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親の言うことをきちんと聞く子ほど将来生き抜けない。子どもの主体性、大事にできていますか?

答えのない問いに永遠に立ち向かうのが子育て

男性が育児に参加するのが当たり前の時代に変わりつつあり、経営者や学者など、様々な分野で活躍するプロフェッショナルたちが、自らの育児方針や教育方針についてパブリックに言及することが増えてきた最近。

優秀なリーダーたちは、我が子にどんな教育を与えようとしているのか。また自身はどう育てられたのか。そしてなぜ、育児について語り始めたのか、そこを掘り下げていくといろいろ面白いことに気づくことがあります。

経営と育児の決定的な違いそれは育児に“答え”がないことです。経営にも答えがないとよく言われますが、一定の期間でどれだけ企業が成長したかという結果と照らし合わせながら評価することはできます。育児の場合、まず「何をもって成功とするか」というにも答えすらありません。たとえ有名大学に入って、一部上場企業に入社できて、結婚ができたとしても、その人が本当に幸せな人生を送れたかどうかは、本人が死ぬ瞬間まで分からないし、子どもが人生を全うして死ぬ瞬間に、親が立ち会う確率は極めて低いです。

ということは、育児に正解はないし、あったとしても立ち会えない。それでもなお、親として子どもに何を与えていくか。答えのない問いに永遠に立ち向かうのが子育てなのです。

「親の言うことは聞くな」

「子どもが言うことを聞かなくて、困っています」「うちの子は素直さがない。どうすればいいですか?」「子どもが反抗的です。」「将来が心配です。」そういう相談をよく聞きます。

親の言うことを素直に聞くことのメリットは、明らかです。たとえば、知識の伝達が簡単で確かになること。親のほうが人生経験があり、世の中のことを知っている。それを子どもに伝えるのは当然であり、しっかり聞いて理解し、身につけられる子は、そうでない子よりも育てやすいでしょう。

先生の言うこともしっかり聞けるでしょうし、問題を解いたりテストで良い点をとったり、スポーツも早く上手になるはずです。

では、親の言うことを聞かない、素直さがない、反抗的な子どもの姿勢は良くないのかというと、そうではありません。

自分の考えにこだわり、こだわるがゆえに親のアドバイスが聞けないのは、「自己主張の力がある」ということです。「やりたくないことはやらない」という姿勢は、親には怠惰に見えるかもしれませんが、「自己主張なのか」と思ってみれば、見え方が変わってきます。

親から見れば、子どもの欲求は自己中心的だったりするかもしれませんが、それは幼い子にとても大切なものであり、何かの源になるものです。

「いい子」にしつけてきた場合、もしくは子どもが親を気遣って「いい子」に育った場合、このような欲求の力が過剰に抑えられてしまうことがあります。そういう子は、家の中で親が見守っている環境の中ではなんとかなっても、学校や仲間との関係で自分を守ることが苦手だったりします。

先生のコントロールが効いている小学校低学年の間は、クラスのリーダー的な存在になることも多いでしょうが、高学年くらいになると、自立が始まってきた仲間から取り残されてしまうリスクがあり、そのまじめさをからかわれたり、仲間はずれになったりしてしまい、そのようなケースは、子どもらしいずるさ、たくましさ、大人への反抗心のようなものを育ててこなかったかもしれません。

親世代の成功体験を押し付けることは、参考になるどころか、リスクでしかない

息子と自分を重ねて「昔の私みたいに積極的に物事に挑戦し、参加しないのはどうしてなのだろう」と思ったりします。けれど、彼には、彼の得意分野があります。実際、私よりも息子の方が、物事に対し俯瞰的に、注意し観察・観測し、良く見る能力は断然高いです。我が子に過去の自分をトレースさせるのではなく、全く別の人格であることを親が自覚しないといけません。

それに、私たちの世代が生き抜いてきた時代の環境と、息子たちがこれから生き抜く環境は全然違います。変化のスピードは、これからますます加速すしていきます。だから親世代の成功体験を押し付けることは、参考になるどころか、リスクでしかありません

私は自分の子供が親の言うことを聞く子どもにはなって欲しくないですし、自分の価値観で自分のことを決めれる=自分の好きを自分で選択できる人になって欲しい。とだけは、強く思いますし、それが我が家におけるの子育てで最も重要視している教育の軸です。

子どもの主体性ってそもそも何?

子ども同士のかかわりが減ったことや、情報化社会によって自ら求めなくともさまざまなコンテンツがあふれていることで、主体性のない子どもが増えています。しかし、これからの時代を強く生きるためには、自ら考えて行動することが重要です。

ひと昔前の子どもは「先生や親の言うことを聞きなさい」と言われながら育ってきました。自分の考えを主張することなく、大人の指示通りに動ける子どもこそが「素直でいい子」だとされていましたが、この考え方は時代の変化とともに変わっています。

大人の指示を仰いで行動する子どもは確かに育てやすいですが、そのまま成長すると、社会に出たときに周りに流されてばかりだったり、指示待ち人間になったりする可能性が高いという側面があります。主体性は将来のリーダーシップに必要不可欠です。そのため、現在では自ら考えて行動することができる、主体性のある子どもが求められているように感じます。

主体性がある子どもとない子どもには、具体的にどのような違いがあるのか。

主体性のある子どもは、周りに流されることなく、自分がやりたいと思ったことに取り組みます。周囲からの反応よりも「自分がしたいかどうか」が大切であることをきちんと理解しています。

自ら考えて行動するというプロセスでは「行動するためにはどうしたらいいのか」「どうしたらスムーズに遂行きるのか」「先にどんな結果が待っているのか」など、考えなければならない項目があり、想像力や思考力を使い自ら考えて行動でき、友だち同士で何かを協力し合って成し遂げたり、ケンカをして悔しい思いをしたりといった経験が多い子どもは、チームワークの大切さを知り、自らを省みることができるようになります。その結果「次はこうしてみよう」と新たな活動にも主体的に取り組むことができます。

主体性のある子どもは親との信頼関係が強い傾向にあります。心から信頼することができる存在や、どんなときでも自分の絶対的な味方でいてくれる存在がいることは、何かに挑戦する際に大きな助けとなります。「自分は愛されている」と実感できていることから、「失敗して親に怒られたり、失望されたりしたらどうしよう」と不安になることがないのので、何事にも積極的にチャレンジできるのです。

主体性のない子ども、自分で何かを決めることが不得意で、自分の言動に自信が持てません。そのため、何をするにも「いいのだろうか?」と不安になり、心から楽しむことができないのです。自分で何かを決めることが不得意で、自分が食べたいものや行きたい場所を決めるといった些細なことでも、その都度親に聞くことが多い傾向にあります。

「周りと同じ意見を持っている」というのは、主体性がない子どもにとって安心感があり、楽な状況で、自分の考えを発表する際「自分はこう思う」ということよりも「自分の意見は周りと同じものなのかどうか」を気にしやすくなります。よって、友だちと積極的に意見を交わすなどの経験が乏しくなり、コミュニケーションが不得意になる場合が多いです。

失敗を極度に恐れる主体性がない子どもにとって「失敗=悪いこと」でしかありません。そのため、少しでも失敗の可能性があることには取り組もうとしなかったり、新しい環境に強い抵抗感を覚えたりすることもあります。また、「失敗したら、親に怒られる」と親からの評価を気にすることも多いです。

子どもの主体性を育てるために、親が取り組めることは?

失敗こそ、成功の鍵であることを伝える
主体性を育てるためには「失敗してもいいから取り組むことが大切」「失敗は成功のもと」という考え方を伝えることが大切です。できなくてもいいからチャレンジすることが大切だと子どもに伝えてることです。失敗しても決して怒らず、まずは取り組みそのものを褒め、子どもと一緒に「どうしたらいいと思う?」と解決策を考えることが重要です。

選択肢を子供に与える
日本の子どもは「自分で決める力」が絶対的に欠けています自分の意見を言えるようにすることは、自ら考えて行動することにつながるため、主体性を育てるのに不可欠です。まずは選択肢を与えて子ども自身に選択させることから始めましょう。その日に着る洋服や食べたいものなどの簡単な選択を積み重ねていくことで、子どもはやがて自分の意見を言うことに慣れ、自分で考えて決断し、行動することができるようになっていきます。

年上とのかかわりを持たせる
核家族化や地域社会の希薄化が進み、近所のお兄ちゃんや親戚のお姉ちゃんのような、上下の関係ではない斜めの関係とかかわる機会が減ってきています斜めの関係は「親と子」「先生と生徒」のような上下の関係で代替することはできません。誰かに対して「あんなふうになりたい」と憧れる経験は、主体性を育てることにつながるそうです。「なりたい」と強く思った瞬間にスイッチが入り、主体的に歩み始めるのだそうです。子どもは年上のお友だちに対してそうした感情を抱きやすいものです。斜めの関係が不足している今だからこそ、年上の友だちや親戚とのかかわりを積極的に持たせるように心がけ、子どもにとって憧れの存在と出会える機会を作ってあげることを大切にすべきです。

愛していると全力で伝える
子どもをたくさん抱きしめて安心させ大げさなほど愛情表現をする親は、感情表現の乏しい親に比べ、我が子が世界を探検する準備ができていることに気づきます。そっけなく、ぶっきらぼうな親は、子どもを心細くさせます。子どもが主体性を持って何かに挑戦するために「世界全員が敵になっても親だけは自分を受け入れてくれる存在」である必要があり、子どもの存在そのものを全肯定するような言葉をかけることがポイントです。愛されているとそれは自信につながり、自己肯定感を高めるのに有効です。なので、親は言葉やスキンシップで愛を全力で伝えることです。

子どもの主体性は、親が用意する環境次第で如何様にも伸びていきます。自分で決められない子供にしないためにも、親ができることから始めてみましょう。



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Motomi Revels
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