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『スタンフォードの自分を変える教室』「変わりたい」と「変わりたくない」の科学
自分の意志の弱さに嘆く、そこのあなた。
安心してください。
それ、あなたのせいではありません。
ケリー・マクゴニガルさんの『スタンフォードの自分を変える教室』を読みました。
どこのページから開いて読んでもみても、大丈夫。
意志の弱さの正体は一体どこから来るのか?
私はとにかく知りたかった。
私が10日間続けようと年末に立てた小さな目標は、3日で限界を迎えました。
「アイスを食べない!」
去年の冬から初夏までハーゲンダッツバーのアフォガートにはまりまくって、何十本も食べました。
その代償として、ゆるふわボディになってしまったんである。
ミシュランタイヤのキャラみたいなのを想像してほしい。
「健康のため」という大義名分は、強制力がいかんせん弱すぎだ。
ハーゲンダッツの新作はどんどん出るし。
とくに冬のこっくりとした濃厚なフレーバーは、心に絡みつく。
目標をやすやすと3日で破らせるそれは、神経伝達物質ドーパミンのしわざかもしれないと、本著で知った。
(糖質云々とかは、また他の話になるので、ここではしない。)
ドーパミンはやる気を出すのに大いに役立つが、一方で悪い面もある。
何かが欲しくてたまらない!とき。
私たちの脳や体で起きていることを観察すると、報酬への期待の高まりにワクワクするのと同じ位、ストレスを感じているそうだ。
欲望を感じているとき、必ずしも良い気分であるとは限らないのだ。
ときには、どうしようもなく最低な気分にさせることもある。
ドーパミンの主な役割は、私たちを幸せへと「追い求めさせる」ことであって、私たちを幸せに「する」ことではない。
だから、ドーパミンは私が不幸を味わおうと知ったこっちゃない。
報酬システムは飴とムチ。
それが、「報酬の期待感」と「ストレス」になるという。
脳の報酬センターがドーパミンを放出すると、脳のストレスセンターにも信号を送る。
例えば、私が「アイスが欲しい!」と期待すればするほど、一方では不安が募り、何が何でも欲しくなる。
生きるか死ぬかの瀬戸際で、アイスがたまらなく欲しくなる。
(そこまでいくと、もはやアディクション?)
本著によると、ある研究者は、チョコレートを食べたいと思っている女性の心の欲求とストレスの葛藤を観察した。
チョコレートの画像を見た女性たちは、驚愕反応を示したそうな。
まるで、草原で肉食動物に遭遇したかのように!
その時どんなふうに感じたかについて、女性たちは答えた。
「喜びと不安を同時に感じて、その上自制心が効かなくなった!」
だから、私も同じような状況で、ハーゲンダッツの新作の期間限定とか、コンビニ限定なんか見つけちゃった日にゃ。
胸の高まりが早鐘を打ったみたいに、もう止まらなくなる。
「ここで逃したら、コンビニのアイスのローテは速いから万事休す!」
とばかりに、カゴに3つは放り込んでしまう。
言い訳のバリエーションは豊富にある。
「10日間目標達成したら、ご褒美にね。」
「味見なら」とか「今日も乙です、私!」
その日のお風呂上がりに血迷って、1個食べちゃったりして。
本末転倒も甚だしい。
私たちは、欲しいもののせいで、ワクワクもすればストレスも感じるアンビバレントな生き物で。
意志が弱いんじゃないわ。
全部、ドーパミンのせい。
ああ、そうだ!
次は「習慣化」の本を読まなくっちゃ。
アイスをやめるためには・・・?
きりんの読書の旅は、さすらう。
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