ドラマ「ブラッシュアップライフ」〜あなたは人生何周目?
今期スタートのドラマの中で、脚本とキャストが自分の好みだから見始めたのが「ブラッシュアップライフ」だ。
突然の事故であの世の入り口に立った主人公・近藤麻美(安藤サクラさん)は、案内の男性(バカリズム)から、来世は人間ではなくオオアリクイだと告げられ、納得できずに他の道は?と食い下がると、もう一度同じ人生をやり直すこともできると言われ、再び赤ん坊からの人生を始める。
ストーリー的にはファンタジー要素もあるけど、地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディだそうで、軽妙だけど現実感もあるバカリズムの脚本が面白い。
30代の今も地元で暮らす、麻美と幼馴染のみーぽん(木南晴夏さん)、なっち(夏帆さん)の三人が集まると、ダラダラいつものしょーもない会話が始まる。
この女同士のユルさとわちゃわちゃ感を、バカリズムって男性なのにどうしてあんなにリアルに描けるのだろうか。
「架空OL日記」も好きだったけど、あのドラマではバカリズム自身が架空OLに扮し、細かいところまでOLの生態をよく観察してるなぁと感心した。
知性や記憶は1周目が終わった30代のまま、2周目が始まった麻美。
赤ん坊から幼児期、思春期も、心の声は安藤サクラさんのままで、トボけてるようでいて時に鋭いセリフ回しも不思議な味わい。
1話では、幼稚園の頃に友達の玲奈ちゃんのお父さんと洋子先生の不倫の兆しを見逃していたことに気づいた麻美が、夜中にポケベル宛に公衆電話からポケベル打ちというやつでメッセージを送り、二人の不倫の芽を摘み、玲奈ちゃんの両親の離婚を阻止することにも成功する。
麻美ってば、すごい園児だよ(笑)
このシーンでずっと流れていた「ポケベルが鳴らなくて」by国武万里。時代感が漂いまくりだった(笑)
私はポケベルって持ったことなかったな。公衆電話→携帯だった気がする。
ポケベルって何だったんでしょうね。結局、送信するのは電話からでポケベルは受信しか出来ないんですよね。
この人はもう人生何周もしてるんじゃないか?というような、何事にも動じず、物事を深く捉え、若くても悟りを開いているような人に時々お目にかかる。
輪廻転生はあるんじゃないかと、私は信じている。
昔、好奇心から、前世が見えるという人の所に友人と行ったことがある。
その人によると、私の前世はモンゴル辺りで暮らす少女で、親の言うことを全く聞かず、若くして亡くなりました、と言われた。
まぁたしかに、今世でも親には逆らってばっかりだったよね…と思った。
さらに、私のもう一つの前世は処刑場の鎌の番人で、沢山の人の首を刎ねるのが仕事だったという。常に諸行無常を感じており人間嫌いで晩年は世捨て人になり、生涯誰とも交わらず家族も作りませんでした、と言われた。
一応どちらの前世も人間だったわけだけど、なんか思い当たる節もあるような…。
今世での私は、いちおう家庭を持ち子供も産んだ。しかし未だに何か馴染めないというか、違和感みたいなものを感じてしまうのは、この前世の影響?と思ったり。
たぶん私は、自分の家族を持った人生って今世が初めてなんでは?という気がしている。そして人生経験も浅く、徳も積んでないし、そんなに何周もしてないんだろうな、と思うのだった。
まぁこの私の前世とやらも、本当かどうかなんてわからないけど。
かくして麻美は1周目での行いを教訓として、2話では、中学の時に大っ嫌いだった教師 通称・ミタコング(鈴木浩介さん)の冤罪も不本意ながらも晴らしてあげて、ミタコングに没収されたままになっていたゲームボーイアドバンスも戻ってきたし、来世がオオアリクイにならぬよう着々と徳を積んでゆく。
体育会系の暴力性と文化系のネチッこさを兼ね備えた教師・ミタコング役の、鈴木浩介さんのウザい演技も上手過ぎる(苦笑)
こういう教師、うちの学校にも居たなぁ。高校の時の英語教師がまさにこのタイプで、ネチネチ嫌味ったらしいうえに、時々キレて杖を床にドスンドスンと打ち付けて生徒を恫喝していた。英国紳士をきどり、いつもチェック柄のジャケットにチェックのネクタイ締めてたので、あだ名はチェック&チェック(笑)
3話では、お金にダラしなくてギャンブルにハマったため別れた1周目の元カレ・田邊(松坂桃李さん)が2周目では年収10億の実業家になっていたり、幼稚園の時にお父さんの不倫を阻止してあげた玲奈ちゃん(黒木華さん)自身が大人になったら不倫していることが発覚したり。恋人(野間口徹さん)が実は既婚者で騙されていたことを知った時の、黒木華ちゃんの元ヤン並みの豹変ぶりも凄まじかった(笑)
1周目とはちょっとづつ違う状況に困惑する部分もあったものの、軌道修正しながら順調に人生をやり直していた麻美だったが、2周目では亡くなる日を回避できて安心していたところ、ドラマ「リバーサルオーケストラ」ロケ中の前野朋哉さんに気を取られていたせいで…あっけなく2周目終了。
そこ…?なんちゅう展開だ。
またあの世の入り口に戻って来てしまった麻美が、どうしても寿命は変えられないのか?と聞くと、案内人は、人には亡くなりやすい時期があり麻美の場合は30代だと伝える。
そして今度の来世でもまたもや人間にはなれないということが分かったので、まさかの3周目、人生やり直しがスタート。さすがに同じことの繰り返しはダルい。
ただし何周でも際限なくやり直し出来るわけではなく、何回やり直せるかはその人の積んだ徳にによっても違うとも言われた麻美。
3周目では33歳の壁を乗り超えられるだろうか。