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『食べて、祈って、恋をして』コロナ禍だからロードストーリーが必要な理由
本日は、ジュリア・ロバーツさんの主演で映画化もされた、エリザベス・ギルバートさん『食べて、祈って、恋をして』をご紹介します。
原作を読んでから、映画も観たのですが、圧倒的に原作の方が素晴らしいです。
けっこうボリューミィなのですが、今、コロナ禍で旅欠乏症に陥っている方は、読んでみて欲しいです。
旅欲が満たされるかもしれません。
結婚も恋愛も失敗した女性の自分探しのようなロードエッセイなんですが、まるで小説のような濃厚さです。
人生のどん底から、這い上がるようにして旅をしながら内面にとことん向き合います。
「めちゃ、わかるわー」って共感ポイントがいっぱいでした。
私はこの本をじっくり読んだのは、仕事も健康も失って悶々としていた2020年の7月。
手術と入院を控えて、どよよーんと気持ちが落ちていたときです。
どん底にいるときは、どん底体験をしている人の本を読むに限ります。
ヘタに前向きな自己啓発本を読むと自分のできなさ加減に、さらに落ち込むことになるので。
構成は108話のエピソードから成っています。
旅の期間は1年で、訪れた国は3つ。
イタリア、インド、インドネシアのバリ。
各話36話ずつ。
イタリアではイタリア語を学び美食を堪能。
友人たちとの得難い出会い。
めっちゃ太っちゃうけど、そこはあっけらかん。
純粋に旅を楽しむ。
インドでは一転してアシュラムに滞在して、ヨガを通じてスピリチュアルな生活を送ります。
そして、2年前にバリで会った老賢者に再会するために再びバリへ。
バリでの生活を送りながら、新しい恋に出会っていくドキドキもあり!
旅によって心癒され、やがて人間力が高まっていく。
等身大で瑞々しい女性の心の機微が、魅力的に描かれていきます。
そこが一番本作が愛される理由!
現代の女性に勇気を与え続け、自分ごとのように共感を呼ぶのだと思います。
下記にまえがきを引用しました。
「人生への問い」を思い浮かべながら本を読み進めると、より深まると思います。
できれば、エリザベスと一緒に自分の心にも問いかけてみてくださいね。
"わたしは何者なのか?
わたしの人生は誰のものなのか?
わたしと神との関係はどのようなものなのか?
わたしはなにをするために、ここまで来たのか?
わたし自身の進む道を変える権利が、わたしにはあるのか?
自分の道を分かち合いたい人がいるとしたら、それは誰か?
わたしに喜びと平安に浸る権利はあるのか?
その権利があるのなら、わたしに喜びと平安をもたらすものはなんなのか?(p26)"
私たちは、コロナ禍で思うように旅ができない。
けれど、だからと言ってどこにも行けない訳じゃない。
心は縛られないのだから。
今だから行ける心の居場所を探してみよう。
本を読む行為は旅に似たものだから、私たちを素敵なところに連れて行ってくれるはず。
今こそ、心を解き放つためのロードストーリーが必要だ。
そう思う、きりんなのでした。
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![森本木林(きりん)@読書研究家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157182125/profile_5c472008f205800ca81d69b78dc441d5.png?width=600&crop=1:1,smart)