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#7 名産品の法則 - 北海道と牛乳の切っても切れない縁

みなさんは、都道府県別の牛乳生産量1位をご存知ですか?…簡単ですよね。ダントツで北海道です。ではここで問題。2位と3位はどこでしょうか…?うーん、なんか涼しくて広大な牧場を乳牛がのんびりと歩いているイメージもあるし、岩手県とか宮城県とかかな…?5分前にググる前までは、私もそんな漠然としたイメージを持っていました。しかし、 農林水産省の令和4年の統計によると、2位はなんと栃木県、そして3位は熊本県。ちょっと意外な感じがしませんか?

これは乳製品のパッケージに描かれているイラストが、長い時間をかけて「牛乳とそれにまつわる体験そのもの」のイメージを築いてきたから。さらに「牛乳 = 北海道」という連想も、広告などで長らく多用されてきた結果、私たちの頭の中に完全に刷り込まれているからです。それゆえ、もはや私たちの脳内に2位や3位が入り込む余地は、全くないわけです。勝者総取りの法則、でもありますね。

乳製品と言えば、このパッケージ

でも乳製品の中でも牛乳に限って言うと、実際のところはあまり日持ちしません。ゆえに日々飲用する牛乳は消費地の近郊 (例えば栃木や熊本)で生産され、消費地が遠い北海道の生乳は、乳製品に加工されることの方が多いようです。北海道バター、北海道シチュー、北海道チーズ… 書くだけで急速にお腹がすいてきましたが、熊本バター、栃木チーズ… うーん、残念ながらお世辞にもグッとこない。(阿蘇バターとか那須高原チーズと呼び方を変えてみると、印象はグッと変わるかもしれません) 北海道は、長い時間をかけて乳製品にまつわるイメージの連鎖をごっそり取り切っています。青い空、広大な牧場、穏やかな気候、そこで搾られた新鮮な牛乳…そんな消費者の抱く期待に「北海道」という非日常な風景は、とてもマッチするのだと思います。そしてそんなプラスアルファのイメージに消費者は数円かの付加価値を感じ、少し高くても買ってしまったりするわけです。これぞ名産品ブランドの力!

そもそも「ブランド」という言葉。複数の酪農家が放牧している自分の牛を見分けるために、牛のお尻に押していた「焼印」が語源と言われています。牛とブランドは、切っても切れない縁で結ばれていたのです!北海道と牛乳。私たちの頭の中でそれを切り離すことは、生涯を寄り添った夫婦が別離するよりも困難なことかもしれません。

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