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映画感想/『名探偵コナン 黒鉄の魚影』 #1

計4回、映画館に足を運びました。

5回目はないぞという覚悟の上観に行ったのですが、やばいです。がまんできないかも。観れば観るほど更に行きたくなる。
(ペロッ。こ、これは…麻薬‼︎)

もうさすがに残り数週間もしないうちにシネコンでは上映ストップする気がするので(公開は4/14)、尚更やばい行かなきゃ感が高まってます。

さて。
オタクな話をする前に、何故今回のコナン映画がやばいということになってるのかを簡単に説明すると、

  • 物語の本筋である黒の組織がめちゃくちゃ関わってる

  • 原作追ってる人が「ああああ」ってなる話題やモチーフやオマージュが山程出てくる

  • 大人気キャラ灰原哀に超絶スポットが当てられている(しかも最高の当て方)

この3点ですね。

現在、本編の黒の組織の人物関係もややこしく入り込んでるので、コナン追ってない人からすると分かりにくいところだらけだと思う。

しかも灰原の感情というか立ち位置を理解してればしてる程楽しめる構成になってるので、完全にファン向け作品。

なのに興行収入131億突破したんですって(6/26時点)。

コナン映画は100億超えでも
「やっと念願の!!!」だったのに、
プラス31億ですって。すげえ。

とにかくリピーターがえげつない作品ということです。(私も例に漏れず)

ちなみにこれまでの映画も、キャラ人気のおかげもあってどんどん興行伸ばしてたんですが、やっぱり特定のキャラ推しが過ぎてた気がするんですよね〜。なので私も1回ずつしか観てないんです。
(私は特定の推しキャラはいないです。ま強いて言うならコナン君です)

でも今回は、灰原という主軸キャラは確固たるものとしてありつつも、
全体が「コナン」の世界として最高なんです!!なので何度も映画館で観たくなる。

それと原作を復習してから再度観たくなる。
私はおかげでアニメの原作回を全部見返してしまいました。
今はマンガの方を読み進めてます。(現在43巻)

さ、前置きはこの辺にして、語っていきます。

完全ネタバレ!!

ぶっ飛んでるので、コナン好きじゃない人は読まなくて大丈夫です。
というか読ませるの申し訳ないので、ほんとに、大丈夫です・・・笑


初めて観た時の一番の感想。

「これ公式でやっちゃっていいんですか??!!」


黒の組織に関する部分もまあすごかったけど、

とにかくコナン・灰原・蘭の3人の最後のあの絡みです。

「え?え?え?」って取り残されたよね。


まずね。

人工呼吸まではいいねん。

純粋に救命行為だから、はいはいって感じだったの。
『14番目の標的』で、すでにコナン→蘭はやってるからね。

むしろそこまでは予想していましたとも。
海のお話だもんね、人工呼吸くらいはあるよ。
強いて言えば、宣伝ビジュアルから、コナン→灰原なのかと思ってたから「お、逆か」とは思ったけど。

でもさあ!

灰原「私たち、キスしちゃったのよ」

って言うやん!!心の声だけど。

えええ???キス、なの???

コナン君はきらっきらな灰原視点のイケメンフィルターかかってるし(事実イケメンなんですが)、
コナンの表情の中で一番かっこいい「にかっ」ってする顔してるし、
哀ちゃんはあからさまに頬染めてるし。

そして「君がいれば」アレンジで二番の歌詞で流れる。

月と太陽なら私は月
君がいれば輝けるさ

あれれ〜、おっかしいぞォ〜??

この曲の二番って、灰原のために書かれたんだったっけ?
と勘違いしてしまうほどぴったりな歌詞。

そして原作画風のコナンのかっこいいカットが走馬灯のように流れる。

まじで灰原目線でコナンのそばにずっといたらカッコ良すぎるからね。
ほんとに。惚れるなっていうほうが無理。

客席でマスクしててよかったーってなったもん。自分、完全に気持ち悪いにやにやへにゃへにゃした顔になってたから。そして何回観てもこの場面は心拍数が爆上がりする。


で、よ。

それで終わりと思うやん。
どう考えたってそれがクライマックスやん。

そのあと一応おなじみキック力増強シューズの「いっけええええ!!」があって(何回見ても何蹴ってるのかがよく分からなくて笑ってしまう)、おおーってなってたら、


極めつきに、


灰原が蘭にキスを返します。

灰原「返したわよ」

え?え?え?

へ?

は???何が起きました??今?????


客席からずり落ちるかと思ったね。

あれこれ私今公式の映画見てるんだよね?
ってなった。

でも落ち着いて考えると、
コナンと灰原の人工呼吸だけで終わらずに、
蘭にも花を持たせるというかそういう演出は、
たしかに公式だからこそだわ、とも思う。

コナンと灰原の関係はもちろん愛おしいんだけど、
やっぱり新一には蘭なのよ、そうなのよ。

きっと大多数のファンもそう思ってるのよ。(そう信じてる)
第一話からずっと蘭のことを見てるともう蘭が愛しくて堪らないわけよ。
灰原目線で見てても、蘭ってほんとに健気な良い子なのよ。

蘭→哀ちゃんの、
この子を守らなきゃっていう関係性と、
コナンと哀ちゃんがあんまり仲良いから嫉妬しちゃってたときとか、

灰原→蘭の、
お姉ちゃん(宮野明美)を重ねつつ、
新一との関係にもヤキモチ妬いてる感じとか、

そのすべての関係性を経ての、
唇返却ですよ。

そしてここの一連の、作画最高

あああああなんですか、この最高傑作は?

と思った瞬間、


ドゥルルルトゥンドゥドゥン ッ

とエンディング曲
スピッツの『美しい鰭』に入るんですよーーー。

で、美しい八丈島の風景にぱんっと切り替わりエンドロール。

この入り最高かよ。

私、スピッツも日本のミュージシャンの中で一番好きなんで、
なんなんだよ!!なんでこんなに最高なんだよ!!!と叫びたくなります。

もう心拍数爆上がりで吐きそうになる。
4回見たけど毎回自覚できるぐらいドクンドクン言うんですよここの流れ。
(『天国へのカウントダウン』の歩美ちゃんのどきどき追体験できる)

人工呼吸からの、
手繋ぎ浮上からの、
ぐいって引き上げて「そんな顔すんなよ」とコナン君ニヤり顔からの、
灰原の「私たち、キスしちゃったのよ」からの、
『君がいれば』二番アレンジが流れて、
灰原の思い出の中のコナンが脳内をよぎり、
水面キラキラ描写からの浮上、
そしてコナン君キック「いっけーー!」からの、
灰原が蘭へキス「返したわよ」からの、
ドラムイントロ『美しい鰭』への流れ。

心拍数がやばい、息苦しくなる。


ええと。

ここまでこんな気持ち悪い文章読んで下さってる方はきっとコナンの知識がある方だと思うので、説明不要でしょうが一応説明しておきますと。

新一と蘭はすでに付き合っています。
新一が蘭に告りました。
キスはまだ。蘭が新一のほっぺにチューしただけ。

ただ一応、
映画の世界線(『14番目の標的』)では、コナンが蘭に人工呼吸はしてる。
「Aの予感」という前振りもあったから、救命行為とはいえコナンは口付けだと認識はしてる。したあとに照れてるし。

灰原→コナンの「好き」描写は、
思わせぶりなところは山程原作でもありますが、明確には描かれていません。
まあどう見ても、妬いてるなー、ときめいてるなー、としか捉えられないところもあるので、ほぼ確定と言ってもいいのですが。
(いやほんとこれで違うというのだったら各場面の灰原の真意の解説を求みます)

でも、今回の「キスしちゃったのよ」発言(心の声)は、確定でしょう?

え?ちがうの?ちがうんだったらそれは哀ちゃんが自分の感情に蓋をしすぎなんだよ?
まあでも「好き」と自覚すると辛いだけだから、押し込め続けてるということはあるんだろうなぁ。

ちなみにコナン君は灰原のことをそういう対象として全く見ていません。
「好きなんじゃないの?」と周りに揶揄われても全く気に留めない、100%あり得ないと思ってるので、ほんとにアウトof眼中なんです。
まあそれもそれでどないやねん、どうかしてるぞって感じですが笑
歩美ちゃんからの好意は自覚してるのにね。(まあ歩美ちゃんは割とはっきり言葉にしてるけど)

ほんとに罪な奴だよ。

でも!!
新一には蘭一筋でいてほしいし、ほんとにもどかしいんですよねーー!!

だから、この映画を越えるコナンと灰原のラブ要素での関係性はこの先あるはずがないんですよ。っていうかあったらだめなんですよ。新一と蘭という大前提がある以上。

だから今回本当にめちゃくちゃ攻めてるんですよ、ぎりっぎりまで攻めてるんですよ。

なので「ああきっとこれが最初で最後だ・・・」と思うので、何度も観に行かざるをえない。

私、灰原は一登場人物として大好きですが、キャラひとりにはそんなに肩入れしてないつもりで、それでもそうさせてしまう魔力がこの映画にはあります。

あ、ちなみに、灰原ひとりがどうこうというより、

私はコナン世界のラブコメが大好きなので、というかむしろそれをメインに楽しんでるので(もはや組織のボスが誰とかもどうでもいいレベルだったり…コラ)、だからこそこの映画が好きというのは大いにあります。

全カップル&全片想い、好きなので。
順位とか付けられないくらい、好きなので。


と、ここまで書いといて、なんとなく気になったので、検索してみたら、

やっぱり灰原の「私たち、キスしちゃったのよ」発言に違和感感じてる人もいるみたいです。
キャラに合わない、灰原はそんなこと言わない、と。

私も最初
「ええ?それ言っちゃっていいのおおお???」(色んな意味で)ってなりました。

キュンとした反面、吹き出しそうになるという謎の現象が私の中で起こりました。はい。鳥肌立ちましたし。

何回聞いても胸がゾワゾワってなります。このゾワ体験を映画館の音響で何度も体験しておきたくて映画館に通ってるまであります。(林原めぐみさんの声が大好きなんです、もちろん高山みなみさんの声も大大好きです)


なので【良くも悪くも】それだけのインパクトを与えてくる台詞なのは間違いないので、もうこの時点で制作側の勝ちだろうと。


でも、私のなかでとりあえずこの台詞について整理をしまして。

まず。
最近の灰原、めっちゃ乙女だし、すんごい素直になったし、
【心の声】としてはそれくらい思っちゃうんじゃないかしら?ということ。


次に、メタ視線ですけど、

普段は心の声や本音が描かれることが少ないだけで、
内心めちゃくちゃ思うとこありげな表情は原作でも多いので、
今回はファンサービスとして心の声を見せてくれたという作り手側からのサービスだろう、と。

それから最後の「返したわよ」がめっちゃやりたかったんだと思うので(やってくれてありがとうございます)、その流れに行くためにはさすがに「キス」の言葉を出しとかないと、分かりづらくなっちゃうなと。


それから。

まず大前提として、
コナンは命懸けで、組織の手から自分を救ってくれました、と。

そしてその後、コナンはいつものごとく更なる無茶振りした結果、

今の今まで灰原の目の前で溺れ死にそうになっていて、
灰原の人工呼吸でなんとか息を吹き返して、

灰原の感情が、恐怖からの安堵で
ぐっちゃぐちゃになってるタイミングで、

ふと我にかえって
でも「私には帰る場所なんてない、バイバイだね江戸川コナン君」と、
これがコナンのそばにいられる最後の瞬間なんだ、
と考えながら彼の顔を見たら・・・

当の彼(コナン)はケロッとして、

当たり前みたいに手繋いだりして、
考えてること見透かしたみたいに、
あんなにきらっきらな笑顔向けられちゃったらさあ。さーあ。

もう、あれは、
「キス」だったって思いたくなっちゃうよ。

自分のなかだけの思い出として
「キス」ってカウントしとこってなるよ、きっと。

もちろん人工呼吸して救おうとしてる最中は夢中で殆ど考えてなかったと思うけど、

コナンが息を吹き返して、
あのいつもの自信たっぷりの笑顔見せられたらさ、

「あ、キス、しちゃったんだ」
ってなるて!!

好きな男の子に対してだったら。
(↑ここ大事ね「好きな男の子に対して」だからね)


なのでこれ、水中での人工呼吸っていう行為だけでも、
『14番目の標的』をオマージュしてるんだけど、

コナン→蘭、灰原→コナンの、
人工呼吸の「後の感情も」オマージュしてるんじゃないの?って思うんですけどどうでしょう。

それをコナン(新一)の場合はあからさまに照れた表情出せるキャラだし、
映画中キスの前振りあったから言葉にする必要はなかったけど、

灰原は表情だけだとそこまで出せないじゃないですか。(しかもゴーグルしてるし笑)
あとさすがに映画として、キスの前振りするほど尺の余裕はないし、展開的にそんな呑気なこと言ってられない笑

それに、新一は「キス」なんて、
たとえ心の中でも言葉にするのが恥ずかしいくらいのピュアボーイだけど、
(蘭からホッペにチューされたときも「ダメだろ、ホッペじゃ…」まで思うだけで、心の中でさえ「キス」とか「口」とか言えないピュアボーイなんすよ。告白も勢いで言っちゃった系だし)

でも灰原は、心の中なら、それくらいの言葉は出せるんじゃないのー?と。
結構直接的な言葉ぐさっと発言したりもするし。

まーあー、、欲を言えば、昔の灰原でよく見るポエマー台詞でも聞きたかった気もするけど、

うーんでも!今回は!
この直接的な表現が、あえていいんじゃないですか!

それくらい哀ちゃんも動揺してたわけですよ。ポエム考えてる心の余裕なんてなかったのよ!

あと昔は病んでたからポエム言ってた感もあるしね、
劇中で「私は変われた!」って言ってるからね。


と、

いうのが、複数回鑑賞して整理した私なりの解釈です。


で、キスしちゃったからには返さなければ、
と蘭想いで律儀な哀ちゃんは返却する展開へ、と。


陸に上がって、減圧症のフリして倒れてる時、
コナンが灰原に人工呼吸しようとしたのを止めたのは、

単純に「必要ない」っていう意味もあるけど、

「キスじゃないならしないで」も入ってるんじゃないの、とか考えたり…。


・・・・・。

というのは、流石に言い過ぎだし、
深読みしすぎて自分が気持ち悪くなってきたので!!!

他にも語りたいこと山程残ってるんですが、それはいつか次回に持ち越します。

ではまた後日。

つづき書きました。

ヘッダー画像は先日行ったコナンカフェで撮影。
青山先生の絵が大好きです。

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