読書記録31『本を読む本』(1997)M.J.アドラー C.V.ドーレン 外山滋比古訳
こんにちは、だるまです。
今日は「読書とはなんなのか」を問いただされ、姿勢を正したくなる本をご紹介します。
『本を読む本』(原題:How to read a book)
本好きな人ほど読んでほしい一冊です。早速内容をつまみ食い。
※紹介する読書法は、娯楽のための読書、文学読書は対象外です※
読書4step
この本の構造は、読書を4ステップに分け、それぞれについて段階を小分けに説明する形です。
名のごとく「本の読み方」について詳しく述べています。
4ステップは以下の通りです。
1.初級読書
2.点検読書
3.分析読書
4.シントピカル読書
点検読書とシントピカル読書は、初めて知る概念でした。
点検読書は、「さあ一ページ目から全部読むぞ!」をする前の読書です。その本が分析読書に値する本かどうか見極めます。タイトルや目次、各章の数行を読んで判断するそうです。
点検読書を実践している人は少なく、価値に気づかれていないと嘆いています。
確かに、あまりやったことがなかったです。
シントピカル読書は最高難易度の読書法で、同じ主題について2冊以上の本を比較しながら読む方法です。3ステップ目までできてからの読書法で、技術獲得は困難ですが、一生ものの方法だそう。
こんな形で、それぞれの読書法についてhow toが乗っており、自分の本の読み方について考える良い機会となります。
気になるところ
本好きにぐさぐさ刺さる文が多かったので紹介します。まずはこの部分。
p.56
良い本を読みながら眠ってしまうような人は、読む努力をしようという気がないのではなく、努力のしかたを知らないのだ。
むずかしいくらいの本でなくては、読者にとって良い本とは言えない。
布団に入りながら睡眠導入剤として本を読んでしまいます。選んだのが良い本でないか、努力のしかたを知らないのか。
次に、すぐにでも取組めそうな部分。
積極的読書をするための4つの質問
1.全体として何に関する本か
2.何がどのように詳しく述べられているか
3.その本は全体として真実か、あるいはどの部分が真実か
4.それにはどんな意義があるか
読みながら常に問いかけ、自分で答えるようにするのが基本だそうです。
ちなみに、小説や戯曲などの文学は対象外です。本書では文学版のステップについても短めに述べられているのでチェックしてみてください。
また、前提は「良い本」に対しての読書法です。筆者曰く、巷にあふれる本の99%は分析読書するに値しない本なんだとか…。(1978年初出の本ですでに99%という表現をしているところに面白みを感じました)
一番刺さった部分はこちらです。
p.176
たくさんの本を上っ面だけかじるのではなく、一冊でも、以上述べた規則を守ってよく読むことが大切だ。
もちろん、これらの読書法で全部の本を読めるわけではないのですが、読んだ本の数とか量を気にする読書は読書といえるのか?と自問しました。
たくさん読んでいれば読書に精通している、と思われがちですがそうでないかもと思った次第です。
(楽しみのために読む読書はまた別だと考えていますが!)
はたして読書とはいかに
内容については、あまり説明しなかったのでよくわからなかったかもしれません。外山滋比古さんのとても読みやすい訳ですので、ぜひ読んでほしいなと思います。
とにもかくにも、しっかり読み終えて、
「はたして読書とはいかなるものか」
と大きな疑問が頭に浮かびました。答えは出ていません。答えが出ないからこれからも読み続けます。
丁寧な読書、に値する本を見つける目を養いたいなと思いました。
かしこ