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BOOK REVIEW vol.072 僕は君の「大丈夫(嘘)」を見破りたい
今回のブックレビューは、まさをさんの『僕は君の「大 丈夫(嘘)」を見破りたい』(KADOKAWA)です!
ジャケ買いならぬ、タイトル買いでした。『僕は君の「大 丈夫(嘘)」を見破りたい』・・・そんなタイトルを書店で目にする数時間前に、じつは“嘘”をつきました。嘘をついた相手は、他の誰でもない私自身。とあることから“自分を守るため”についた嘘が、結果的には自分を苦しめることになるという顛末…。そんな時に目に留まったタイトルに、かたく縮こまった心が少し楽になり、いっそのこと私の嘘も見破ってもらえたらいいのにな…なんて思ったりしたのでした。
ピュアな感性で紡がれた、まさをさんのエッセイ。ほぼ“優しさ”でできたような世界観の中に入り込むと、知らず知らずのうちに強がっていた心が、癒されていくような感覚になります。エッセイは恋愛や友情、そしてご家族にまつわるものが中心で、愛おしさや切なさ、寂しさ、虚しさやもどかしさといった感情が、まさをさんの繊細な感性で描かれています。10〜20代の頃、当時はうまく言葉にできなかった感情や感覚を、まさをさんのエッセイを通してようやく理解する場面もあり、どこか懐かしくて切ない、それでいてあたたかい気持ちで心が満たされていくようでした。
自分をだますのは
もう、やめませんか?
人の目ばかりが気になって、つい自分を取り繕ってしまったり、人に甘えることが苦手だからと、全部を背負い込もうとしたり、周りに心配かけたくないあまりに、本当は大丈夫じゃないのに、「大丈夫」と言ってしまったり・・・。ふとした瞬間に、自分の本音を心の奥に仕舞い込み、その場をやり過ごすことって、実は今でもしょっちゅうある(苦笑)。
『僕は君の「大 丈夫(嘘)」を見破りたい』には、そんな消耗した心に、そっと寄り添ってくれるような言葉がたくさん詰まっています。これまでの自分をゆるしながら、自分に嘘をつくのはもうこれで終わりにしたいな。優しく染みわたるエピソードの数々に、心にできた隙間をそっと埋めてもらえたような気がします。
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