コーヒー相場2021.08.10時点
以前の記事で、コーヒー生豆価格の決まり方、相場動向についてお話をさせていただきましたが、あれから少し時間を置いて生豆相場がどのように変動しているかというお話をさせていただければと思います。前回の記事は以下をご覧くださいませ。
現在の相場動向について
上手は直近のコーヒー相場を表すチャートです。ブラジルの産地に霜が降りた7月20日を境に相場価格は急騰を続け、7月26日には2015年12月29日ぶりに、200¢/lbを超えました。単純計算40%近い原価上昇です。「ブラジルのコーヒーが来年減産するぞ!」というニュースから、ファンドの介入や実需筋の購入といった点から価格は高騰しましたが、現在は様子見の段階になっており170¢台まで急落し、徐々に上昇を続けている状況です。今期の収穫量が発表される9月、来年の結実を迎えるために降雨が必要な11月のタイミングで相場は大きく変動すると思います。。。現時点では下がる要因が無いです。
影響はブラジルのみにとどまらず。。。
ブラジルのコーヒーが値上がりするだけならまだしも、ブラジルほど主要な商品が値上がりすると、その代替となるコーヒーの購入が始まります。ブラジルについで使用されているコロンビアはストライキ等の影響もあって、現在価格が高騰しているのですが、ブラジルの代替としてコロンビアが求められることによってさらに価格が高騰しています。また、コロンビアの代替としてタンザニアも使用されており、それぞれ品薄状態が発生し価格が上がっております。また、こういった通常品に用いられるコーヒーが価格高騰すると、スペシャルティコーヒーとよばれる品質の良いコーヒーも代替として使用されたり、価格調整のために価格が上がります。泣きっ面にハチに刺されまくりです。
高騰時にメーカーがすること
これだけ原価が上昇すると我々のようなメーカーは「今契約している生豆の価格はいくらで、いつまでこの価格が続くのか?」、「今の時点で生豆を契約したらいくらになるのか?」、「赤字になる商品はないか?」、「配合変更してどれだけ原価上昇による粗利マイナスを抑えられるか?」、「各原料生豆を商社は在庫しているのか?」「値上げを許してもらえるのかな・・・」と色々な作業に追われます。
7月末は日々高騰する相場に目を伏せたくなりながらも、ギリギリ現実逃避せずに配合変更や原料確保を行ってきましたが、ブラジルのコーヒーは「マイルドな優しい味わい」「大量生産国ということもあり安価」「大量に生産されるので、品質が安定している(選択肢がある)」という理由でブレンドコーヒーにヒジョーに使用される銘柄なので、ほぼすべての商品に価格変更や配合変更が必要となるため作業も非常に多いです。
最後に(まとめ)
簡単ではありますが、現在のコーヒー相場は上述の通りです。普段は神様に祈るのはお腹が痛いときだけのワタシも「下がってくれ・・・!」と毎朝祈っていますが、相場は上がる一方で胃がキリキリする毎日です。おそらくではありますが、9月から12月にかけて「コーヒーの価格あげますよ~!!」というメーカー様が頻発すると思うので、このビッグウェーブに乗っかってシレっと値上げをしたいのですが、そうは上手くいかないのは分かっているのでツライです。。。
まだ弊社の通販サイトは価格を上げていないので、是非・・・。覗いていただけるだけでも胃痛が緩和します!