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砂浜で穴掘り
大潮のある日、マテ貝を掘りに行った。
瀬戸内の大潮は、信じられないくらい水が引く。
日本海からやってきた人間にとっては、潮汐差が3メートルもあるなんて、驚き以外のなにものでもない。
一日のうちに、そんなに海水が増えたり減ったりするなんて。
減った分はどこへ消えたの?と、潮汐の仕組みを知っていても思う。
理屈と納得は別物なのだ。
さてそれで、マテ貝。
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砂浜に生息し、食べると美味しいらしいのだが、これまでの人生でこんな不思議な形の貝は一度も食べたことがない。
これを採るのを夫がとても楽しみにしていた。
山のものは怖がって食べないのに、海のものは平気というところがよくわからない。
そんなに海は信頼できるのだろうか。
キムタクは映画「武士の一分」の中で、貝にあたって視力を失っていたと思うのだが。
それともあれか。
採集してくる人間が私だから、山の幸を信用できないのだろうか。
まあいい。
マテ貝掘りには、掘る道具の他に塩がいる。
夫の説明によると、貝の穴の周囲に塩を撒くと、貝が満潮になったと勘違いして出てくるらしい。
そこを素早く掴んで引っこ抜くのだそうだ。
「掘る係」と「塩を投入する係」に分業すると良いという。
つまりこうだ。
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しかし、そこはなんでもやってみたい私のこと。
貝の穴が見つかるまで、塩を持って待つだけの係などできるはずもなく、私もビーチに穴を掘りまくった。
結果、私の掘ったマテ貝1個。
夫9個。
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こんなに掘ったのに。
コスパだけ考えると、非常によろしくない結果となった。
が、狩猟と採集はやっぱり楽しい!
春の間に、いろいろとりたいと思う。
**連続投稿802日目**
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