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味噌の特性①~④

割引あり

料理のさしすせそ

さ・・砂糖
し・・塩
す・・酢
せ・・醤油(せいゆ・・昔の醤油の呼び方)
そ・・味噌(味噌のそ)

「料理のさしすせそ」では、味噌は最後に入れる。
これは、香りを大切にする調味料であるためで、
早く入れてしまうと、加熱により香りが抜けてしまう。
しかし一方で、味噌を使った鍋(ぼたん鍋・・イノシシを使った鍋)などは、最初から味噌を投入することがある。

味噌は、調味以外にも以下のような働きがある。
①緩衝能(かんしょうのう) があり、入れる材料によって大きくpHが変化することがなく、味が変化しにくい

②魚や肉などのメチルアミンや不飽和脂肪酸の不快なにおいをマスキングする

③味噌に漬け込むことで味噌の中のプロテアーゼなどにより肉や魚の肉質を柔らかくする

④酸性(pH5.0~4.8)を示すので、緑色野菜のクロロフィルが退色する

①緩衝能(かんしょうのう)がある

まず、緩衝能とは、溶液のpHを一定に保とうとする作用のことである。
味噌には、その作用があるため味が変化しにくいとされている。

もう少し詳しく説明するため、味噌汁を考えてみる。
味噌汁には味噌が溶けていると考えてしまうが、実はそうではない。
味噌汁を作って放置しておくと、お椀の下の方に味噌がたまり、上澄(うわず)みは、透明になる。

味噌汁は、味噌が汁に溶けているわけではなく、大きな粒子が単に分散浮遊しているだけである。そのため、放置すると下の方に溜まるのである。
しかし、小さい粒子(アミノ酸や糖類など)は溶けているため、透明の部分を飲んでも味がするのである。

そして、こういった物質(大きい粒子と小さい粒子)が汁の中に共存すると、緩衝能という働きが生まれる。
味噌汁に豆腐など水分量が多い食材を入れても、味が薄くなったと感じることが少ないのはこのためである。

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