見出し画像

ファシズム国家について

ファシズム国家について簡単にまとめてみました。


ローレンス.W.ブリット ファシズムの早期の警告サイン

ちまたでは政治学者が作成したファシズムの早期の兆候といわれているパネルがあります。

アメリカ ホローコストメモリアルミュージアムに掲げられたパネル

アメリカ ホローコストメモリアルミュージアムに掲げられたパネルに掲示された、ローレンス.W.ブリット 「ファシズムの早期の警告サイン」がたびたび話題となりました。

内容は以下のとおりです。

*Powerful and continuing nationalism
*Disdain for human rights
*Identification of enemies/scapegoats
*Supremacy of military
*Controlled mass media
*Obsession with national security
*Religion and govt are intertwined
*Corporate power is protected
*Labour power is suppressed
*Disdain for intellectuals and the arts
*Obsession with crimes and punishment
*Rampant cronyism and corruption
*Fraudulent election

原題は、”Facism Anyone?” 「ファシズムはだれか?」
ローレンス・ブリットは「Dr」ではなくただの一般のライター
ローレンス・ブリット本人は自分を政治学者と名乗っっていない。
「Free Inquiry」のサイトでのブリット氏の紹介は
「a retired international businessperson, writer, and commentator」
ウンベルト・エーコの「ファシズム14の特質」が元であるとのこと。

ウンベルト・エーコの「ファシズム14の特質」

ウンベルト・エーコの『永遠のファシズム』にある「ファシズム14の特質」のタイトルは以下のとおりです。

1.伝統崇拝
2.モダニズムの拒絶
3.行動主義/非合理主義
4.混合主義~批判を受け付けない
5.異質性の排除(余所者排斥−人種差別)
6.ルサンチマンとの結合(個人もしくは社会の欲求不満から発生している)
7.ナショナリズム/「陰謀」の妄想を抱え込んでいる
8.「敵」に対する見積もりのゆらぎ
9.「生が永久闘争」
10.大衆エリート主義~階級主義
11.英雄主義
12.マチズモ
13.質的ポピュリズム
14.「新言語」の使用

ファシズム国家

ファシズム国家の特質

ファシズム国家は、近代民主国家が専制国家となったものです。その本質は、世界帝国建設をめざす戦時国家でした。
議会は閉鎖され、政府と官僚機構が、独裁者とその側近の命令で政策を実行します。
 またファシズム社会革命がなされます。それは、国家権力による強力な資本統制です。

資本家を最小限の利潤とひきかえに、『軍需生産』というオリの中に閉じ込めることによって、世界征服にむけた国家総力戦という国家的大目的のために、徹底してこき使(う)

滝村隆一

ファシズムはもともと、強力な国家体制の創出をめざしていた。したがって、最初から強烈な侵略主義と民族排外主義への可能性を秘めていたといえる。それだけではない。ファシズムには、国家のために社会を改造し、個人を国家に奉仕せしめるという強烈な考え方があった。
 それを最初に唱えたのが、イタリアのムッソリーニだった。とはいえ、ムッソリーニには世界戦争というほど大胆な発想はなく、国内を強固にまとめ上げ、世界の列強の一角に食いこめれば、もっけの幸いというあたりがホンネだった。
 これにたいし、ヒトラーはドイツ民族(アーリア民族)による世界制覇を本気で考えていた。

https://kimugoq.blog.ss-blog.jp/2018-05-21

(戦時国家とは)

近代の民主主義国家といえども、国家総力戦の戦時には一時的に戦時体制をとります。専制でないと対応できないので内閣も戦時内閣に、国会も閉鎖に近い状態(まさか作戦を議会で検討公開するわけにはいきませんので)、国家総力たる兵站に対応できる社会体制に変貌させざるを得ません。
 なお第二次大戦のフランスは戦時国家体制をとる時間が遅れナチスドイツに敗れてしましました。

戦時国家においては、膨大な軍事力が創出されなければならない。武器や兵器が大量生産されるだけではない。国民皆兵の原則にしたがい、国民には軍事訓練が課され、いつ戦場に送られても文句を言えない状況がつくられる。そのために、国家権力は学校やマスメディアを通じて、戦争勝利に向けて、徹底した大衆思想教育をおこなう。

 武器や兵器の製造は全産業にからんでおり、とりわけ軍事産業の規模は一挙に拡大される。衣服、食糧、建物、医薬品などの生産も、すべて戦時に応じて、体制が再編されていく。つまり、社会全体に国家的経済統制が敷かれるのだ。それは価格統制から企業利潤への課税にまでおよぶ。統制されるのは企業だけではない。労働者も同じで、賃金は規制され、ストライキは犯罪として禁圧され、労使の協調が求められた。さらに戦時においては、通常の税金だけでは間に合わず、戦時国債が乱発

https://kimugoq.blog.ss-blog.jp/2018-05-21

ファシズムの元となるバイアス

ファシズム国家の根源のうちのひとつは、人間の内集団バイアスです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?