梅雨入りとプールと運動会
四国は今日から梅雨に入ったらしい。とても不思議なことに、梅雨だというのに蒸し暑さをまるで感じない。代わりに(というのは変だが)冷える。今も締め切った部屋で、冬用の裏起毛のいわゆる暖パンを履いて仕事をしている。
夫は隣の部屋で「暑い、暑い」と窓を開けたまま寝ている。これは一体どういうことなのだろう? 私の体から、加齢と運動不足で筋肉が失われ、熱を作る力が衰えたから寒いと感じるのだろうか?
しかし、外を歩く人を見ても、一定数の人が長袖長ズボンを着用しており、真夏のファッションには程遠い。Tシャツ短パンで窓を開けて寝ているのは、毎日、山に登ったり自転車で走り回ったりしている、うちの夫みたいな人たちだけなのではないかと思う。
そんな肌寒い梅雨の時期に、毎年もっと不思議なことが行われる。小学校のプール開きだ。
6月はもともと雨の多い時期で、日照も少なく水温が低いのに、なぜわざわざそんな時を選んでプール開きをするのだろう? それなら、残暑厳しい9月をプールの授業に充てればいいのに。
けれども、9月は差し迫る運動会に向けた「マスゲーム」の練習が入ってきて、熱中症になりそうな炎天下に、行進だの整列だのダンスだの組体操だので忙しい。
結局、せっかく水を張ったプールには、児童がそれぞれ5、6回しか浸かれないうちに、また藻の生えた汚い水に戻っていくことになるのだ。
なんて、もったいない。
だったら、9月の体育の授業を全てプールにしてしまえば良いのに。そして、運動会は廃止すればいい。個性の尊重と謳いながら、マスゲームの練習に時間を取るような教育はスタートから矛盾している。観客を意識した「見せるための運動」なんかやってるから、体を動かすことが嫌いな子が育つのだ。
そして、梅雨時に冬の暖パンを履いて仕事をするような大人になってしまうのである。子どもには、まず好きに動くことを、楽しいと思わせてやってほしい。