妄想彼女:「カナミ」という本当は一緒になるべきだった彼女
【はじめに】
カナミ(仮名)は実在した俺の癒し。
俺が別れて後悔したのはカナミだけだ。
わずかな期間だったが、俺を好きでいてくれたやさしい彼女だ。
なぜ別れたか。それは進学という節目。運命だった。
少し妄想を付け加え、ここ記します。
【その名は「カナミ」】
高校最後の年、「彼女がほしい~。」と俺は病んでいた。
みんな滑り込みセーフと言わんばかりに、「これから彼女とデートなんだよね~。」と俺の誘いを断ってくる。
もう夏だな。今年は終わりだな~。
こんな状態で受験はいやだよ~。誰か励ましてくれ~。
夏といえば学園祭だ。
乗り気ゼロだが、誰かに彼女紹介してもらお~。
学園祭当日は暇でどうにもならい。
みんな彼女をお連れして自慢大会だよー。
・・・
そんな苦痛な中で、近くの女子高の二人が歩いてきた!。
オー。話が合うー。なんか天使みたいなやさしさだー。
そろそろ名前聞いてもいいかな?
「ねー。名前教えて。俺は○○。なんて呼んだらいい?。」
「カナミ。カナミでいいよ。」
もう一人は雰囲気を察したようで、どこかへ行ってしまった。
【やっと彼女ができた】
居心地のいい人だな。聞かれたくないことは聞いてこない。
気を使っています的な圧力もない。
自然だ。会話も笑顔も。
いやらしさが全くない。
この人彼女にしたいな~。
付き合ってくれるかな?。
・・・
お約束の3回目のデートた。
そろそろいいよね。
「俺と付き合ってくれる?」
「いいよー。うれしいな。○○って呼んでいい?」
「本当!。やったー。○○でいいよ~。」
「じゃ、○○よろしくね!」
あー。思わすキスしてしまった。
自然だ。ギューしてるだけでも幸せだー。
【自然すぎる?】
手をつないでも、キスをしても、体に触れても全てが自然だ。
自然すぎる。。。
この「ほんわかさ・安心感」はなんだろう。
若い時は刺激的なものも求めてしまう。
楽しいのは確かだ。ケンカもない。サプライズ的ないたずらもない。
でも、何か物足りない。思っちゃダメと分かっているのに。。。
・・・
兄妹に近い感じか?
素直に言えるって大事だけど、平穏すぎる。刺激が欲しくなる・・・。
ちょっとギャルっぽい娘に目線がいってしまう。
完全にばれてる。でも、何もないように自然に振舞ってくれる。
体をすり寄せてくる。やさしさが伝わってくる。
「いいね」と「でもね」の思いを繰り返す毎日・・・。
【冬の空の下で】
出会ってから半年。週に2回くらい会っている。
そろそろ遠出もしたいな。
この日は電車で遊園地に向かった。
電車の中でも少し体を寄せて合って、何かを感じ合っている。
この時は分からなかった。
体を自然に寄せ合えることが、普通ではないことを。
本当にカナミは何を考えているのだろうか?
考えないようにしているのか?。
・・・
ある意味で不思議ちゃんなのかな?。
よくしゃべるが嫌味はない。こっちの話もしっかり聞いてくれる。
体に触れたくなると、手を差し出して抱きしめてくれる。
いつもやさしく言ってくれる「いいよー」。
カナミに「いいよー」と言われると、なぜが俺もやさしく触れくことができる。
魔法の言葉だ。
ただ、冬に近づくにつれ、俺は進学に焦りを感じ始めていた。
カナミは県外の学校に進学が決まっていた。
【終わりの始まり】
俺は合格しなかった。
補欠合格はあったが、あまり期待できない。
通知が来ても行きたい学校ではない。
浪人確定だな。。。
初めての挫折ではないが、甘く考えていたかな?と反省する。
カナミになんて言おうかな。
なんか、もう一緒にいられないよ。浪人生じゃ。
来年が保証されているわけではない。みじめ感があるな。。。
・・・
カナミと遠距離は無理だな~。
浪人生でそんなことやってて、また合格しなかったら。。。
人生が狂っちゃうよ。きっと。
もう狂ってるのかな?
なんか全てがいやになってきた。
カナミのことを考えていられないよ。。。
【別れ】
浪人が確定したことを電話でカナミに伝える。
「うん。。。また、がんがってね。」
カナミは遠距離で付き合うつもりらしい。
俺にはその覚悟はない。。。
「・・・。カナミ。もう会えないよ。」
「・・・。」
「浪人だよー。彼氏が浪人なんて。無理だよ。」
「うーん。浪人でもいいよー。」
「いやー。俺が。。。なんていうか。みじめじゃん。」
「・・・。わかった・・・。また、友達で会えるよね。」
「ああー。・・・。」
「また会おうね。じゃあね。。。」
【やさしさへの後悔】
カナミと別れてしまった。
もう、後悔が始まっている。
やさしさって何だろう。
その時は気付かない。
あー。なんでだろう。今更だけど。
またやさしくされたい。
本当はやさしい人って中毒性があるのかも。
もしくは麻薬的だ。ないと欲してくる。
カナミという中毒症状から抜け出せない。
苦しい・・・。これで受験は。。。キビシイ。。。
おわり