改めて、このいろスクールについて
今年の4月に、楠浦地区コミュニティセンター内にフリースクールを開校しました。
フリースクールとは、学校に行けなくなった子ども達、いわゆる不登校となった子ども達が学校以外で学ぶ場所です。
1.不登校の現状
まずは、簡単に不登校の現状について記載したいと思います。
最近の調査で、不登校の児童生徒数が約30万人と報道されていました。
小学1年生〜中学3年生でその数です。
コロナ禍以降、とても増えています。
割合で言うと、約3%の子ども達です。
30人のクラスに1人いる計算になりますので、かなり多いなぁという印象を持ちます。
天草市では、約7年前の調査で80人程が報告されていました。
そのため、現在は100人以上に増えていることが予想されます。
また、不登校という数字に表れない子ども達もいます。
欠席日数が不登校としてカウントされないギリギリの子、保健室や別室登校など教室で授業を受けられない子、部活や給食だけ登校する子などは数字には反映されませんので、実質的には報告されている数よりはかなり多くなると予想しています。
このように、不登校の数が増加している中、文科省や学校でさまざまな対策が取られています。
しかし、思うような成果が上がっていません。
だからこそ、民間の力が必要だと思い、「このいろ」を開校しました。
2.「このいろ」開校の背景
僕が「このいろ」でやりたいことは2つです。
①不登校でも、問題ないと伝えたい
以前勤務していた通信制高校で、たくさんの不登校を経験した子ども達と出会ってきました。
そのほとんどの子達が、無事に高校を卒業し、進学や就職を決めていました。
学校に行けなくても立派に自立することができます。
文科省でも、不登校経験者のその後が調査されています。
(少し古いですが…)
そこでもほとんどの子が自立できている調査結果が示されています。
文科省HP:「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)
学校に行けないことで、必要以上に自分を責めて、自己否定しないことがこれからの人生を考えると一番重要だと思います。
家庭でも必要以上に心配せず、子どものことを信じて大丈夫だと、安心できるようなメッセージを伝えたいです。
そのことが、解決の近道にもなります。
②個性と自由を尊重した教育を実践したい
不登校になった子ども達は、現在の学校のシステムに合わせられないようです。
その子達は、学校では実施することが難しい教育を求めています。
それは、短所を矯正するのではなく、長所を思いきり伸ばす教育です。
また、自分と向き合い、自分の「心」にしたがう選択の範囲が制限されないような教育です。
9年間勤めていた通信制高校でも、その前に勤めていた中学校でも集団の中で、受験に合格できるようなバランスの取れた学力を身につけることを求められました。
学校というシステムの中では、個性と自由をなかなか尊重できないことが現状です。
子ども達の将来を考えたときに、そのような教育こそ、彼らの可能性を拡げることにつながると思い、フリースクールで実践したいと開校を決めました。
3.「このいろ」の目指す教育
だから「このいろ」では、既存の学校ではなかなかできないことに挑戦したいと思っています。
長所に着目することで高い自己肯定感を維持できます。
自分の存在が認められるので、安心していろいろなことに意欲的に挑戦する土台を育成しています。
やるかやらないかを自分で決めるので、自主性や自分で考える力が身につきます。
これらは、社会で自立する上で基本となる力です。
この力を「このいろ」では、遊びながら伸ばしています。
多くの子ども達や親御さんが、正しいとされることができないことで苦しんでいます。
将来を不安に思い、自己否定に陥っています。
だからこそ、未来に希望を持てる、自己肯定感を低くしないような教育を天草から広めていきたいと考えています。
そのスタート地点が「このいろ」です。
4.現状とこれから
9月末時点で「このいろ」には27名の児童生徒が登録されています。
その児童生徒が毎日10名前後活動しています。
毎日フリースクールに来る子もいれば、週1日だけ来る子もいたりと、利用頻度は子ども達の状況次第です。
中には、学校と交互に来る子もいます。
開校して約半年で、個性と自由を尊重する教育で、子ども達も変わってきました。
家で一人で過ごしていた子が友達と遊んだり活動したりしています。
家以外では話せなかった子が笑顔で話すようになりました。
自分に自信をもった発言が増えた子もいます。
ほとんどの子のコミュニケーションが円滑になりました。
これからは、個性に合わせた教育を更に充実していくために、たくさんの出会いや経験のための機会を増やしていきます。
そのためにも、子ども達の未来を輝かせる教育に共感し、賛同してくださるたくさんの支援者を必要としています。
もしよろしければ、企業スポンサーや個人サポーターに手を挙げていただければありがたいです。
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