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オムツがなかった時代はどうしていたんだろう?

数年前にかなり年下の友人が赤ちゃんを産んだ時
「オムツとお尻拭きは、Amazonで買って配送してもらっている」
と話すのに衝撃を受けたことがある。
そうか、今のお母さんたちは、あの重たい紙おむつのパックを買いにドラッグストアまで行かなくてもいいのか、と。

私の子育て期(平成初期)は、紙おむつ派と布おむつ派が混在していた時期で、私も最初は布おむつを使っていた。
なんとなく、便利な紙おむつを使うことは、子育ての手を抜くようで、よろしくないことのような気がしたのだ。
しかし、大量のおむつを洗ったり干したり畳んだりする時間があるなら眠っていたいのが、ワンオペ母ちゃんの人情というもの。
ひと月たたずに、布おむつは出番を失い、どこかにしまいこまれて忘れ去られた。

当時、公園でよくあったトイプードルを抱いたおばあちゃんは、
「私たちの頃は、古くなった肌着なんかを切っておむつに仕立てたものよ。今はずいぶん便利なのね」
と、ベビーカーの上でおむつ替えする私たちを見て言っていた。

おむつは、機織りが一般に広まり、木綿の布が生活の必需品になってから生まれたものだと思う。
とすると、その歴史は室町時代以降だろう。
奈良・平安時代の税制度「租庸調」の「庸」が「労働力の提供または布を納める」を表しているので、布はかなりの貴重品だったはずだ。
貴重な布を赤ちゃんの排泄物ケアには使えなかったと思うので、当時の赤ちゃんは、おむつをしていなかったのか、または、かわりの何かを股間に当てられていたのだろう。
(我ながら良い推理だと思ったのだが、今調べたら、おむつが一般的になったのは江戸時代からだったらしい。戦乱のない豊かな時代は、赤ちゃんの生育環境も改善された時代だったのだろう)

そもそも、働かなければ食べられない時代には、親も赤ちゃんだけに関わっていられなかっただろうから、まめに排泄物の世話もされず、そのまま放置されていたのではないかと予想する。
そりゃ乳児の死亡率も高いはずだ。

chatGPTによると、現代でも辺境地に住む人たちや文明と交わらない狩猟採集民族の子育ては、おむつがない時代の子育てに近いのだそうで、そこから類推できる「おむつがない時代の排泄の世話」を教えてもらった。

1. 「自然排泄育児」
・観察によるタイミング管理: 赤ちゃんの排泄のサイン(特定の声や表情)を親が観察し、適切なタイミングで排泄させる方法です。例えば、中国やインドでは、赤ちゃんを特定の姿勢にさせて排泄を促す「排泄訓練」が行われていました。

2. 布や草の利用
・布や古着: ヨーロッパなどでは、布や古い衣服をオムツ代わりに使い、汚れたら洗って再利用していました。洗浄のため、近くの川や井戸が重要な役割を果たしていました。
・植物素材: 一部の地域では、柔らかい草や苔、動物の毛皮などが使用され、汚れたら捨てられるような簡易な方法が取られていました。

1の自然排泄については、日本でも熱心な方々が試みられているため、私も知っていたが、2の「草」「苔」には驚いた。
草や苔をどうするのだろう?
どんな草や苔なら、おむつの代わりになるのだろう?
さらに突っ込んで聞いてみたのがこちら。

柔らかい草や苔は、おむつがない時代に赤ちゃんの排泄物を受け止めたり拭き取るために使われていました。このような素材は地域の自然環境によって異なりますが、以下のような種類が一般的に使われたと考えられます。

1. 苔(Moss)
スギゴケ(Hypnum moss)やミズゴケ(Sphagnum moss)がよく使われたとされています。
特徴:
・吸水性が高い。
・柔らかく、赤ちゃんの肌に優しい。
・ミズゴケには抗菌作用があり、清潔さを保つのに役立つと考えられていました。
・使用例: 北ヨーロッパや寒冷地域(例えばスカンジナビアやロシア)では、苔を赤ちゃんの布おむつの中に詰めて使った記録があります。

2. 柔らかい草
・主に乾燥させた柔らかい草が使われました。以下の種類が適していたと考えられます:
・スゲ(Sedge): 柔らかくて繊維が細かいため、吸水性があり、肌を刺激しにくい。
・カヤツリグサ(Cyperus): 柔らかく、乾燥させると吸湿性が高くなる。
・イグサ(Rush): マットや敷物に使われる植物で、赤ちゃん用にも柔らかい部分が使用された可能性があります。

3. その他の自然素材
・動物の毛皮: 柔らかい毛皮を裏返して排泄物を受け止めるために使用。特に寒冷地でよく見られました。
・樹皮の繊維: 北米の先住民などでは、柔らかく処理された樹皮(バスケットウィーブ素材)をおむつ代わりに使用しました。
・乾燥したシダ植物: 柔らかく弾力があり、湿気を吸収しやすい。

地域ごとの特徴
・北ヨーロッパ(寒冷地): ミズゴケが主流。保温性や吸水性が優れており、湿った環境でも使いやすかった。
・温暖な地域: 柔らかい草や葉を乾燥させて使用。また、屋外で直接排泄させることも多かった。
・アジア: 稲わらや麻の繊維が使われることが多く、苔の使用例は少ない。

使用方法
1. 赤ちゃんの下に敷いたり、布で包んで排泄物を受け止める。
2. 汚れたら新しい草や苔に交換し、古いものは廃棄。
3. 使い捨てが基本で、衛生的な面でも適していました。

まとめ

スギゴケやミズゴケ、スゲなどの柔らかい草や苔は、吸水性と柔らかさから赤ちゃんの排泄ケアに最適な素材として使われてきました。特に自然に恵まれた地域では、これらの素材を使った知恵が育児に活かされていました。

当然のことながら、苔や草は自分または家族の誰かが採集に出向き、家にストックしていたのだろう。
洗って再利用もできなければ、ボタンひとつで翌日届くこともない。

歳下の友人の恵まれた子育て環境を、羨ましいと思ったこともあったが、私も充分に恵まれていたことを痛感させられた。

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はんだあゆみ
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