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2月に食べる、季節のお菓子
こちらの国では、日本のような季節を感じさせるお菓子というのは、ほとんどないのだけれど、2月だけはハッキリとこの時期に食べるお菓子というのが、2つある。
ラスキアイスプッラ
1つめは、2月のざんげ節を祝うためのお菓子、Laskiaispulla。
お隣スウェーデンでは "セムラ" と呼ばれている。
ここ数年、セムラの日本での認知度が上がっているので、こちらの名前で知っている方もいるかもしれない。ラスキアイスプッラも隣国から伝わったので、基本的には同じお菓子だ。
ラスキアイスプッラは、カルダモン入りの甘いパン生地に、生クリームが挟んであるのだが、これがハンバーガー並みの大きさ(苦笑)
更にこちらの国では生クリームの下にジャムか、アーモンドペーストまで入っていて、もんの凄いボリュームなのだ。
お隣の国で "セムラ" になると、もう少し小ぶりで中身も生クリームとアーモンドペーストのみらしいのだけど、私はセムラの実物は見たことがないし、食べたこともないので、何とも言えない。
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生クリームがパンからハミ出るくらいの量
その下にはジャム…ちょっとクドい
私は生クリームが体質的にあまり受付けず、丸ごと1個食べるとちょっと気持ち悪くなってしまうので、いつも家族と半分こにしている。
そしていつもベーシックなタイプよりも、変わり種についつい手を出してしまう(笑)
今年試してみたのは、MUJIレストラン(無印良品に併設されているカフェレストラン)に初お目見えした抹茶味、きな粉味のラスキアイスプッラ。こちらの国の店舗のみの限定販売だ。
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でもクリームは多すぎず程よい量
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ピスタチオのペーストも入っていて
これは自分的には好み
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真ん中もきな粉ペースト?だったと思う
ヨーロッパで最大規模のMUJIショップとカフェレストランが、なぜかこの小国にある。なんでもMUJI社長はこの国が大好きだから、という理由だと聞いたことがあったような。
日本の味が恋しい時、MUJIにはよくお世話になっている。しかし値段は日本に比べて割高。ちなみにこちらの国の消費税率は25.5%、食品は14%(泣)
近所のチョコレート屋さんも、この時期だけラスキアイスプッラを製造している。
今年は週替わりでデラックス・ラスキアイスプッラも販売されていて、今週はトウヒの新芽×シチリアレモン味をゲット。
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こういうチャレンジングな味を見かけると
思わず試したくなる
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若葉のようなクリームの味とも合っていて
意外とイケる
トウヒの新芽?と言われても日本では馴染みがないと思う。
トウヒはこちらではクリスマスツリーにする針葉樹で、その柔らかい新芽kuusenkerkkäを春になると摘んで食す。この国の旬の味ですね。
時にはお菓子に入れたり、アイスクリームのフレーバーでも見かけるし、シロップもある。
仄かな森の香りと清々しい味は、この国独自の味覚といいますか。
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ラズベリージャムの酸味がよく合う
ティラミス味の週もあったようで、それは見逃してしまった。これ食べてみたかった。来年も作ってくれるだろうか。
こちらの店は、チョコも前衛的な味の組み合わせが多く、攻めてる(笑)
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冒険しすぎたのか?
今年は売られてなかった
かなり異色なのは、人気パティスリーのオリジナル、クロワッサン生地のラスキアイスプッラ。もはやこれは、ラスキアイスプッラと呼べるのか(笑)
こちらは生クリームの量も控えめで、サクサクした生地の食感も良く、ジャム入りだけど私でも1個全部食べられる美味しさ。
大人気らしく、早く行かないとすぐ売り切れる。店内には予約の箱が山積み。
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普通の生クリームより美味しく感じたのだけど
やはりパティスリーだから?
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ラスキアイスプッラは、今の時期さまざまなベーカリー、パティスリーが腕を振るい、こぞって作るので、シーズン中は食べ比べする人も多い。
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キリスト教の絶食期間である四旬節(復活祭前の40日間)の直前にある、ざんげ節(ラスキアイス)の日曜日は、ソリすべりを楽しむ日でもあり、丘などの人気スポットは家族連れで賑わう。
息子がまだ小さかった頃は、スティーガと呼ばれるハンドル付きのスノーレーサーを車に積んで、わざわざ滑り場まで行っていた。
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足の部分にプレーキも付いている
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二人乗りもできるので、息子を前に乗せ私も一緒に滑っていたが、けっこうな傾斜から滑降するので、迫力満点で、大人も楽しめた。というか、親の方が本気になって滑ってる家も多い(笑)
ルーネベリタルト
2つめはRunebergintorttu。
タルトと言ってるけど、カップケーキみたいな感じか?
小さめの湯飲みくらいの筒状に焼いた生地の天辺にラズベリージャムがトッピングされ、その周りは白いアイシングで囲まれている。
なんか、目玉オヤジみたいな外見だ(笑)
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2月5日は、国民的詩人ルーネベリの誕生日を祝い、氏が好きだったというこのルーネベリタルトを食べるという日なのだ。
ルーネベリタルトだけは、隣国から伝わったものではなく、珍しくこの国のみのお菓子だ。以前「グレーテルのかまど」という番組でも、こちらの国の国民的スイーツとして取り上げられたことがあった。
スーパーでは大抵2個セットで売られているが、家族だとこれでは足りない。うちも3人家族なので、2個というのはとっても半端な数で、いつも誰と誰が1個を半分にするかで揉めていた(苦笑)
サイズ的にもラスキアイスプッラほど大きくはなく、シーズン中はついつい何度も買ってしまいがち。
どうせ何個も買うくらいならという理由なのか、自分で作るという人もいて、ホームメイドの場合は筒状の小さな型に入れてチマチマ何個も焼くのは面倒なので、ホールで焼くという手もある。
ここ数年は、ホールタイプの "ルーネベリケーキ" も、人気が出ているようだ。ただしお店などでは売られていないので、自作するのみ。
私も一昨年、昨年は、どどーんとホールで焼いてみた。
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アイシングが緩くて垂れてしまうのだが…
雪に見立ててるのか?ということで
このルーネベリタルト、生地にはアーモンドプードルと、こちらの国でクリスマスに食べるスパイスたっぷりジンジャークッキーも砕いて入れてあり、さらに北欧でのみ作られているpunssi(punsch)というリキュールを染み込ませて焼くので、恐ろしいほどのカロリー…しかもホールで焼くと何回でもおかわり自由なので非常に危険(苦笑)
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それだけでも凄い砂糖の量…
ルーネベリタルトも各ベーカリー、カフェも参戦し、こぞって作っているが、中にはサバランかい!っていうくらい生地がびしょびしょになる程リキュールが入っているものもあり、お酒に弱い人は酔ってしまうかも(苦笑)
だけど子供も喜んで食べてます(笑)
・
いずれにせよ、どちらのお菓子もハイカロリー間違いなし!
長く厳しい極寒の冬は、沢山のカロリーを摂取しなければ乗り越えられないということなのか…
冬になると脂肪を蓄えてしまい太る人も多い、熊みたいな国民性が反映されてるようにも感じるスイーツですね(苦笑)
今の時期、ホクホク顔でケーキの紙箱を抱えている仕事帰りのオジサンや、親子連れなどとすれ違う度に、きっと箱の中身はラスキアイスプッラかルーネベリタルトに違いないと思うと、ホッコリした気持ちになるのだ。
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