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あちらとこちらは、なぜ違う?
今日は、長いこと頭を悩ませて、悩ませすぎて、禿げるかと思うほど考えた原稿を二つ終わらせた。
「よくやった、自分。もういいよ、遊んでおいで」
そういうわけで、後顧の憂いなく海に出かけた。
自分へのご褒美が「海で遊ぶこと」だなんて、なんという安上がりな女だ。
子どもか。
ここのところ通っていた、半島の東側の『洞窟がある海』ではなく、山を越えた西側にある海に向かう。
単なる気分の問題だったのだが、これが大正解だった。
水の透明度が信じられないくらいすごかったのだ。
水道水をろ過した特別なプールに入り込んだよう。
このまま凍らせたら、透明な氷ができるような気すらする。
10m以上の視界が確保され、遠くの根に魚が群れているのが見える。
私の住んでいる町から、トンネルを越えた半島のあちら側は、どういうわけだか海岸の砂の粒が荒く、海が荒れてもすぐに、巻き上げられた砂が沈んでいく。
いつまでも濁り続けることがない。
同じ花崗岩の岩塊でできている半島なので、東でも西でも似たような砂質になるはずなのに、この違いは、どうしてなのだろう?
ふしぎだなあと思う。
ちなみに、花崗岩は、石英・長石・雲母の三種の鉱物からできており、それぞれの硬度と比重は、以下のようになっている。
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花崗岩を作るこれらの3つの造岩鉱物は、石英は透明に近い白色、長石は透明感のない白色、雲母は黒色をしていることが多い。(とてもざっくりとした説明です。それぞれの鉱物は、含まれる元素によってかなり変化にとんだ色合いになります。特に石英は多種多様)
そして、上の表でわかるように、雲母は、硬度2.5と三つの中で飛びぬけて柔らかく脆い。つまり、浸食によって簡単に、ボロボロのバラバラのサラサラになってしまうのだ。
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上の写真の、黒い鉱物が雲母。
この雲母だけが、さっさと粉々になって海に散っていくと、海岸に残るのは、白組の石英と長石だけなので、花崗岩質の半島にあるビーチは白い砂が目立つのである。
水晶浜しかり、ダイヤモンドビーチしかり。
そこで、またしても、先ほどの疑問に舞い戻る。
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同じ花崗岩でできている半島の砂が、西と東で色も質感も違うのはどうしてなのだろう?
答えは、まだわからない。
夏中に、半島中の海に通って、答えを探すつもりだ。
**連続投稿178日目**
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