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メラトニンの摂取がもったいないと思う理由

睡眠サプリメントとしてメラトニンを摂取することが定着しつつあります。
しかし、メラトニンを外部から摂取するのは本当に必要なのでしょうか?
今回は、メラトニンが体内でどのように合成されるかを知り、適切な方法で自然にメラトニンを生成する方法をご紹介します。

① 睡眠で用いられるメラトニンの役割について

メラトニンは、体内で自然に生成されるホルモンで、主に松果体(しょうかたい)で作られます。このホルモンは、睡眠と覚醒のリズムを調整する重要な役割を果たしています。具体的には、以下のような働きをします。

1. 睡眠の誘導
  メラトニンは、夜間に分泌が増加し、体温を下げ、体をリラックスさせることで、自然な眠りを誘導します。

2. 体内時計の調整
  メラトニンは、体内時計(サーカディアンリズム)を調整する役割も持ちます。これにより、昼夜のリズムを保ち、夜になると自然に眠くなり、朝になると目覚めることができます。

② 身体の中で合成される方法

メラトニンの合成は、アミノ酸の一種であるトリプトファンから始まります。以下に、その合成の過程を説明します。

1. トリプトファンの摂取
  トリプトファンは、食品から摂取される必須アミノ酸です。これが体内でメラトニンの前駆体となります。

2. セロトニンの合成
  トリプトファンは、まず5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)に変換され、その後セロトニンに変わります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させ、日中の活動をサポートします。この過程は、日光(特に紫外線)を浴びることで促進されます。

3. メラトニンの生成
  セロトニンは、夕方から夜にかけて、暖色の光(例えば夕日や暖色系の照明)を浴びると、メラトニンに変換されます。この過程により、夜間のメラトニン分泌が増加し、自然な眠りを誘導します。

③ トリプトファンを摂るおすすめの時間について

トリプトファンの摂取タイミングは、メラトニンの生成に大きな影響を与えます。以下のポイントに注意して、効果的にトリプトファンを摂取しましょう。

1. 朝食で摂る
  トリプトファンを朝食で摂取すること。目的は、夜の睡眠に備えるため、日中までにセロトニンを作っておきたいということ。
日中にセロトニンの合成が促進され、活動的な一日を過ごすことができます。卵、ナッツ、乳製品、バナナなどがトリプトファンを多く含む食品です。

2. 夕食で摂る
  夕食でトリプトファンを摂取することで、夜間に吸収が起こり、翌朝からの活動的な朝を迎えることができます。鶏肉、魚、豆類、チーズなどが良い選択肢です。

まとめ

メラトニンをサプリメントで摂取するのは便利です。でも、その中間でできるセロトニンを体内で作ることは、幸福感を感じたり、胃腸の動きを良くしたりと、良いことづくめ。体内で自然に生成されるメラトニンを最大限に活用する方が、より元気な毎日を過ごすことができます。トリプトファンを含む食事を適切なタイミングで摂り、日光を浴び、夜間は暖色の光を利用することで、自然な眠りを手に入れましょう。メラトニンの摂取がもったいないと思う理由は、体が本来持っている素晴らしい能力を引き出すために他ならないのです。

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