読書記録87 2025年1月の本まとめ
2025年1月は月末に無事修論を提出し、あとは発表するのみというところまできました。
昼間執筆を頑張って夜は自由に過ごすと決めたので、本もある程度読めてよかったです。
1.『13歳から分かる!道は開ける カーネギー悩みを解決するレッスン』(2023)藤屋伸二
カーネギーの名著『道は開ける』をわかりやすく解説している本。図書館のYAコーナーはこういう噛み砕いた本が並んでいるので眺めるのが楽しい。短い上にカラーでイラストも豊富なので、「すぐ悩みを解決したい!」と緊急度が高い人におすすめできる。この前読んだノート術の本にも、A4一枚に現状、課題、打ち手を書くといいと書いてあったが、この本でも悩みを解決するテクニックとして紹介されていた。結局この方法がいいんだろうなあと漠然と納得している。
2.『しあわせしりとり』(2018)益田ミリ
再読。数年前、表参道の山陽堂書店でこの本の原画展をやっていてミリさんへのメッセージノートに何かを書き込んだ気がする。タイトルがしりとりになっていて、中身は普通のエッセイなので、もちろん面白い。「どうしようもなく疲れ果て」で「ナポリタンが食べたい。」とあって、なぜか私もナポリタンが食べたくなった。今日イタリアンカフェに行ったらナポリタンがメニューになくて仕方なくトマトソースをむしゃむしゃ食べた。
3.『極(エッセンシャル)アウトプット』(2021)樺沢紫苑
小学館Youth Booksという、これまた図書館のYAコーナーに並んでいた本。話す、書く、行動するの3点で解説されておりわかりやすい。中高生向けなので勉強の方法も書かれているのだが、「人に教える」が一番定着するというのは、確かにそうだと思う。カフェで友達とテスト勉強して教えていたのがとても懐かしく、微妙に感傷的な気持ちになった。本の感想を書くのもアウトプットとして良いらしい。「話す」の部分が不足しがちなので社会人生活で意識したいと思った。
4.『「好き」を言語化する技術』(2024)三宅香帆
小学生の時、夏休みの宿題で読書感想文が一番嫌いだった。必死にマニュアルのようなものを探し、何が言いたいのかわからないまま書き上げた記憶がある。
この本では主にアイドルや俳優などの推しをどう具体的に語るかの方法を紹介している。読書感想文も同様のプロセスを経れば形になりそうで、当時の自分に教えたい気分。自分が良いと思ったポイントを細分化して虫眼鏡をかざすようにじっくり観察することが重要らしい。具体化していくベクトルのみなので、全体性を語るにはどうしたらいいんだろうと思ったが、「推しを語ることで自分の理解も深まる」という話はとても納得。SNSの普及で他人の言葉に影響を受けやすい昨今、知らぬ間に自分の言葉が奪われているのかもしれないと気付かされた。
5.『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(2023)ファン・ボルム
韓国の架空の都市の本屋さんの話。韓国の社会情勢(若者の受験戦争、就職、無気力etc.)が濃縮に詰まっていて、小説というより自己啓発系エッセイに近い印象を覚えた。筆者説明の項目を見ると、筆者は主にエッセイを書いていて、初の長編小説だという。登場人物がそれぞれ社会問題を代表するキャラクターとして描かれていて、無駄がないように感じた。もう少し余白があると一息つけるなと思った。
6.『君が手にするはずだった黄金について』(2023)小川哲
布団に入って読み始めたら夜中まで一気読みしてしまった。筆者と同じ名前、同じ大学出身、小説家の人が主人公、というか筆者そのものが主人公?の短編で現実と虚構の境目が不確かな感じがいいなあと思った。哲学の思想を引き合いに、主人公の思索がつらつら書いてあるのも読み応えがある。「小説家の鏡」の最後で、小説家の仕事は「嘘に対して誠実に向き合う」ことだと書いてあるが、まさにそれで、小説は嘘だけどその中に作者の現実に考えていることが薄く投影(たまにそのまま投影)されているから没頭できるのかなと思う。どの短編も言いたいことの具体例が物語として描かれていて、最後にまとめがあって、何だか論文っぽい本に感じた。
7.『新しい恋愛』(2024)高瀬隼子
どれも印象的な短編で、特に表題作の「新しい恋愛」は現在の恋愛の形に対する問題提起(とまではいかないけど)でちょっと自分が考えていたことに触れる感じがしてゾワっとした。時代が少し未来の設定でちょっとSFぽくてよかった。
8.『フィレンツェ』(2018)池上俊一
イタリアの勉強がしたくて、通史的な本を読んでみたが要素が多くて理解しきれなかったので、都市ごとに攻める作戦に。イタリアと一口に言っても、数々の都市国家が集まっただけでなので、都市ごとに歴史や文化をみていくのはあながち間違っていないかもしれない。カタカナが読めなくて世界史を断念したくらいなので、教皇の名前などは全く頭に入ってこなかったけど、フィレンツェの大まかな流れを追えたので読んでよかった。
もういくつ寝ると〜春休み〜
と早く春休みが来ないかなとそわそわしています。
学生生活最後の春休みを楽しめるよう、ひとまず発表準備をがんばります。
かしこ