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【北陸ウミウシ日記】2023年7月4日 水温26.7~29.2℃

三週間ぶりに海で泳いだ。
まだ、滲出性中耳炎の投薬は続いているので「潜ってはいけない」とお医者様から釘を刺されているのだけれど、こんなにいい天気なのだ。
海に入らずにいられようか。
いや、入るしかないじゃないか。

ところが、私のよく行くウミウシフィールド、水晶浜海水浴場は、7月1日に海開きしたばかりだというのに、その直前にイルカが現れて、ニュースになっている。

海には行きたい。
泳ぎたい。
でも、イルカに襲われて、溺れ死ぬのは苦しそうだから嫌だ。
そこで、昨夜は、イルカに襲われた人の動画を見たり、ニュース記事をさかのぼったりして、どうすれば襲われないかをまじめに考え、自分なりに答えを出したうえで、水晶浜に行ってきた。

ちなみに、私が考えた対策とは

①肌を出さない(人の肌は、水中で遠目にわかるくらい白い。暗い海中で、周囲にまぎれてわからなくする)
②縦になって泳がない(二本足が縦になってバタバタしていると、目立つ。常に水面すれすれでバタ足する)
③ケガしている場所がないか、よく確認する(わずかでも血の匂いをさせない)

の三つである。
おかげさまで、本日、イルカは水晶浜に現れず、私は約一か月ぶりの海を堪能してきた。

現金なもので、昨日まで、この世の終わりかと思うほど暗い思考に取りつかれていたのに、今日は全く何ともない。
世はすべてこともなし。
自然に癒された、というよりも、没頭できる対象に思い切り没入できたことで、頭の中がすっきりした感じだ。
敦賀に住んでいてよかった。
海があってよかった。

さて、海の中は一か月前とは、全然様子が違っていた。
6月初旬は、岩場も藻場も、どこを見てもアメフラシだらけだったのに、今日は、あんなにいたアメフラシがすべて姿を消し、海そうめんと呼ばれる、彼らの卵も消え、代わりにウミウシが姿を現していた。

以下、今日観察できたウミウシたち。

シロウミウシ 体長約2cm
たぶん、ヒメキヌハダウミウシ。体長約5mm。初見
アオウミウシ。体長約2㎝
コモンウミウシ。体長約2㎝
シラヒメウミウシ。体長約2㎝
クロシタナシウミウシ。体長約5㎝
マダラウミウシ。体長約5㎝。初見

同定でお世話になっているアカウントがこちら、「世界のウミウシ」さん。
Googleの画像検索で、「クロシタナシウミウシのカラーバリエーションの一つ」と出てきたので、質問したら丁寧に答えてくださった。

今回、昨年まで出会わなかった2種類「キヌハダウミウシ」と「マダラウミウシ」にお目にかかることができた。
嬉しい。
私の図鑑が少しずつ拡張していく。

とくに、キヌハダウミウシは体長5㎜とあまりに小さく、通常なら見落としてしまうところを、見逃さなかった自分が素晴らしいと思う。
裸眼視力0.01の近視で乱視、おまけに老眼もある私にとって、海の中では平面視野も、見通せる奥行きも、おっそろしく狭い。
半径30㎝くらいの視界内の岩肌を、なめまわすように、じっくりじっくり見ていくのだが、ウミウシたちは擬態がうまいため、それでも見逃してしまうことが多い。

「あっ、いた!」
と思った瞬間、波に引っ張られ、わずかに目をそらしただけで、もうどこに行ったか分からなくなる。
そんな経験を、昨年散々した。
そしてようやく「ウミウシアイ」を手に入れたのである。
今年は、このウミウシアイを武器に、見たことのないウミウシをもっともっと探しまくってやるのだ。

た・の・し・み!!

**連続投稿516日目**

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