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ラテンアメリカ旅行記④ベリーズ・グアテマラ8/4〜8/8

8/4 ベリーズという不思議な国

チェトゥマルのバスターミナルでなんとか一夜を過ごし、遂に国境を越える時がやってきた。
バスターミナル併設のサブウェイで朝食を済ませ、外に出たのが7時ごろだった。

まずは国境に向かうバスを探さなければ。たまたま声をかけてきたタクシーのおっちゃんにバス停の場所を聞いてみる。
「あいにくそのバス路線は廃止されちゃったんだ。国境まで20ドルで連れて行ってやるよ。」

ダメだ。この男、絶対に嘘をついている。
もし本当だったら申し訳ないが、
「とにかくバス停に連れて行け」と怒鳴った。

5分ほど走り、バス乗り場とされる場所に着いた。近くにいた青年に声をかけると、彼も国境に向かうバスを待っているところだった。
やはりあのタクカス、嘘をついていた。奴らの言うことを容易に信じては行けない。

バス乗り場とされる場所

国境に到着。あたりは閑散としていて、とても国境には思えなかった。事務所を訪ねるとここから車で5分ほどの場所に新しい国境があるからそこに行くように言われた。

トボトボと歩いていると、待ってましたと言わんばかりにタクシー野郎が集まってきた。
彼らの提示する運賃は決して安くなかったが、タクシーで国境を越えてベリーズ側のイミグレまで連れていってくれると言うから納得して乗車。

出入国税の件で一悶着あったものの、国境越えはスムーズに終わりベリーズに入国できた。

「Welcome to Belize!! 」
流暢に英語を話すベリーズの入国審査官。ここは中米で唯一、イギリスの植民地となった国で公用語は英語。国境を越えただけで言語が変わるという不思議な事実に少し混乱した。

サンタエレナ国境。ベリーズ側から

今日はここからベリーズシティに向かう。
バスを待っていると男に声をかけられた。
親切なことに彼は、ここでバスを待つより近くの街コロザルのバス乗り場へ行った方がいいからと、通りすがりの車を呼び止めてくれた。
この運転手は私用でコロザルに行くらしく、5USドルで乗せてくれるとのこと。バスで行くより多少高いが、ありがたい話だ。喜んで乗せてもらった。

コロザルの小さなバス乗り場でバスを待っていると、奇妙な集団が目に入った。
青い目をしたヨーロッパ人だが、皆カウボーイのような格好をしている。
テンガロンハットにオーバーオール。長い顎髭を生やしている。

後ろ姿をこっそり撮らせてもらいました。

メノナイト、だろうか?
メノナイトというのは宗教改革の過程で生まれたプロテスタントの一派だ。
欧州で迫害を受けたことからアメリカ大陸に移住し、各国で独自のコミュニティを形成している。
彼らは質素・勤勉をモットーに近代技術に頼らない昔ながらの生活様式を今も厳格に守り続けていて、ベリーズでは農業生産の大半を担っているという。

歴史ドラマに出てきそうな彼らの特徴的な姿を写真に収めたくなったが、真正面から撮るのは失礼かもしれないのでやめておいた。背後からこっそり撮らせていただいた写真とネットから拾ってきた画像を載せておくことにする。
ベリーズには混血のメスチソだけでなく、黒人、インド人、台湾人そしてメノナイトと言った多様な人々が住んでいる。

ネットから拾ってきたメノナイトの男性の画像

9時半。ようやくベリーズシティ行きのバスがやってきた。5USドル。ここベリーズではアメリカドルが使える。1アメリカドル=2ベリーズドルとレートが定められているのだ。
バス乗車時、50ドル札しか持っていなかったため、迷惑だろうがお釣りをベリーズドルでもらうことで手数料なしの両替に成功した。

ベリーズシティに向かうバス。アメリカのスクールバスを再利用している。

車窓からベリーズの田舎での暮らしが垣間見える。家と車は壊れかけていてボロボロ。道路は舗装されてない所も多い。メキシコの方が遥かに先進国だったように思える。

ベリーズってこういうところ

道沿いには一定の間隔で商店が並んでいるのだが、面白いことに店の看板の横に必ず中国語の文字が見える。台湾の国旗もちらほら。
ここベリーズでは商店やホテルといった施設の多くは中華系によって経営されているらしいのだ。と、言うことは本場の中華も食べれると言うことか。期待しながらベリーズシティへ向かった。

バスターミナルに到着。バスターミナルは、ベリーズシティの治安悪化区域とされる場所の入り口にあった。危ないのでさっさと退散。

ベリーズシティはこの国で一番大きな都市なのだが、実際はメキシコの一地方都市にも満たないほどの規模だ。周りを歩いているのはジャマイカ系の黒人。いかつくて少し怖い。

ベリーズシティの街並み
ベリーズシティのバスターミナル。治安悪化区域の入り口にあたる。

今夜泊まるホステルは郊外にあり、歩いていくのは無謀。ただ、ターミナルで待ち構えてるタクシーはぼったくりの可能性が高い。途中まで自力で歩いて適当な場所でタクシーを拾うことにした。

暇そうなタクシードライバーがいたので声をかける。青い目をした黒人。親切でいい感じのおっさんだった。
「ベリーズへようこそ!残念ながらベリーズシティに見どころはない。ギャングがいるだけ。ベリーズを楽しみたいなら地方にいきな。」
本当にその通りなのだが、今はベリーズの高級リゾートでくつろぎたい気分ではない。明日にはグアテマラに抜けることにしていた。

宿はやはり中華系のおばさんが運営するホステルだった。明日グアテマラのフローレスに行く旨伝えると、バンの予約をしてくれた。宿にいる間何度か停電が起きたが、それ以外は快適だった。

ベリーズにおいて宿や商店を経営しているのはほとんど中華系だ。

8/5 グアテマラ入国

フローレス行きのバンは12時発。ホステルの送迎でバスターミナルに向かった。
結局バンは1時間遅れで出発。前の座席にクソデカい白人の男が座っていた。
「Yo what’s up bro!」
こんな感じで始めから馴れ馴れしい感じで話しかけてきたこの男。オランダ出身で普段は介護職員として働いているという。特に印象に残らなかった出会いだが、奇妙なことにこの男とはこのあと3回も再会することになる。

バンはジャングルの中をひたすら走り、首都ベルモパンを通過。首都だから何かあるだろうと思って車窓を眺めていたが、本当に何もないただの田舎町だった。

世界一何もない首都はベルモパンだと思う。僕が認定しよう。

16時30分、ようやく国境に到着した。ここでバスを乗り換える。乗客はオランダ人、カナダ人、イギリス人。僕以外は欧米人だ。
「君みたいな若い奴は初めてみたよ。」
でたでた、またガキ扱いされた。
学生の間から1人で旅する人って実は少ないようなのだ。欧米人は仕事の休暇であったり、一時退職をしたりして旅している。仲良くなれそうな同い年の人に会ってみたいなといつも思う。  

グアテマラ国境からフローレスまでさらに2時間走る。ジャングルを切り拓いた土地にたくさんの牛が放牧されてるのが見える。

車窓から

外を歩いているのはインディヘナの人々。インディヘナの少女3人組と目があったので眉を上げて見せると喜んで手を振ってくれた。かわいい。
グアテマラという国は中米で最も原住民の割合が高い。

途中寄ったガソリンスタンドや、高級そうなレストランの前にはライフルを持った警備員が必ず立っている。やはり治安が悪いのだろうか。

今日泊まるフローレスという街は同国第3位の大きさを誇るペテンイッツァ湖に浮かぶ小島だ。
ここはマヤ文明の中心地ティカル遺跡に行く際の拠点となっている。

フローレスの夜。

「アミーゴ、キミはどこに泊まるんだ?」
バスを降りると、英語を喋れる男が話しかけてきた。ホステルの名前を伝えると、場所を知っているからついてこいと言う。
携帯の電源が切れていたので丁度いい。そのままついていくと案内されたのはホステルではなく旅行会社のデスク。騙された。
「フローレスに来たということは君はティカルに行きたいんだろ?今のうちにツアーに申し込んだ方がいい。」
事前に目をつけていた会社と違うが、夜遅かったしここでしか申し込めなそうだった。提示された料金は適正価格よりやや高い気がしたが、携帯もインターネットも使えないから確認しようがない。
押しに負けて渋々申し込んだが、後で確認したらやはり若干ぼったくられていた。 はぁ。

アンティグアへの夜行バスもここで予約したほうがいいと勧められたが、やはり高そうだったのでこちらはなんとか断っておいた。

フローレスに滞在しているのはほとんどが旅行客。通りを埋め尽くすレストランはどの店も爆音で音楽を流し、とても1人で入っていける雰囲気ではない。孤独な僕は一人裏通りにあった中華に入っていった。

チャーハン、大盛りで。

世界一美味かった。  

フローレスで久しぶりに食べる本物の中華料理。本当に美味しかった。

8/6 ティカル遺跡とスペイン人たちとの出会い

ティカルに向かうバスは集合時間より1時間遅れて出発した。
「これから案内するティカル遺跡はマヤ文明でも最大の遺跡です。ここから1時間半ほどで到着します。」
ガイドと見られるインディヘナのおじさんが声を張り上げる。ジャングルの中をしばらく走り、ティカル遺跡の入り口に着いた。入場料150ケツァール。軽食を摂った後、ガイドによる案内が始まった。 
ティカルは、紀元前4世紀から10世紀にかけて栄えた都市であり、最盛期にはおよそ10万人の人口を抱えていたとされている。古代マヤ文明の政治、宗教、社会的な活動の中心であった。

遺跡はジャングルの奥深くに広がっており、まだ見つかっていないものも含め、数百の建物が点在している。中でも特に有名な建物には、大王の墓と考えられている「神聖なジャガーの神殿」と呼ばれるピラミッドがある。インディージョーンズに出てきそうだが、残念ながらクリスタルスカルを見つけることはできなかった。

ジャガーの神殿。高さは44メートルもある。
ジャガーの神殿を背後から。ガイド曰く、ティカルの建物は全て耐震構造になっていて数々の地震に耐えてきたということだ。

「ティカル遺跡はグアテマラ人にとってのアイデンティティであり、誇りなんだ。」
「”君たち”西欧人に征服される前はこんな豊かな文明があったという事実を覚えておくために、毎年決まった日に集まって当時の祭事を再現してるんだ。」
ティカルの中心部とされる広場にやってきた時、ガイドのおっさんがエモーショナルな感じを出しつつ言った。

「ティカル遺跡はグアテマラ人のアイデンティティであり誇りなんだ。」

一緒にガイドの話を聞いていたスペイン出身の4人組と仲良くなった。彼らはグアテマラのNGOで働いているそうで、短い休暇を使ってグアテマラシティからやってきたのだという。
四人のうちの1人、ガビはブルガリア出身の女性だった。バルカン半島の話題は僕の得意分野。数年前にマケドニアに行ったことがあると言ったら、
「マケドニアなんて国はない。そこはブルガリアの歴史的領土だよ!」
と熱く語ってきた。スペイン育ちとはいえ、バルカンっ娘のDNAは健在だ。

ティカル遺跡はかなり広く、全て回るのに時間がかかった。

4人と一緒に昼食を食べた。拙いスペイン語を披露する。こういう時は大体感心してくれたり喜んでくれたりするものなのだが、彼らはそれどころか僕を試すようにスペイン語文法クイズを出してくる。
「まだまだだね。勉強頑張れよ。」
とても悔しい思いをした。それはそうと話自体は盛り上がり、夜皆でご飯を食べることになった。

ティカルからフローレスに帰る途中、ベリーズのバスで会ったあのデカいオランダ人に出くわした。彼は今からティカルで夕日をみるツアーに参加するのだそう。なんだか食えない感じの男だが、たまたま会えたのは嬉しかった。

フローレスに戻った後、僕は次の街アンティグアに向かうバンを予約しに旅行代理店に向かった。途中、「トモダチ!」とおっさんに声をかけられる。事前に目星をつけていた旅行代理店があったので場所を尋ねると、そこは5年前に潰れてしまったから、別の店に案内するという。
、、、嘘くさい。

一応連れて行かれた店でバスの価格を確認した後、Googleマップを頼りに元々いきたかった店に向かった。
やはり、店は潰れてなどいなかった。

スペイン人たちとの待ち合わせ場所に向かった。場所はホテルの屋上にある、いかにも高そうなバー。ハンバーグとカクテルを頼んだだけなのにかなりの額が飛んだ。
ただ彼らとの話は面白かった。中でもジョアン(写真左)は仕事で門前仲町に6ヶ月住んでいたんだとか。渋谷のクラブによく行ってたらしい。

右からアルベルト、ガビ、僕、フアン、ジョアン

スペインの飲みゲーをいくつか教わったが、とても楽しかったので帰ったら披露したいと思う。

さて、夕食の後は皆でクラブに行って踊ることになった。島唯一と見られるそのクラブは非常に混雑しており、楽しく踊れなかった。何より暑苦しい。それでもガビははっちゃけていたが、アルベルトとジョアンは興醒めの様子だった。1時間ほどで退出し少し散歩した後、そのまま解散した。

ラテンミュージック流れるフローレスのクラブ。現地の方が多かった。

8/7 アンティグアの日本人宿

翌朝、アンティグアに向かうバスは6時に出発した。12時間の長旅。夜行バスもあったのだが、夜間はバス強盗のリスクがあると思ったので昼の便を選んだ。 

このレベルの座席で12時間過ごすのはかなり酷だった。おすすめはできない。

アンティグアに着いた時、すでに日が暮れ始めていた。今回の宿はペンション田代。中米では珍しい日本人宿だ。
・日本人旅行者が集まっている
・スペイン語学校を紹介してくれる
・温水シャワーが確実に出る(ここ重要)ということで評判が高かった。

しかしペンション田代は想像よりはるかに閑散としていた。僕の他に客は5、6人程度しかいないとのことだった。

ドミトリーに入ると、ホスト風の髪型をした日本人がいた。ゆうさくさんという方でパソコンで仕事をしながらYouTuberとして旅しているとか。アンティグアにはもう数週間滞在しているらしい。
屋上に行くとゆうさくさんの他にもう一人日本人がいた。ヒロさん。メキシコで仕事をしていて、ビザなし滞在の期限を伸ばすために定期的にグアテマラにきているという。

グアテマラの旅について3人で話していると突然ヒロさんが声を上げた。
「噴火してね?あの火山」 
目を凝らしてみると確かに遠くの火山の頂で赤い点が激しく動いているのが見える。火山活動が激しいグアテマラではよく見られる光景なんだとか。
「GoProで撮影しなきゃ!」
ゆうさくさんが部屋に戻って行ったが、彼が戻ってきた頃には噴火はおさまってしまっていたのだった。残念。

ペンション田代の屋上から見えた噴火。

彼らはこれから日本食を食べに行くということだったので、僕も一緒に行くことにした。
アンティグア市内には日本料理が数軒あるが、どれも高い。3人ともあまりお腹が空いていなかったので、ヒロさんは砂肝とビール、ゆうさくさんは味噌汁、そして僕はなぜかキューバリブレだけを注文した。

さて、日本人と話すのは本当に久しぶりだったのだが、僕の10個以上年上で経験豊富な二人の話は本当に面白かった。やはり海外で出会う日本人は普通とはかけ離れた、ぶっとんだ人生を歩んできている。せっかく海外に来ているのに日本人と絡むのはいかがなものかと思う人もいるだろうが、普通に日本で暮らしていては出会えない人たちと出会えるので僕は強くおすすめしたい。

夕食の後はペンション田代に戻り3人でお酒を飲んでから中央公園のすぐ近くにあるクラブに行くことになった。僕とヒロさんはあまり乗り気でなかったが、ゆうさくさんがビールを奢ってくれるというので行ってみた。

日本人3人組

やはり酒が入った状態で踊るのは楽しい。ゆうさくさんがクラブでの立ち回り、いかに初対面の人間と打ち解けるかについて解説してくれた。
曰く、クラブの新参者はまずはクラブの端っこでつまらなそうにしてる奴に話しかける。そうすると大体喜んで応じてくれるから、そいつらを起点に一緒に踊って飲む仲間を増やしていくという戦略が良いのだそうだ。

アンティグアのクラブ。屋根はなく開放的な感じだ。

いろいろな人と踊っていくうちに、僕はグアテマラ人の女子2人組と仲良くなった。
ガビとロディース。二人は22歳でアンティグア出身のメスチソ。近くのバーで働いているのだという。個人的にガビは話してみてかなりタイプだった。

もう少し話をしたかったが、時間は0時を過ぎて音楽は止まりクラブは営業終了。
明日の夜も遊びに来るから来てほしいと誘われたので喜んで応じる。ついでにクラブに行く前にガビと夕食を食べることになった。

右から僕、ロディース、ゆうさくさん

楽しい気分でペンション田代に戻り、部屋の鍵を開けようとした時僕は恐ろしい事実に気づく。

部屋の鍵がなくなっていたのだ。 

カラビナで繋いでおいたはずなのだが、夢中で踊っているうちに落としたのだろうか。それとも、盗まれたか。とにかく、鍵を無くしたならば多額の弁償は避けられない。鍵が誰かの手に渡っていた場合、防犯上建物の全ての鍵を交換する必要がある。このような危機的な状況にもかかわらず、酔っ払っていた僕はまぁなんとかなるだろうと楽観的だった。ガビに鍵を無くした旨連絡したあととてもいい気分で就寝した。

8/8 ガビ事件

昼ごろに目が覚めた。頭が痛い。スマホを見るとガビから連絡が来ている。無くしていたペンションの鍵とイヤホンが見つかったようだった。クラブの床に落ちていたのをクラブで働くガビの知り合いが見つけてくれたのだ。助かった。軽やかな気持ちで街に繰り出す。

クラブに行って鍵とイヤホンの片耳を回収。ついでに街の中心部を歩いてみた。

今回は奇跡的に落とし物が見つかったが、こうしたケースに備え海外旅行保険は必ず入っておくべきだろう。

アンティグアで一番有名な風景といえば、時計台とその向こうに見えるアグア火山である。残念ながらアグア火山は雲に隠れていたが、雲がない時はきっと美しいに違いない。

アンティグアの時計台とアグア火山

次に向かったのは十字架の丘公園、アグア火山を背景にアンティグアの街並みを一望できる。残念ながら公園は工事中で封鎖されていたが、近くから見た景色も十分すぎるほど美しかった。アグア火山は相変わらず雲に隠れていた。

アグア火山の麓に広がるアンティグアの街並み。アンティグアはスペイン植民地時代に建設された古都だ。

例のガビとは7時に中央公園で待ち合わせていた。金欠の僕らはマックで夕食を食べることで一致。アンティグアのマックは古い建物の中にあり、美しい中庭で食事ができる。世界一美しいマックとも呼ばれているらしい。

世界一美しいとされるアンティグアのマクドナルド。

ところで奇妙なことに昨晩はあんなに楽しそうにしていたガビは非常に不機嫌な様子だ。むすっとした顔でポテトを食べ続けている。そもそも彼女はあまり英語が話せない。僕もまたスペイン語があまり話せない。話が盛り上がらず、気まずい時間が流れる。そんな時、なぜかロディースがやってきた。結局3人で夕食をとるという構図。戸惑いつつも僕は結局英語の話せるロディースと話すしかなかった。

気まずい時間が流れる、アンティグアのマクドナルド

さて、店を出るとガビは早歩きで先にクラブへ行ってしまった。
「興醒めだね、あいつは」
呆れたようにロディースは言う。ロディース曰くガビは今日ずっと機嫌が悪いらしい。それでも僕と話すのを楽しみにしていたらしいので、クラブに行ったらバーカウンターで待っている彼女と話してあげてほしいとのことだった。

僕とロディースは街角の店でケツァルテカという強めの酒を一気飲みし、酔っ払ってからクラブに向かった。

クラブはおしゃれなバーを併設していた。

ロディースが言っていた通り、クラブのバーカウンターではガビが相変わらずむすっとした顔をして待っていた。話しづらさを感じながらも彼女とよそよそしい会話をする。彼女はベトナムのクォーターだとか筋トレ好きな姉がいるとか、そう言った話を聞いた。

するとここでまた奇妙なことが起きた。ガビがお手洗いで席を外すとすぐにロディースが隣に座ってきたのだ。
彼女はあれだけ僕とガビが話すように仕向けながらも隙があればこのように割って入ってくるのである。
それからいろいろなことがあって、お手洗いから戻ってきたガビが派手にブチギレて帰宅した。
ロディースも「親友を失いたく無い」と言って追うように帰った。
明らかに目立つ僕。周りからの視線が痛い。
一人残された僕は困惑しつつペンションに帰った。

全く、ガビたちの意味不明な行動のせいで酷い1日だ。しかしこのままで終わるわけにはいかない。

ペンションに帰るとゆうさくさんは相変わらずパソコンで動画の編集をしていた。ゆうさくさんにクラブでの出来事を聞いてもらった後、二人でクラブへ戻り、また昨日のようにいろいろな人と楽しく踊った。ちなみに、のちに登場する調理師のフェリペとはここで知り合った。

調理師のフェリペとその友達チェルシー

ここまでの長文を読んでくださりありがとうございました。
今回の旅行記は旅の途中に下書きを書いておいてあったのでスムーズに投稿できたのですが次回の分は下書きとかメモがあまり残っていないので更新に時間がかかりそうです。
次回予告 
・グアテマラでスペイン語学校に通う
・エルサルバドルへ
お楽しみに!

ありがとう御座います