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「大人はわかってくれない」はやはり名作だった。
1960年公開のフランス、ヌーベルバーグを代表する監督、トリュフォーの処女長編作。
学生の頃、京橋のフィルムセンターで観たヌーベルバーグ特集の中の1本。今回出てきたDVDを録画したのはたぶん、20年くらい前だから、今回観たのは凡そ20年ぶりということになる。
冒頭25分くらいの遊園地からアントワーヌが出てくるシーンで、後から煙草を口に咥えて出てくるトリュフォーがカメオ出演している。自分の映画にちょっとだけ出演する(カメオ出演)ヒッチコックを真似たトリュフォーのお遊び。
英語の授業で生徒がfatherの発音を直されるシーン。英語教師が、thの発音は舌の先を歯の間に挟んで発音するように注意するのは現在の日本と変わらない。
昔、ブリトニー・スピアーズのMVでthの発音の際、舌が上下の歯の間から必ず出ていたことに驚いたものだ。ブリトニーがデヴューしたての頃だから今から25年も前のことになるのか。まだ小学生だった長女がよく歌っていた。
60年以上前の白黒映画だが演技をしていないかの様な子役達の演技とロケ中心の映像は子供達の動きをよく捉えていて秀逸だ。
少年審判所へ向かう護送車の窓から夜の街を瞼に焼き付けるように眺めるアントワーヌの頬を伝う涙が印象的。
長編処女作において、トリュフォーの演技指導と編集の才能が世界の賞賛を集めたのはよく分かる。
およそ20年ぶりに鑑賞した訳だが、年月を経てもその独創性とテンポの良い映像に新鮮味を感じる。顔芸のできない子供が主役のせいで顔のアップが少なくて、やたら動き回る子供をカメラが追いかけるのでスピード感があるからだろうか。