コーヒー相場高騰と円安による価格高騰
昨年7月に急上昇したコーヒー相場価格は、昨今の円安も相まってこれまでにないほど価格上昇中。。。どれぐらいの影響があったのかを説明したいと思います。
相場高騰のおさらい
2021年7月末にブラジルの一部産地にて葉や枝が凍結する『霜害』が発生したことを発端にコーヒーの相場価格は一気に上昇しました。これに加えてコロナによる輸送遅延、ウクライナ侵攻による情勢不安、ラニーニャによるコロンビア減産懸念、円安傾向といった問題が立て続きに発生したことによって現在のコーヒー取引価格は相場高騰前の『2倍』近い金額になっています。
相場価格のターニングポイントは8月?
例年、4月~8月の期間はコーヒー相場価格が少しずつ上がる時期です。
この期間は主にブラジルでの収穫期にあたるのですが、この期間中に
産地の温度が下がることで発生する『霜害』や、雨量過多による実の落下や
収穫遅れ、雨量・日照不足による成長不足などの問題が発生する可能性があります。これらの問題を無事通過した9月にはブラジルでの当期のおおよその収穫量が発表され、この収穫出来高によって、コーヒー相場は大きく動くことがありますので、これまでの経験から4月から8月はコーヒー相場価格を
左右する重要なターニングポイントと位置付けています。
収穫量が多ければ、コーヒーの相場価格は下がる傾向にあります。
取引単価が安くなりコーヒーの供給が需要を上回りそうになると、先物商品として取り扱われるコーヒーは魅力がなくなってしまうのですが、
収穫量が少なくなれば、コーヒーの相場価格は上がる傾向にあります。
取引単価が高くなりコーヒーの供給が需要に追い付かなくなると、先物商品としては価値が上がり、投機筋による売買が活発化され、現在のような相場価格高騰を招きます。
相場価格高騰×円安による原料価格の変動
下の図の上部は、昨年の4月~6月のコーヒー相場価格(青)と為替(オレンジ)と、今年の4月~6月を比較したものです。
青色のコーヒー相場価格推移は言わずもがな倍近くなっていますが、
為替はここ数年みない円安傾向にあります。
コーヒー相場価格と為替によって、日本に輸入されるコーヒーの一般品のおおよその価格を計算することができるのですが、このおおよその計算であっても2倍から2.5倍ほどの価格差があります。それほどまでに為替の影響は大きく、コーヒーの価格はどんどん上がってきています。
例えば昨年の今頃(相場高騰前)ではエチオピアイルガチェフというスペシャルティコーヒーを量産するエリアのコーヒーは¥700~¥800/kgほどで購入することができましたが、今では¥1,400/kg払っても購入することが難しいほどです。
8月以降も相場価格が下がらないようであれば、さらなる値上げ発表も十分にあると思います。弊社も本格的に値上げを視野に入れています。
原料の価格があがると、リスクを恐れて積極的な提案ができなくなるので、
早く下がってほしい・・・。とコーヒー業界の皆様が考えていると思います。