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創作大賞感想 路地裏の先住民「はそやm」にきちんと挨拶したくなった日

「真面目にふざける」を公言している方を何名か知っている。いずれの人もその通りに表現を追い求めているから好きだ。人に「真面目にふざける」を文字にして伝えることが出来る覚悟は、本当にふざけているだけの人だと伝えられない。面と向かって決して言えることではない。これを人に伝えることが出来るのは、その全部を見られても良いと思っている本気と覚悟がある人にしか書けないことだと思っている。

私は何度か、はそやmさんがそれをコメントで伝えているのを目撃した。

「カッケー人いるな」

本当にそう思った。そうしたら、はそやmさんの創作する表現を読みたくなった。それは私にとって自然な気がしていて、当たり前のことのように思えた。

骨皮筋衛門ほねかわすじえもんは神出鬼没と言われ、スーパーの万引きから体育館裏のカツアゲまでを未然に防ぐ。

骨皮筋衛門より

潜入捜査が基本である23代骨皮筋衛門は、日本で一番幸福度の高い町、帳面町(のーとちょう)を守っている。繰り出す必殺技は、

ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン

だ。これで事件を解決し平和を守る。名前と違ってふくよかな面持ちらしい骨皮筋衛門がバシバシと、いや、ヒラリ・クルリ・プルン・ボスンと解決していく物語だ。

本当にこれで説明出来た。こういう物語だ。

語り口が軽妙で、骨皮筋衛門が何をするのかが気になる。どう解決するのか気になる。それも必ず決まっているのに気になる。予定調和が待ち遠しい。必ずヒラリ・クルリ・プルン・ボスンで解決するのにだ。分かっていても気になる。ヒラリ・クルリ・プルン・ボスンが早く欲しくなるのだ。

こんなに分かってても面白い話は、久しぶりだった。後半に差し掛かり骨皮筋衛門最大の事件に遭遇する。「蚊ーニバルカーニバル事件」だ。この事件が最大というだけあり、とことん蚊で攻めてくる。いい蚊、いい蚊、これでも蚊と攻めてくる。

笑うしかない。何を読んでるのかと思う楽しさを久しぶりに知った。くだらないけど面白い。たぶん最高の言葉だと思います。誰が読んでもすぐに分かるのに、すぐに骨皮筋衛門が欲しくなる。

一気読みしたけど、それは間違いだった。

これは、毎日一話ずつ読んで「なにしてんだ骨皮筋衛門」と笑う話だ。映像が浮かぶ。アニメかも知れない、実写かも知れない、こんなの毎日少しの時間で観れたら笑うしかない。癒されるしかない。そんな気がします。絵本でもいいかも。もちろん本格小説でも面白いかも知れない。それだけの万能性が骨皮筋衛門には存在します。

骨皮筋衛門は、ヒーローだ。具現化してると思いますよ。はそやmさん。あなたが貫いてきた「真面目にふざける」は、物語として骨皮筋衛門がこの先も演じてくれると思います。

はそやmさんが三年間noteにいて、私も三年間いたのです。道一本違う路地裏で同じ方向に進んでいたから一切交わらなかっただけだと思います。カッケーことしてるなぁと感じました。骨皮筋衛門が「なんのはなしですか」に出会って良かったですよ。だってワケわからない存在だから。

分かりきっている話を正面から書く勇気と覚悟を私はこれからも楽しませていただきたいです。

これをお隣の路地裏からの三年越しの挨拶文ということで受け取っていただきたいと思います。

お返しは、ヒラリ・クルリ・プルン・ボスンのフルコースでお願いいたします。


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コニシ木の子
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