だから、先に調べろって
煮詰まったら、外へ行く。雨でなければ、山にキノコをとりに出る。今日は、前に山の入り口付近で見つけた、イヌビワを採りに行ってみた。
実はほとんどが緑色だが、熟すと赤くなるらしい。見た目はイチジクに近いけれど、サイズはイチジクよりかなり小ぶりで、小指の第一関節から先ほどしかない。
5月の終わり頃、初めてこの実を見つけた時に、「これなんだろう?」とSNSに投稿したところ、友達が「イヌビワじゃないか」と教えてくれた。
実も葉っぱの形も同じだ。たぶん、イヌビワで間違いなかろう。イチジクの仲間という勘は当たった。
私にとっては、実が食べられるかどうかが一番大事なことなので、以下の部分だけ読んで「よし、今度食べてみよう」と思った。その今度が、今日なのだ。
枝の上に熟した実は少なく、3個ほどしか手に入らなかったが、美味しければまた採りにいけばいい。いざ、実食!と実を洗って齧り付く。思ったより硬い。イチジクを想像していた私は、リンゴよりもまだ硬いその果実に、違和感を覚えた。もう一つの実を包丁で割ってみる。
うーん。どう見ても熟してるとは思えない。イチジクに似た植物なら、完熟した時、中央のグシャッとした部分がもっと皮の付近まで広がっているのではないか? 味も無いし、香りも無い。説明によれば「甘い」はずなのに。
そこでイヌビワを再度検索してみると
ええーっ? てことは、これはまだ食べられない状態で、真ん中のグシャッとしたところは、花だったのか!それだけではない。
なになに?写真のピントが甘くてよくわからないけれど、つまり、この真ん中の花らしきものにくっついている黒い物体は、イヌビワコバチの卵かなにかってこと?!
……食べなくてよかった。本当によかった。昆虫食には抵抗はないけれど、知らずに食べることになるのは、大いに抵抗がある。自分が食べているものが何なのか、分かった上で食べるほうが、心の準備もできるというものだ。
そういうわけで、今回はイヌビワを食すところまで辿り着けなかった。秋に再チャレンジしようと思う。