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三題噺のようなエッセイ

落語に「三題噺」というのがある。

三題噺(さんだいばなし)とは、落語の形態の一つで、寄席で演じる際に観客に適当な言葉・題目を出させ、そうして出された題目3つを折り込んで即興で演じる落語である。三題話、三題咄とも呼ぶ。

三題噺

これをエッセイで挑戦しているのが、バトンズの学校の1期生有志で発行しているマガジン「かく、つなぐ、めぐる。」だ。

お題は自分たちで決めている。
「三題」ではなく「二題」でオッケーだ。
締め切りまで、1カ月用意されている。
これだけ聞くと、「三題噺」より、はるかに簡単そうに思える。

しかし、それはとんでもない誤解だった。
自分たちでお題を決めておいて、とんでもないというのも変だが、決める時は
「これだけネタが広がりそうな単語なら、書けるに違いない」
と余裕しゃくしゃくなのだ。
いざ書くという段になって、お題をどう入れ込めばいいのかと四苦八苦している。

8月中お題は「Tシャツ」と「台風」。
この2つの単語を、最初と最後の段落に入れて、1500~2000文字以内にまとめなくてはならない。
エッセイ内の「どこかに入れる」というだけでもかなり大変なのに、入れる位置まで指定しているのである。
どう考えても、自分の首を絞めている。

「え?簡単そうじゃん?」
と思われる方は、挑戦してみてほしい。
予想外に苦労すること請け合いだ。

今、8月の第3週が終わろうとしており、6人の参加メンバーのエッセイが公開された。
同じお題なのに、まったく違う。
その人の個性や、生活がにじみ出る。
そこが面白い。

そして、今、参加メンバー達は、9月のテーマに取り組んでいる。
このマガジンは、裏テーマとして「しりとり形式」を掲げているので、9月の最初の段落には、8月の最後の段落で使った「台風」という単語を入れなくてはならない。
「台風」で始まり、「●●」で終わるエッセイを書かねばならないのだ。
だんだん、「エッセイって何だっけ?」と混乱し、泣きたくなってくる。

期間限定マガジンにしておいて、本当によかった。
毎日noteを更新するだけでも大変なのに、こんなとんでもない課題を永遠に続けることは、きっと私にはできない。
その、苦労した最初のエッセイが来週公開される。

今、公開前の恐怖を味わっているところだ。
毎日noteなら、構成が荒くても、文章表現が拙くても、時間が無かったという言い訳ができる。
でも、マガジンはそうはいかない。
時間は1か月もあったのだ。

ドキドキする。
読んでほしい気持ちと、読まれたくない気持ちが交錯している。
今も、粘りに粘って、原稿の推敲を重ねている。
それで良くなっているのか、悪くなっているのかも、もうよくわからない。
でも、手のかかる子ほどかわいいという気持ちはわかる。
これだけ何度も書き直している文章は、ほかにあまりない。

どうか、マガジン「かく、つなぐ、めぐる。」をフォローし、読んでみてくださるとうれしい。

**連続投稿199日目**


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