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【北陸ウミウシ日記】16日ぶりに知らないウミウシに出会う

夫の古い友人が、「ウミウシを見たい」と、次の週末に京都から来ることになった。
夫は全くウミウシに興味がなく、海に入るつもりもなさそう。
私に丸投げで、ウミウシガイドを任せるつもりらしい。
素潜り専門ウミウシハンターとしては、受けて立つ気満々なのだが、なにしろ、ここのところ、ウミウシをそんなに見ていない。
9月に入り、波が高くなってから、海の透明度も下がり、探しにくい日が続いていたのだ。

今日は、朝から快晴だったので、昼食後、夫が「俺の海」と呼ぶ、菅浜海水浴場に、夫を伴い、ウミウシ探しに行った。
近隣にコンビニすらない敦賀半島の海水浴場の中にあって、唯一JAの店舗が隣接している、とても便利な海水浴場なのに、夫いわく「土日ですらガラガラ」なのだそうだ。
ガラガラはいい。ガラガラは期待できる。
人がいないところにこそ、ウミウシがいそうな気がする。

ところが、予想に反して、菅浜にウミウシはほとんどいなかった。
1時間探し回って、2匹。
アオウミウシとシロウミウシがいただけだった。

代わりにというと変だけれど、ここは、とても魚影が濃い。
50㎝をはるかに超えるボラが群れで回遊していたり、刺身にできそうな巨大ベラ、高級根魚キジハタ、それに丸々太ったフグがいたりする。
いつか釣りに来たい。

美味しそうなキジハタ
食べでがありそうなフグ

しかし、このままでは、美味しいおさかなガイドはできても、ウミウシガイドができない。
確実にウミウシが見られるポイントを用意しておかなければ、お客様をがっかりさせてしまう。
使命感に駆られた私は、夫だけ先に帰し、そのまま水晶浜に向かうことにした。

これが、結果的に大当たりだった。
海のコンディションが最高な時に来てしまったようだ。
ちょっと潜ると、ウミウシがそこここにいる。

ほらもう6種類

そして、なんとなんと!
比較的浅いところで、初めての子に会えてしまった。

岩の下の方に、フリフリした白っぽいものが見えたので、最初はウミウシの卵塊かと思った。
潜って近づいて見ると、フリフリの何かは、黒い触覚と二次鰓を持っている。
「これは、図鑑で見たことがある子だ!」と、テンションが上がった。
夢中で、何度も潜り、同じような写真を撮りまくる。
うわ、かわいい。
きれいだねえ。
心の中で話しかけながら。

帰宅して名前を調べると「キイロウミウシ」だった。
どこが黄色やねん、である。
私ならこのゴージャスさには、「マリーアントワネットウミウシ」とでも名付けるだろう。

この子も、先日のタマミルウミウシと同様、一匹狼のようだ。
おそらく、次に来た時には、もう会えないだろう。

一期一会。
同じ場所を探しても、同じウミウシには二度とは会えない。
そこが、『ウミウシ探し』という冒険を面白くしている要素の一つなのだと思う。

**連続投稿587日目**

⭐️トップ画は、極小サイズ5mmのシロウミウシ。岩にくっついていたけれど、その岩の模様が透けて見えていた。

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