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人生初!株主総会に出席してみた!!

1995年に伝説の653万部という発行部数を叩き出した週刊少年ジャンプが、今では150万部も売れなくなっている。
最強の漫画雑誌でもこうなのだから、他は推して知るべし、だ。

そんな、長く続く出版不況の中
「作家が、書いて生きていける世の中を作ろう!」
と、会社を立ち上げてしまった人がいる。
それがこの方、田中泰延(たなか ひろのぶ)さんだ。

泰延さんの本業は農業ではない。
ログハウスも、石の家も、たぶん作れない。
都会への憧れを捨てきれない息子が、富良野を去る日、東京まで乗せて行ってくれる無愛想なトラックドライバーに、泥付きの一万円札をわたして頭を下げたりもしないし、そもそも息子はいない。

けれども、旺盛なサービス精神と知識欲、それに「とにかく納得するまで調べる」スタイルで、爆発的に面白い文章を書かれる。(一例↓)

時に映画俳優もなさっている。

そんな泰延さんは、元電通のコピーライター。

会社にいれば保証されるウン千万の年収と、安全で安心な生活を捨て、青年失業家を経たのち、作家に転身してみて驚いた。
一文字一文字、絞り出すようにして書いた我が子のような本。
これが、一作目から16万部のベストセラーになったというのに、ちっとも「ウハウハ」ではないのだ。

なぜか。

日本には明治から続く「印税1割」という暗黙の掟があり、何年も悩み苦しんで16万部売れる本を書いたというのに、電通時代とたいして収入に差がなかったのだ。

「おかしくない?あんなに苦労したのに、全然報われてなくない?」
泰延さんは、そんな納得できない思いを昇華させるため、
「だったら自分で会社作って、世の中を変えちゃおう!」
と業界初の累進印税を掲げる革新的出版社「ひろのぶと株式会社」を立ち上げたのである。
(冒頭に戻る)

……と偉そうに書いてみたが、実はこれ、昨年の出来事だ。
わたしは、その輝かしい船出とも言える、第一回株主ミーティングに参加できなくて、たいへん悔しい思いをした。
だから、今年は万難を排して今日という日を待っていたのだ。
そう、「第三回ひろのぶと株式会社株主総会&第二回株式会社ミーティング」の日を!!

意気揚々と出かける私を、玄関で見送る夫は
「今日、なんで上京するんだっけ?」
と聞いた。
「ちょっと、株主総会に、ね」
「株主総会に行くのに、そんな普段着でいいのか?せめて襟の付いた服を着て行った方がいいんじゃないのか?」

Tシャツにジーンズ、釣り用シューズという、ラフすぎる出立ちの私に夫は言う。

「そ、そうかなぁ」
一瞬、不安になったものの、会が始まると、たちどころに杞憂だったことがわかった。

しゃちょう(地球始皇帝)
せんむ(とても元気)

金ピカとショッキングピンク。
見ているだけで、金運が爆上がりしそうな、ありがたき光景だ。

お二人と、会計士の山田真哉先生が、総会を取り仕切り、昨年度の事業報告と決算報告を行う。

(画質が悪くてごめんなさい。スマホの電池切れを怖れて、ほとんどの写真をコンデジで撮っていたため、カメラの液晶を再撮影してお届けしています)

この山田先生の名前を聞いてピンとこない人は、出版業界では「もぐり」と言われても仕方ない。

なんと、こちらも大ベストセラー作家。
すごい組み合わせである。

質疑応答タイム。
ボーっと数字の羅列を見ていた決算報告書に、実は会社の未来を考え抜いた意図が表れていることを知り、おおお!と感動したりした。

やっぱり、生はいい。
株主総会は、ライブに限る。

昨年できなかった高井さんのリベンジ講演、永田さんのピアニカ生演奏、立川談笑師匠の小噺や対談、FUNDINNOベンチャーパートナー・辻下さんによる「ひろのぶととFUNDINNOの馴れ初め話」など、素晴らしいイベントが目白押しだった。

そして、本ミーティングの最後に、今後のひろのぶと株式会社の、出版予定が発表された。
すごいよ、見たら驚くよ。

①立川談笑『令和版 現代落語論』
②田口茂樹『エス・エム・エス創業物語』
③所ジョージ『所ジョージ 30年ぶりの著作』
④古舘伊知郎『古舘伊知郎の準備学』
(いずれもタイトルは仮題?たぶん)

本格稼働を始めてまだ2年目の小さな出版社なのに、錚々たる大御所たちが、先方から声をかけてくださったのだそうだ。
ひろのぶさんの人柄もさることながら、やっぱり「印税1割じゃ報われないよ!」
ってところが大きいのだと思う。
誰だって頑張ったことは、正当に評価してほしいに決まってるもの。
一冊の本を仕上げるって、そんなに簡単なことではないのだろうから。

「初版の印税2割、その後は刷った数に応じて累進印税、最大5割!」
ひろのぶとが掲げた、この方針に所さんや古舘さんが賛同してくれたのだとしたら、こんな素敵なことってないよね!

「これっておかしくない?」
と声をあげた泰延さんに賛同してくれた人がいた、ってことだもの。
株主になってよかった、と心から思った。

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書きたいことはまだまだあるのだけれど、写真はほとんどコンデジの中だし、スマホで長文書くのはしんどいしで、そろそろ終わりにしようと思う。

最後に、このnoteの見出し画像は、高井浩章さんのリベンジ講演で使われた、スライドからお借りしていることをお断りしておく。

この講演の中で、高井さんは何度も「株主の役割」について言及されていた。

我々株主は、ステークホルダーなのだから、マーケティングにも気合いいれて参画すべし、というのがその主旨かと思う。

なので、老眼には厳しいスマホの小さな画面で、けっこう頑張って「ステマ」なるものを最速で実践してみた。

「こんな株主総会ってあるんだ?楽しそうだな」と思った方は、6月5日までにFUNDINNOマーケットに登録すると、ひろのぶと株式会社の株が買えるので、ぜひ、来年は一緒に総会を楽しもう!

「あんまり面白そうじゃないな」と思った方、それはひとえに私の筆力の問題だ。

おそらく今年の株主ミーティングの動画も、昨年同様公開されることと思うので、そちらを見た上で、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
(下の動画は昨年の模様です)

**連続投稿479日目**

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