「ポーカー党」で立候補して、あの “ポスタージャック” にも参加した人です。 他に53候補もいますから、わざわざこの人に入れなくても大丈夫です。 お気をつけください。

 では、まともな候補に話を戻します。
 岡崎市議会の会派は自民系・労組系(立憲含む)・市長派・公明党の4つのみですが、それは「会派結成には3名以上必要」という規定があるためです。
 で、あるが故に、現在議席を持っていない維新は新人3人立てて全員当選&会派結成を狙っているのです。

(統一地方選後の東海ブロック戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 しかし3候補が、維新らしくない! 維新の候補といえば “40代以下で目や歯が必要以上に輝いている人” というのをイメージしますが(※決めつけ)、ご覧のように全員50代の男性で当然ながら見た目も地味。 それならば「維新」の看板で勝ち抜けられればイイのですが、如何せん昨今の維新の状況は皆様ご存知の通りなので、それも厳しそう。
 愛知の議員選挙で維新候補は近隣の所属議員を総動員して選挙運動しますが、3人も候補が出たらそれもバラけてしまう。 落選が17人出る選挙でコレは、結構厳しいんじゃないかと・・・

 一方、現有2議席の共産は会派結成を狙わず現職2候補を擁立。 前回が3位と6位という好成績なので、コチラは固そうに見えます。

 そして今週も参政党が候補を出してきました。

(2024年の参政党戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 神谷独裁者代表が応援に来る予定は既に出ていますが、最近お決まりの土曜日ではなく木曜日に入る模様。 平日に入っても効果が薄いように思いますが、衆院選が迫る中、忙しいのかもしれませんね。 愛知県で参政党は安定した戦いをして候補を当選させてきましたが、今回はどうなるでしょうか。


◎香川県・観音寺市議会議員補欠選挙(定数4/7人)

 県議選に出馬した議員が3人、お亡くなりになられた議員が1人出て、それを補う選挙で、元職2人、新人5人が立候補した、女性候補1人の選挙です。

 抜けた議員は自民が3人、国民民主が1人。玉木雄一郎代表のお膝元でありますが、後継候補を出しているかどうかは確認できませんでした。

 元職2人のうち1人は昨年の県議選で敗れた40代の自民系候補で返り咲きを狙いますが、同姓で年齢も2つ違いの候補が別に出ているので票の喰い合いが起きると危ないかもしれません。

 そして、元職のもう1人と女性候補が3年前の本選で次点&次々点で落選した人で今回リベンジを狙います。 残り任期が1年ちょっとしか有りませんが当選した際は頑張っていただきたいです。


◎大分県・九重町長選挙

 3期目を目指す現職に元町議の新人が挑む8年ぶりの選挙です。

 この選挙、7月に町の観光アンバサダーを務めた20代女性が立候補を表明していたのですが8月に出馬を取りやめたそうです。 何が有ったのでしょうか・・・

 で、候補者に目を向けると、現職は町議3期を経て町長に就任した人で、大規模な防災政策の実現を掲げ、元職は2007年から町議を2期務めて2015年には出馬せず退任した人で、九重町の名所、

九重 “夢” 大吊橋を活かした観光施策(バンジージャンプ設置、ライトアップ、滝への散策路整備など)を訴えています。

 現職有利と言われているようですが新人は町の有力者(?)から応援を受けているというウワサも見かけました。 さて、結果や如何に。



以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます


「今週の選挙」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど


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