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専業主婦が日本の伝統??

一般的に伝統だと思われていることが実は伝統でもなんでもないってことが往々にしてある。例えば自民党や保守派は「伝統的な家庭像」だとして、家庭において妻は専業主婦になるのを推奨しているような感がある。

しかし実際には専業主婦は「伝統」どころか、高度成長期の前後、一億総中流と言われた頃に主流だっただけで、2000年の日本の歴史の中ではほんの一瞬のことでしかない。要するにその頃の「流行」だった。近代以前も含め高度成長期以前は第一次産業である農業人口や漁業人口が大半で、子供も含めて家族総出で仕事をしている方が主流だった。なのでそっちの方がむしろ「伝統」だったと言える。

戦前・戦中は男は兵役があったから女性労働者が多かったわけだが、ナチスドイツが少子化対策として「母よ家庭に帰れ」をスローガンとして専業主婦を奨励。それを朝日新聞が「ヒトラー総統もやっていなさる」とキャンペーンした(1938年)ことが影響し、それがその後専業主婦が定着するのに影響したという面もある。

結婚して家庭を持った人が、それまで思い描いていたような、「伝統的な家庭像」をつくることができていないとしても、それで思い悩む必要などない。自身が専業主婦でないから子供と向き合えてないんじゃないかみたいな負い目を感じる必要も全くない。不勉強な権力者による幻の「伝統」に生きづらさを強いられる必要はどこにもないのである。

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