理想の髪型
久しぶりに会う人たちには、もれなく
「会うたびに、髪型か髪の色が違う」
と言われる。
それを目指しているのだから、当然と言えば当然だ。
金髪、パーマ、ツーブロックと、この三年はいろいろ試してきた。
似合う髪型を探す、というより、好きな髪型を探していた気がする。
松田聖子の80年代の歌詞に
「前髪1ミリ切りすぎた午後、あなたに会うのがちょっぴり怖い」
というのがある。(「赤い靴のバレリーナ」)
当時は、この歌詞にえらく共感したもので、前髪1ミリの失敗は、伸びるまで外出できないほどのダメージだった。
かといって、そんなに頻繁に美容院に通うお金もないので、自分で切ってはしょっちゅう失敗していた。
自分の不器用さに全く気づいておらず、少しずつ切りながら調整するということができない。
いつも、一発で決めてやる!と意気込んでは切りすぎていた。
今は
「誰が私の前髪の1ミリを気にするというのか?(いや誰もいまい。反語)」
と思うので、何センチ切りすぎたところで、全くなんとも思わない。
放っておけば伸びるし。
それより問題は、好きかどうかである。
服だってそうでしょう?
人が見て「似合う」と思ってくれそうなものと、自分の好みの素材や、肌触り、長さ、ゆるさは全く別物だ。
髪にも、かきあげた時の感触、バサバサ首を振った後の戻り感、乾きやすさ、暑さなど、自分が心地よい状態というのがある。
それを最優先し、なおかつ、見た目も好みならベターだよね、ということで、試行錯誤を続けているのである。
最近憧れているのはこれだ。
隠れツーブロック。
もっとショートがよいので、おろした時の全体のフォルムはトップ画像のようであれば理想的だ。
何しろ、楽で暑くなさそうなところがいい。
今日、カットしてもらったお兄さんに、一生懸命口頭で説明してみたが、さっぱり伝わらなかった。
ライターとしてこれはどうなのかと思うが、こちらは髪の素人、伝えるための共通言語がないのは仕方ない。
「写真のサンプルがあるとわかりやすいです」
と言われたので、先ほどから「隠れツーブロック ショートボブ 前下がり 前髪あり」で検索しまくっている。
しかし。
これはもしや、カットする前に伸ばさなくてはならないのではないか?
いったい何年伸ばせばここに至れるのか?
理想の髪型に至る道は遠い、ということに気づいたのだった。
**連続投稿801日目**