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BOOK REVIEW vol.051 天才を殺す凡人-職場の人間関係に悩む、すべての人へ-

今回のブックレビューは、北野唯我さんの『天才を殺す凡人-職場の人間関係に悩む、すべての人へ-』(日本経済新聞出版社)です!

北野唯我さんのご著書。ビジネスの世界で必要な才能を「天才」「秀才」「凡人」という3つのタイプに分け、その特徴や活かし方などがストーリー形式で描かれています。書籍のタイトルに一瞬ドキッとしましたが、内容は怖いものではなく、ビジネスの世界において(それ以外の世界においても)、知っておくと役に立つヒントが書かれています。

「天才」「秀才」「凡人」という言葉だけを見ると、つい優劣をつけてしまいそうになりますが、この3つに上下はなく、単に「役割が違うだけ」という考え方が良いなと思いました。そしてこの役割は、“一人につき一つ”というわけではなく、割合は異なるけれど、どの人の中にも3つが存在しているということにも納得でした。

まずこれら3つの関係性を理解し、自分はどのタイプに当てはまるのかを把握することによって、自分の役割や武器、自分と異なるタイプへの接し方が明確になってきます。タイプが異なる相手に対しては、なかなか理解しづらい部分もあり、つい批判や反発をしてしまいそうになりますが、それぞれの特徴を捉えておくことによって、一呼吸置いて対応することができそうです。

このストーリーの登場人物たちにも、それぞれ“役割(才能)”が与えられています。初めて『天才を殺す凡人』というタイトルを聞いた時は、「一体どんなお話なのかな?」と疑問が膨らみましたが、ストーリーを読み進めるうちに言葉の意味を理解することができました。とくに、才能を周囲になかなか理解されずに苦しんでいる「天才」と呼ばれる人たち。その“天才性”を発揮するためには、どんな人物のサポートが必要なのかという点が興味深く、苦悩を抱える「天才」に、過去の私はどのように接していただろうか、たとえ無意識だったとしても足を引っ張るようなことはしていなかっただろうか・・・と自身の言動を振り返る機会となりました。そして、自分の役割(才能)や武器を知ることによって、「私にもできることがある」と希望を持つことができたような気がします。

「天才」「秀才」「凡人」という視点で見る、ビジネスの世界が面白かったです。この3つの才能は、どれもビジネスの場において必要不可欠な存在で、成果を出すためには、これらがうまく噛み合うことが重要であることがよく分かりました。一人でも多くの「天才」を救いたい。新たなことにチャレンジする人たちを応援したい、という著者の北野さんの想いが伝わってくる一冊です。

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もり さとこ
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