小麦について 後編


現状の勉強の進み具合

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天ぷらの衣をサクサクにする方法

天ぷらの衣は、材料から離れない程度の粘性は必要だが、タネにあまりしっかりと密着したものは好まれない。
むしろサクサクした衣の内部に程度の水蒸気がこもって内部の食材を蒸しているような状態がよい。

小麦粉をこねると弾力とこしが出るのは、グルテンの網目構造によるもの。
グルテンを少なくし、サクサクの天ぷら衣にするためには

①グルテン量の少ない薄力小麦粉を使う
②低温の水で溶く
③あまりかき混ぜない
④長時間おかないようにする
となっている。
これは全て、グルテンの形成を少なくする方法である。

逆に強力粉で天ぷら衣を作った場合、ベトッとした感じに仕上がる
強力粉はグルテンが多く、粉が水を吸収する力が強いためである。
これにより、衣の中に水分が残り、重くてベトッとした、かたい衣ができる

天ぷら衣をつくるとき、小麦粉にデンプン(片栗粉)を入れる理由

天ぷらの衣をサクサクさせる方法の一つに、小麦粉にデンプン(片栗粉)を混ぜるというのがある。

【理由】
小麦粉だけでは、グルテンの形成量が多くなってしまい、さっくりした衣をつくるのにマイナスになる。
そのため、グルテン形成の絶対量を減らすべく、グルテンの材料を含まないデンプン(片栗粉)を入れる。
つまり、デンプン(片栗粉)によって小麦粉を薄めるのである。

粉箸が太い理由


粉箸

衣をつくるときに使う粉箸(こなばし)は、菜箸(さいばし)より太い
これは、グルテンを形成させないため、小麦粉と水を溶くときにかき混ぜず、粉箸で上から軽く叩くように合わせる。
このとき、箸が太いと叩く作業がしやすいためである。
一方、細い箸の場合、かき混ぜることになり、グルテンが多く作られてしまう。

からあげに粉をつける理由

般に「からあげ」は、小麦粉をまぶしてから揚げる。
この理由は
●材料は水分を含んでいるから、大きなものを直接油に放り込むとハネがあって危険
●油の温度が高いと急速に水分を失って黒焦げになる
などの理由から、デンプン質(小麦粉や片栗粉など)の粉をまぶす。
逆に、イモ類のようにデンプン質がみずからの肌を守るようなものは、粉をつける必要がない。

揚げものの衣を使い分ける理由

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