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大河ドラマ「どうする家康」9回 感想 〜昌久&正信やっほーい!〜

忙しくて録画が見られないまま、土曜日になってしまった。
感想を途絶えさせるわけにはいかない。
ので、見た。

なんじゃ、こりゃあ。
いつも、アホみたいな感想しか言えなくて申し訳ないが、とにかく面白い!

まず、私の場合、外せないのがこの方、東京03角田さん演じる、草家松平の当主、松平昌久。
絶対、登場一回では終わらないだろう、と思っていたら、先週からまたまた小規模な活躍を始めてくれて嬉しい!

角田さんが「俺っていけてるだろ?」というキメ顔をしている時の、フラグの屹立具合。
そして転落した時の、落差。

©︎NHK
©︎NHK

ゴッドタンの「マジ歌選手権」以来のファンなのだが、狩野英孝さんといい、角田晃広さんといい、なぜ笑わずに、勘違いした2枚目役を、ここまで大真面目に演じることができるのか。
しかも、演技力もあるから、あれだけの役者さんたちに囲まれていても、ちっとも浮いてない。
素晴らしい才能だと思うし、その才能の使い所を間違うことなく、ピタッと嵌めてくるNHK大河ドラマチームのキャスティング能力、素晴らしいと思う。

昌久が、家康軍の反撃に追い詰められ、農民の変装をして狼狽える姿は、オチが見えていたのに大笑いしてしまった。
角田さん、さすがなり!

そして今回、最も賞賛されていたのが、「ニセ本多」とまで言われた松山ケンイチ演じる本多正信。
初回登場シーンからずっと、「金で動く卑怯者」扱いされていたので、一向一揆でも、寺の財力に目が眩んだ雇われ軍師なのか、とみんなが思っていたはず。
なのに、なんなんだ、あのギャップ。

幼少期の幼馴染とのつらい別れの記憶。
再会した彼女の変わり果てた姿。
「この世は地獄、生きていてもつらいだけ」
と臨終に際して念仏を唱える彼女には、すがれる父母もなく御仏だけが支えだった。

正信が軍師を買って出たのは、彼女の、いや民の心の拠り所を守るためだったのか。

戦の後、家康と二人きり、本證寺(?)で向き合うシーンは圧巻だった。
どうせ自分は、主君を殺そうとした謀叛人、どうやっても打ち首は免れないだろう、と覚悟し、正信は、それなら言いたいことはぜんぶ言ってやろうと殿に向かって説教を始める。

「仏にすがるのは、現世が苦しいからじゃ。生きているのが辛いからじゃ。殿が……お前が!民を楽にしてやれるのなら、誰も仏にすがらずに済むんじゃ!そのために民はお前にたらふく米を食わせているんじゃ!己はそれを為さずして、民から救いの場を奪うとは何事か!この大たわけがッ!悔いなければならぬのは、殿の方じゃ」

©︎NHK

この言い切った表情。
ちゃらんぽらんに見せかけ、服部半蔵に
「武士として、ね?ほら、武士としてぇ。まーまー、武士としてさぁ」
とは言ってないが、そんな感じで懐柔工作をしていた男と同一人物とは思えない。

正信のセリフを受けて、家康が涙ながらに自分の愚かさを後悔するシーンが続く。
伝わった、と思った正信の表情が和らぐ。

©︎NHK

これでもう大丈夫。
この殿なら、民を大事にしてくれるだろう、安心して逝けるぜ。
そんな顔だ。

役者さんってすごい。
史実と違おうがなんだろうが、「きっとこんな人がいたに違いない」と思わせてくれる力がある。

「どうする家康」は、あの松潤を鳴物入りで担ぎ出しておきながら、視聴率がよろしくないだの何だの言われているけれど、それはもう見てない人が損をしている、と言うだけの話に過ぎない。

ドラマの中では、昌久も正信も、明日をも知れない命を必死に生きている。
それを、安全圏から、ただ座って眺められる大河ドラマって、めちゃくちゃ贅沢な気がするんだけどなー。

**連続投稿403日目**

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はんだあゆみ
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