本の構成はアレに似ている
インタビュー音源から、本を作る仕事をしていると、「これって私の苦手なアレに似ているなあ」と思うことがよくある。
アレとは、部屋の片付けだ。
今、作業している部屋は、6畳間に、ベッド、本棚、作業机、タンスがひしめき合い、さらに夜中の寒さ対策グッズが転がっているため、かなり散らかっている。
これが、地味にストレスだ。
「じゃあ、片付ければいいじゃん」
と思うだろう。
私も思う。
しかし、やるからには徹底的にやりたい。
いま私が座っている場所は、どでかい本棚の真ん前である。
1日の大半をここですごしているため、地震が来たら、一発でぺちゃんこだ。
本棚の耐震用ポールも一本しかつけてないので、全く意味をなさないだろう。
(これにはちゃんと理由がある。この数年、引っ越しが多く、行く先々の天井高が違うため、耐震ポールのサイズが合わないのだ。また引っ越すのかもしれないと思うと、新たに買いなおす勇気が出ない。勿体無い)
南海トラフに備えて、安全第一に模様替えしたい。
しかし、そのためにはまず、片付けなくてはならない。
通常の「出したものを元あったところに戻す」だけの片付けではだめだ。
不用なものを吟味して減らし、その上で家具の配置替えをせなばならぬ。
で、最初の話に戻るのだが。
この「模様替えまで視野に入れた大掛かりな片付け」と「記事の構成」はすごく似ていると思うのだ。
インタビュー音源とは「ものが多い部屋」である。
ぱっと見散らかって見えるが、床に落ちているからといって不用なわけではない。
箪笥の奥に大事にしまってあるものが、価値あるわけでもない。
全部引っ張り出して、いるかいらないかを私が判断しなくてはならない。
その上で収納場所を決め直し、納めるべきところにピッタリと納めなくてはならないのだ。
「この服、もう何年も着てないからいらないかな」
と思っても、案外すぐに必要になることもある。
本棚に収められたコミックスも同じ。
「もうしゃぶり尽くしたから、いいよね」
と売り払った漫画全巻、何度買い直したことだろう。
後悔しない「捨てる判断」をするには、私の経験は浅すぎて、役に立たない。
何しろロジカルシンキングが苦手なので、「なぜいるのか」「なぜいらないのか」を明確に説明できず、今も勘で捨てている。
ふわっと「いらないような気がする」とデリートボタンを押している。
毎回、とても怖い。
片付け上手な奥さんになれば、ライティングも上手くなるのだろうか?
いやいやいや、絶対そんなわけない。
勘を磨けばいいのか?
それも違う。
やっぱり、我が師のおっしゃるように大切なのは「論理」なのだ。
なぜいるのか、なぜいらないのか。
まずはここの言語化から始めようと思う。
伸び代は多く、先は長い。